『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 9 巻 「ハズカシガール」
9 巻も面白いぞ!(あいさつ)
推理物が好きな作者らしく、次巻への「伏線」が仕込まれています。まぁ、ちゃんと本作を読んでいれば、うすうすは気付けると思いますが……。
第 72 話 「ファッショナブル侍」
のっけから振蔵がすごい発言をしています。
ゴンが「ハンターやめるわ www」とか、ルフィが「ワンピース? イラネ」とか、銀さんが「人助けとか、マジでダリーんだけど」とか言い出すのと同じレベルですよね(銀さんは普通に言いそう)。
キャラクタのアイデンティティが崩壊する──。
当然、スケット団のメンバは「何を言ってるんだ!!」とか何とか青春ドラマパートに突入して止める──んじゃねェのかよ!
たしかに、振蔵は侍ではない──けどさ。
自分で作った人物に対する、作者の冷静な目には驚かされます。ボッスンのヘタレを叩く描写なども、ハンパないですよね。
振蔵はマジメな性格なので、自分の信念を貫き通すかどうか悩んでいます。が──やっていることは、たんなる出会い系サイトでの恋人探しなのが面白い。チャラチャラと遊びでつきあったり、ギラギラと「獲物」を探すヤツよりは、何倍も好感が持てます。
そして、ボッスンが振蔵に語った結論がすごい。真理だ!
ボッスン自身は、人助けするという信念は何があっても曲げないのに、振蔵に対してはそんなん いンだよ !!!
と言う。なぜか。
──それはきっと、振蔵の心の中で答えが出ていたからでしょうね。信念よりもメグミ殿を取りたかった、誰かに後押しして欲しかった──と。──まぁ、話の都合上だろうけど(言っちゃった)。
今回のメインテーマと思われる振蔵の着替えは、ベッタベタなネタの連続で楽しい。とくに、ボッスンがそーゆーの アリなのね !?
と さりげなく確認しているところが最高です。コント番組のノリですね。
ジャンプネタではエイジが最強ですが、その直前に、振蔵の特長が 全て削ぎ落とされて
いるコマが面白すぎます。分かっているんだったら、振蔵も止めればいいのに!
ただ、この流れで「振蔵が本当にスケット団を信頼していること」を描き、「デートにはヒゲを剃っていくこと」をクリアしているのが見事です。
振蔵よ、お幸せに!(その後、彼を見た者はいない……)
第 73 話 「おねえさんがんばる!」
おねえさん先生(美空レミ)って、じつは苦手なんですよね。
世間(どこの?)では「ドジっこキャラ」が人気のようですが、自分は二次元でも三次元でもドジ属性の人が嫌いなんです。イライラする。オバケのQ太郎とか、ダメ、ぜったい!
まぁ、「ドジな子がカワイイんでしょ?」という「なんちゃって」なアザトサがないだけ、レミは良いです。──全部、計算だったりして……。
レミが登場すると、とたんにエロさが増すのが気になります。レミが、そして作者が狙っているのか否か……。
たとえば、レミがストッキングを脱ぐ場面があります。その目的を考えれば納得がいくところなのに、わざわざスケット団の茶々でエロく見えてしまう(とくにスイッチの発言)。
ここが、どうも作品のフンイキと合っていない。なんというか、「健康的なエロ」よりも「退廃的なインビさ」を感じます。衣装が毎回モッタリしているけど、それが逆に……(ゴクリ……)。
作者はそれを意図してやっているのか、それとも、オレの目がにごっているのか……(それだ!)。
第 74 話 「ステイクアウト・ブルース」
一ページ目のボッスンとヒメコに噴く。なにこの「きゃっきゃうふふ」状態。いつも思うけど、2 人は仲が良すぎですよね。
そして、一ページ目と二ページ目とのギャップがすごい。ベタはベタなんだけど、うまいなー。
ボッスンと椿が「犬猿の仲」ネタは、外れがないですね。作者も、ネームを描いていて「キャラが勝手に動いて止まらない」のだと想像します。ホント、オモロいわー、この 2 人。
ビバゲーあたりまでは、どちらかと言うと椿は嫌いでした。あまりにも正義面していて……。
しかし、だんだんと彼の「素性」が分かってくると、ちょっと好きになってきました。
そうして見ると、煙かボクは !!
とか、はいプザン!
といった椿のセリフが楽しめます。ボケとツッコミが両方できて、しかもユニークですよね。
さて、この話が まさか、あんな風につながるとは……!