『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 21 巻 感想・1

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『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 21 巻 「バレンタイン・クライシス」

煮卵 2.0
(つややかな煮卵は──涙で濡れている)

21 巻の表紙は華やかですね! 同じく「3 人娘」が表紙の 19 巻と、意図的に似せたデザインです。

『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 19 巻 感想・1 | 亜細亜ノ蛾

そう言えば、この 6 人で 3 組のペアができ──そうで、できなかった。誰と誰を入れ替えれば完成するのか、意外と難問かもしれません。

この巻の見どころは、「懐かしい登場人物の再登場」です。キャラを使い捨てにしない姿勢は うれしいですね。あの先生にも見習って欲しい。

ただ──、登場の回数が増えたことで、逆に悲しくなることもあるのです……。それはまた後半で書くとして、前半の感想をどうぞ!

第 181 話 「6 禁ホラー賞」

自分もホラー映画は好きです。しかし、観て「怖い!」と思ったことは、ほとんど ありません。大好きな『SAW』シリーズでも、スプラッタなシーンは、むしろ笑えてきます。それよりも、第 1 作目のトリックのほうが驚いたし、楽しめました。

ソウ (SAW) – この一作から映画史の新しい時代が始まる | 亜細亜ノ蛾

そのため、ホラー映画を観て ちゃんと怖がれるスイッチが、けっこう うらやましい。怖くないのにホラーを楽しむという(ひねくれた)姿勢は、コメディを無表情で観る行為に等しい──と思うからです。

スイッチは、純な男ですね。


久しぶりに結城澪呼が活躍していて、うれしかったです。いいキャラだよなー。メイクを落とした女子なら、こういう素顔のコは普通にいますよね。スイッチを含めて、どうして彼女を放っておくんだろう……?

答え: 「坊やだからさ」

澪呼が窓からズルズルと入ってくる場面は、校庭側から見ると「わぁ~お(はぁと)」な絵になっているはずですが、そこもスルーだし(そこはスルーしてやれよ)。

ただ、まぁ──、絶叫している澪呼は、本当に恐ろしい表情ですよね。この顔に耐えられるのは、スイッチだけだと思う。怖がるどころか、演技や演出に対して本気で怒っている。

スイッチが珍しくキレてホラー映画 なめんな! と激怒している場面は、本人も口を開いて叫びたかったのでは?


タイトルは『ロッキー・ホラー・ショー』のパロディですね。でも、もう知っている人も少ないだろうなぁ……。だんだんとテレビを見ている人口も減っているし、「誰でも知っているネタ」も減っています。

痛いニュース(ノ∀`) : 若者のテレビ離れ、史上最低の視聴率で一目瞭然 視聴時間が5年で3割減少 – ライブドアブログ

だから、「テレビあるあるネタ」に頼っていると、人気が取れませんよ──って、『いぬまるだしっ』のことかーーーっ!!!(せやで)


椿佐介の女装(サス子)またキタ!

──というナレーションには、まんまと引っかかりましたね。本当に彼(女)が出演しても良かったと思うけれど、女キャラになるとボーッとしているから、「怖がる演技」が できないのかも?

たんなる空想の場面だけで この巻のサス子は終わりか──と思わせる、見事な二重トリックでした。


トシゴロのワカイモンが夜中の学校に集まって──(ごくり……)、ホラー映画の撮影をしている。想像すると、楽しそうだけれど、その風景自体がホラーです。

早乙女浪漫が、ようやくナレーション役ではなく本筋で復帰しました! ──と思ったら、まともなセリフがない……。おまけに、本の中央付近にいるから、見切れかけています。もっと彼女に活躍の場をください!

あとで再登場するけれど、それも悲しかったなぁ……。

第 182 話 「憂いのフードファイター」

キャプテンこと高橋千秋の「消えるキャプ食い」を、ボッスンはクジラに たとえています。これはよく分かるようでいて、クジラの捕食シーンは誰も見たことがないと思う。

ちょうど今日、クジラの食いっぷりがケタ外れだと分かる動画を見ました。下のリンクからご覧ください。

危うくクジラに丸呑みされそうになったサーファー

──映画やドラマと違って、大げさなアクションも音楽もないから分かりにくいけれど、たんたんとしているだけに、あとからジワッと恐ろしくなりました。ちょっと位置がズレただけで、一瞬にして何人か消えた可能性も……。


今回は、格好いい・かわいい・おもしろい──とキャプテンの いろいろな姿が見られます。

おっちゃんの横を素通りする時に速い !!と驚かれていたけれど、ヒメコは「『BLEACH』か!」とツッコんで欲しかったな。

さらに、高橋の「独特な色気がある」という点も十分に味わえました。「中・高校生に特有の健康的なセクシィさ」──とは言い切れない、あやしい色香です。

このあたりは、研究の余地がありますね。なんだろう? 単純に「赤面しているコマが多いから」だけでは ない気がする。ハフ ハフと普通の食べ方をしている時なんて、もう……!

