バクマン。 #65-4 「頑固と素直」 連載の条件と恋愛の強制

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『バクマン。』 65 ページ 「頑固と素直」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 01 号)

No point crying... 144/365 (by //amy//) (by //amy//)

今回のラストはもう、ビックリですよ。

どうしても理解できないのは、中井の行動そのものよりも、なぜ作者がこんな中井を描いたのか。『ハイドア』に命を賭けていた中井には、応援する読者もたくさんいたでしょう。どうしてこうなった!

はい…… もう一度

今週号の中井には、(ウェブ上にいる)読者からの非難が集中しています。自分も嫌いになりました。それで、じつは今回で一番イヤな場面が、このページ──蒼樹と会う前の中井です。次のページ、ではなく。その理由は、あとで書きます。

再読の時に気がつきましたが、この時間(夜)に中井が蒼樹に会おうと言うのは、すこしオカシイですよね。最初に読んだときには、「なぜ、蒼樹は疑問に思っているのか」が分かりませんでした。

ただ──、一度は自分の方からコンビを解消し、中井の告白も断わったのに、とつぜん夜に電話する蒼樹も蒼樹です。これは、自分の次回作を一刻も早く始めたいという焦りと、山久の提案を素直に聞く気持ちから、急に電話をかけたのでしょう。それが裏目に出てしまった。──仕方ありませんけれど……。

迷ってるんです

もう、誰もが驚いたと思います。このページの中井には、おまえは何を言っているんだと言いたくなる。

まぁ、「中井は元からイヤなヤツだった」で済ませてもいいのですが、いくらなんでも変わりすぎです。それで困るのが、加藤の存在なんですよ。この展開だと、「加藤を好きになったことで、中井が堕落した」ように見えてしまう。加藤はさげまんなのか……? いやいや……。

マジで?

ものすごく悲しい場面のはずですが、どうも、蒼樹さんの胸部あたりに目が行ってしまう……。なんという画力だ……! そして、この上半身を支えられるだけの筋力があるからこそ、思い切りよく腕が振り抜けたのですね(何を分析しているんだ、オレ?)。

周りの反応も面白くて、たしかにこういうの って あるんだと思うでしょう。客からすると、蒼樹と中井は、どんな関係に見えたのか……。いまだと、「何かのオフ会?」と思ったりして。

付き合え?

人として 最低です!

──蒼樹に、そこまで言わせてしまった中井は、責められるべきでしょう。そして、つぐなう機会は、もうありません。たしかに、最低だ。

この場面で気になるのは、去り際に言った中井の言葉です。このページだけを見ると、「わざと蒼樹に嫌われるような態度を取って、後腐れなく去った」ように思える。加藤も蒼樹も──という煮え切らない態度を一掃するために、中井が自分から動いた。そう見えますよね?

でも、中井がそんな気持ちではなかったことは、3 ページ前を見れば分かります。……いける! というモノローグがなければ、まだ良かった。中井をかばう人もいたでしょう。でも、今回の中井は、完全に自分勝手なだけです。

「上げて落とす、落として上げる」という展開が多い『バクマン。』ですが、さすがに中井が上がってくることは、ないでしょう……。

コメント

  1. 匿名 より:

    はじめてコメントします!o(^-^)oいつも楽しく読ませてもらっております。今週の中井はも〜すごかったですね!(笑)まぁ今まで誰とも付き合ったことがなければ調子に乗っちゃうのも仕方ないかな、とも思います…。(ある意味リアルです)でも中井初登場の頃を思い出してみたら、まだ高1のサイコーの前で『女ほし〜』とか言ってるので…キャラが変わったというか初期の中井に戻った感じなのか……な………??(笑)初期よりちょっとタチが悪いのはアシスタントという環境の中加藤さんという恋人候補?もいることで、連載への執着も、好きな人への純粋な想いも無くなっちゃったことですよね。現実ではそういう人たくさんいると思います。(私にも経験があるのでよく分かります…)中井は元々漫画家志望者に1番ありがちな、リアルなキャラなので、(もちろん今週の中井は最低だと思いますが)こういう人間的な生々しさみたいなもの?を背負わされているのかな…とも思ったりしました。あくまで私個人の意見です。変なことばっかり言ってるかもしれません…………ごめんなさい>< あっ アニメ化正式に発表されましたね!『このマンガがすごい!2010』のオトコ編でも1位!!アニメに関しては不安もありますが、大好きなマンガなのでもっと多くの人に知ってもらえると思うとすごく嬉しいです!!長文失礼いたしました。

  2. asiamoth より:

    どうもー、初めまして!
    今回の中井は、それはそれは、ヒドい男でしたね……。
    ただ、たしかに、マンガ描きとしては成長しましたが、「男として」は初期から変わっていないのかもしれません。
    そりゃ、変わるわけもないか……。
    アニメは見ないと思いますが(えー)、『バクマン。』を知ってもらえる機会が増えて、自分もうれしいです!