HUNTER×HUNTER No.264「突入 4」(週刊少年ジャンプ 2007 年 48 号)
いよいよゴンたちが宮殿内に突入! ──長かった、いや、じつに長かった……!
──しかし、そんなことも霞(かす)んでしまう、「あのお方」の強さ。次回からゴンたちは──いらないのでは、と思ってしまうくらい。
前々から思っていましたが、作者・冨樫義博という人は、
「強いヤツを『強く見せる』のが上手い」
ですね。
──え、いやいや、それってバトルマンガ書いてる人だったら、誰でもそうじゃね? 必携のスキルじゃね? と思われがちですが、じゃあ例えば、今のジャンプで、他にそういう人がいるかというと……。
まぁ、この作者に限らず、
「強いヤツはみんな●ってる(←crazy)」
ということは言えそうです。
ピトーがますます男(オス)なのか女(メス)なのかわからないのと、次回でプフの命が心配(!)なのと、ユピーはあっさり負けそうなのが、ちょっと心配な回でした。
ジジイとジジイ
今回はジジイ二人、ネテロ会長とゼノが格好良かったですね。しかしこの二人、じつはまったく格が違うことがわかってしまった、という恐ろしい話。
いきなり場面が変わって、なにやらインタビューを受けているようなゼノに驚きました。内容はなぜか、ネテロ会長の強さに関することです。
そこでわかった、衝撃の事実!
ゼノがガキの頃(想像不可)から、ネテロはジジイだった!
──って、いくら何でも無茶苦茶な設定を持ち出してきましたが、ここまで来ると、会長が人間かどうか、怪しくなってきますね。
さらに、ゼノ自身が、ネテロとは「陰と陽」のような関係でありながら「対等なわけあるか!」と。う、うーん……。
マフィアの幹部たちに対して数秒で息の根を止めると脅したり、凄腕の殺し屋たちに「3 割引で(殺しを)請け負うぞ?」と睨みを利かせたりしていたゼノが、会長には「泣かされとるわい!」とは……。
ネテロが、ピトーに対して「蟻んコ」呼ばわりするのも伊達じゃない。このシーンのネテロは、本当に恐かった!
虎眼先生と同様、「絶対に敵に回してはいけないジジイリスト」に入れておきましょう。
ピトーは?
そんなジジイを、敵に回してしまったネフェルピトー。なにやらガード不能技のような「百式観音(ひゃくしきかんのん)」で、吹き飛ばされてしまいました。
ここで気になることが、二つ。
まず、「絶対、死んではいないよね」ということ。
意識はしっかりしているし、冷静に状況を見極めているように見えます。そもそも、「そのまま彼方へ消えてくれると有難(ありがた)い」という(希望的)セリフがある場合、「彼方へは消えない」と読むのが、(天の邪鬼な)冨樫ファンというもの。
もう一つは、しつこいようだけど「ゴンはどうするの?」ということ。
会長にとって、ピトーが向かってくる状況は、充分に予測していたようです。そして、それ以上に、ゴンがピトーに対して怒りを燃やしているのも察しているはず。
宮殿侵入の目的は、人類に害をなすキメラアントの王を殲滅すること(のはず)。ハンター協会の会長としては、ただそれだけを達成するのが最優先。ゴンの私怨なんて、優先順位のリストには入っていない──とは、言い切れないんだよなー、(自分が勝手に想像する)会長の人柄から考えて。
会長がピトーを退場させたのが、ハプニングだったのか、上々の結果だったのか、かなり気になります。場合によっては、ゴンがネテロに怒りをぶつける、というのもありそうで怖い。
プフは?
シャウアプフは王を護るため、玉座へ。そこでプフが見たモノは?
──い、いや、モラウたちの勝手な想像だったはずが、大当たりして、王が、コ、コムギと……。
love を make
したり、hoge を install
したり exit
したりしているのでは……。
「少年マンガでそういうことは有り得ない」と断言できないのが、冨樫クオリティ。前々回、スルーしていましたが「性交」ってはっきり出ていましたからね。さて……。
ユピーは?
他の二匹が動き回っているからか、モントゥトゥユピーがただ頭上を見上げているだけなのが、鈍いヤツに見えてしまいますね。
すでにメレオロンとナックル、そしてモラウも消えているようですが、──あれ、そういえば、ユピーと戦うのは「ナックル・メレオロン・シュート」でいいんだよね?(再開直後、No.260 のカラーページを見てみよう) なんでシュートは丸見え? 油断をさせる作戦、ということなのか。
──あれ? いまごろ気がついたけど、メレオロンの能力で姿を消して、ナックルが王の「ハコワレ」を狙う、という作戦とずっと思っていましたが、全然違うのかな? よく考えたら、ずっと初期段階から「王とは会長が戦う」と決まっていたしな……。
じゃぁ、上記のコンボはピトー対策なのか、と考えると、でもピトーって念能力を使ったことが無いような。うーん。
さらに考えていくと、No.260 ではモラウは「四番手」と書いてあったけど、No.262 では「突入と同時に煙幕張る」とナックルが言っている。このあたり、物語のなかでは数分ですが、現実にはものすごい時間が流れているわけで──コミックでは修正されるのでしょうか。
ということで(?)、先の読めない展開が見事な、『ハンター×ハンター』はやっぱりすごい、ということでした(小学生の感想文か)。