心優しいスケット団のことだから、店長よりも先に「高橋・リバース」も片付けたと思います。世話をされて落ち込んでいるキャプテンの姿を想像すると、それはそれで……!


ボッスンも絶賛していた(?)ように、高橋キャプテンの太い眉は魅力的ですよね。よく見ると、ボッスンよりも太い

スイッチがネオキャプ食いの説明をしているコマでは、イモトアヤコさんみたいなイメージ映像になっています。たしかにあの人も、目と眉が同じくらいの太さだよなぁ……(ヒント: メイク)。

今回の流れ的に、「私… 太まゆ やめる」「キャプテェーーーン !!」とならなくて、本当に本当に良かった……!

第 183 話 「中庭冬の陣」

椿佐介と加藤希里は、「同じ生徒会の役員」や「主従関係」だと本人たちは思っている。つまりは、「友だち」とは違うのです。

でも、クラスメイトから見たら、「仲が良い 2 人」でしょうね。いろんな意味で……。そのあたりを正面から切り込んでくるのはボッスンだけですが、影ではウワサになっているに違いない! ──女子を中心にして。

「弟を取られた兄」という角度から攻めてくるヒメコも、かなりレベルが高い! (この記事は「週刊少年ジャンプ」のマンガ『スケット・ダンス』の感想です──たぶん)


ヒメコと加藤の関係は、なかなかスリリングでドキドキしてきます。お互いに「身近な人間に救われた」という過去があって共感し合っているのですが──、「それだけ」で終わらない気がする。

とくに加藤のほうが、ヒメコを強く意識しています。前の巻で加藤が暴走した きっかけは、じつはヒメコでした。

『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 20 巻 感想・2 | 亜細亜ノ蛾

恋愛についてヒメコは、「中学生か!」というくらい遅れています。おそらく、「だからボッスンを意識している」のだと思う。感謝の気持ちと恋愛感情とを、混同しているのではないか──と。

その気持ちに整理が付いた時、ヒメコとボッスンは今まで以上の友情で結ばれて──、そして離れていくのでは ないでしょうか。もちろん、一生を通して「友人同士」だと思うけれど、パートナは別々にいる。

──と自分は想像しているけれど、この作者のことだから意表を突いてくるかもしれませんね。ごく普通にボッスンとヒメコが大学生のうちに学生結婚して、幸せな家庭を築いたりして。

第 184 話 「妹を心配する兄を心配する友」

アニメ『美味しんぼ』のテーマ・ソングである『DANG DANG 気になる。』を、ボッスンが歌っていて驚きです。巻末を見ると、ちゃんと JASRAC の表記がある。

そこは「だるん だるん 切なく♪」などと ごまかせば良かったのでは?

あと、第 181 話ではツイッターの名前も普通に出て来ました。実在の会社・団体の名前をボカすことが多いなかで、Twitter は『めだかボックス』などでも隠さずに使われている。「ジャンプ」と何らかの つながりがあるのでしょうかね?


作者いわくの勘違いお兄ちゃんシリーズは、週刊連載では最後まで描かれています。おもしろかった!

セルフ ライナー ノーツ」によると、この回の時点では、終わりが見えなかったらしい。ヘタをしたら、安形惣司郎だけではなく、妹の紗綾まで読者の人気を下げる可能性があっただけに、その構成力に感心するばかりです。


友だちのために精力的な動きを見せる、榛葉道流も良かった。影の薄かった彼ですが、友情に厚い点ではスケット団にも負けていません。彼の良い面を、もっと早く引き出して欲しかったですね。

多くの女生徒から慕われつつも、悪いウワサは流れていないようだし、ミチルは純粋に「サービス精神が旺盛」なだけかも。

今回のシリーズは、ミチルがいなかったら最悪な結末まで予想できました。生徒会長としての安形を一番 支えてきたメンバは、椿よりも、ミチルかもしれませんね。

最後の 2 ページは、女性ファンへのサービスなのかな──と思ったり。安形が、夜中にベッドでモンモンと──ミチルのことを考えている。