Capture NX 2
昨日は SILKYPIX Developer Studio(4.0)を紹介したが、Capture NX 2 も使っている。ともに「RAW 現像ソフト」だが、コンセプトがまるで異なっていて面白い。
どちらかと言うと、設定値をじっくりと決めていく SILKYPIX に対して、Capture NX 2 は「レタッチソフト」という位置づけに近い。
コンピュータでレタッチというと Photoshop が真っ先に名前が挙がる。一般ユーザには、Photoshop Elements 7 でも良い。
Photoshop の一番の特色を挙げろと言われれば、自分は「レイヤーマスク」と答える。単なるレイヤーを装備したソフトウェアは多いが、レイヤーをマスクできるものは少ない。マスクのおかげで、表現力が何十倍にも広がる。
Adobe Photoshop Elements 7 * レイヤーマスクの編集
とはいえ、レイヤーとマスクの関係・レイヤーのモードなど、やれる事が多い分、知るべき事が大量にある。すべて覚えられる人は、それだけで手に職をつけられるほどだ(最近は、そうでもない?)。その結果、にわか Photoshop-er による「いかにもフォトショ」な画像が出回る。
フォトショップのようにゼイタクな機能を持った、簡単に使えるツールがあれば……。
「あるよ」
ガイドとレビュー
Capture NX シリーズの概要は、公式サイトのガイドが分かりやすい。
バージョン 2 からの特徴的な新機能である「自動レタッチブラシ」と「選択コントロールポイント」については、下記の記事もご覧いただきたい。とくに「自動レタッチブラシ」と「カラーコントロールポイント」は絶賛している。たしかに、スゴい機能だ。
新製品レビュー:Capture NX 2 | クリエイティブ・タブロイド withD(ウィズ・ディー)
D-ライティング
Capture NX 2 で一番好きな機能が、D-ライティングだ。暗すぎる部分・または明るすぎる部分だけを補正できる。
Guide.18: Capture NX ガイド – フォトテクニック – Enjoyニコン | ニコンイメージング
使いすぎると わざとらしい写真になるが、ちょっと麻薬的にクセになる面白さだ。
すぐ上にある画像も、この機能を効果的に使っている。元の状態だと、あまりにも暗すぎた。D-ライティングがあれば、ハイライトのフンイキをくずさずに、暗い場所を明るくできる。階調も壊れない。
これも、コンパクトデジタルカメラに比べれば はるかに広い色の範囲を持つ、デジタル一眼レフの RAW 画像のパワーがあるからこそである。
写真の持ち味を壊さない程度に扱えば、D-ライティングは素晴らしい効果を見せるはずだ。積極的に使いたい。
ノイズ
個人的には、フィルタ機能でノイズを加えられるのが気に入っている。
どのメーカも、必死になってデジタルデータのノイズと戦っているというのに、わざわざノイズを足すのだ。しかも、粒子状のノイズを載せられる。銀塩写真に似せるためだろう。
この記事の一番上の写真は、何気なく撮ったら「アレ・ブレ・ボケ」に写った。ここぞとばかりにハイコントラストにして、モノクロに変換する。粒子状ノイズを乗せまくれば──「あの人」の作風っぽい?
Nikon の RAW 画像(.nef)のみ
──とオススメしておいて申し訳ないが、Capture NX シリーズは、Nikon の RAW 画像でしか最大限に能力を発揮できない。ほかのメーカの RAW 画像も開けられればいいのに、と何度も思った。
不思議な事に、JPEG 画像や TIFF 画像は、Capture NX2 で開いて普通に編集が行なえる。
それならば、別にほかの RAW でもできたら……。NX3 か NX4 くらいで対応するのだろうか(たぶん、そういう方針はない)。