『バクマン。』 45 ページ 「病気とやる気」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 33 号)
今週のジャンプはスゴかった。
『銀魂』の ぶっちゃけた叫びには、「とうとう作者が自ら言ってしまったか……」と笑いました。廬山昇龍覇(ろざんしょうりゅうは)は やり過ぎだが、面白い。
そう、マンガというモノは、数々のタブーを乗り越えてこそ、面白くなるのです。
今回の『バクマン。』では、まるで作品を飛び出して「ある先生」へのメッセージを送るような、そんな風にも取れる場面がありました。──ごぶさたしていますが、その先生は、お元気なのでしょうか……。
それで 間違いでは ありません
今週号の 1 コマ目が、目を開けたサイコーの絵から始まって、まずは安心しました。
しかし、サイコーは意識が もうろうとしています。顔も別人のよう。こんな容体になるまで、頑張っていたのか……。
この状態でも原稿を仕上げる気の彼を見ると、ほかの人たちと同様に、言葉が出ませんね。おとなしく寝ていろ、と言っても聞くはずがない。
最大のチャンス
いまの世の中、めったなことでは栄養失調気味
に なりません。サイコーは、寝る間を惜しんだだけではなく、食事の時間も切り詰めて原稿に向かっていたのでしょうか。
そういえば、『バクマン。』では食事のシーンが ほとんど出てきません。
映画でもアニメでも、登場人物たちが集まって ご飯を食べる場面は、重要視されています。宮﨑駿監督の作品を見れば分かりますよね。新旧のエヴァも食べ物で人物の性格を表していました。
ところが、本作品では「サイコーの好物」すら読者は知らない。
──いや、ザックリと『バクマン。 1』を読むと、「サイコーはコーヒーが好き」ということだけは分かります。表紙の缶コーヒーから始まり、美雪にはブラックコーヒーを出してもらい、コンビニでは紙パックのコーヒーを買う──。
結論: サイコーが栄養失調になったのは、コーヒーしか摂取していないから
(意図的に『バクマン。 2』の焼き肉はスルーしています。これだけでは「サイコーは肉好き」とは言えないし)
いつの日か、サイコーとシュージン・亜豆・見吉の 4 人がそろって食事をする場面が見てみたいですね。
帰って 仕事します
人間 そんな簡単に 死ぬ訳ない
、とサイコーは医師の制止を突っぱねます。全身がエネルギィの固まりの時期である、高校生らしい発言に聞こえますが──
「おじさん」のことは、サイコーの頭にないのでしょうか。
川口たろう先生が残した、膨大なネームの量を肌で実感できるようになり、「まだまだ おじさんの領域には達していない」と思ったのかもしれませんね。
その気持ちだけでいい
サイコーは叫ぶ。
- 真城:
- 「週刊連載は 休んじゃ駄目なんだ !!」
──冨樫義博先生、ご覧いただけましたか……?
サイコーの言葉を聞いて、すかさず平丸の事を持ち出す港浦のセリフも、冨樫先生へ向けたメッセージであると読んでしまいました。──よね?(聞くな聞くな)
病気だから休むことは恥ではない──と言う服部や、何年も続いた 人気マンガが 休載する
と言うサイコーから、どうも「あの伝説」(黒歴史)を思い出します……。
- 冨樫犬:
- 「ぼくも 病気だよ」
いや、あくまでも これは『バクマン。』の中だけのやり取りであって、原作者のガモu ──大場つぐみ先生が冨樫先生へ講義している、というワケではない。はずです……か?(弱気)
プロなんですから
港浦はサイコーのことを思っているのか、それともジャンプ(売り上げ・人気)のためなのか、ちょっと分かりませんね。ただただサイコーの迫力に押されただけなのでしょうか。
母親がここで止めたのは正解です。そうでなくても医師が止めたでしょうが、母親の口から言って欲しかった。「息子が言うんだったら──」とサイコーの言うことを受け入れてしまうのではないか、と前回の流れから思っていたのです。
もしも、倒れたのがシュージンだったとしたら、シュージンの母親は何と言ったでしょうね……。