バクマン。 #52-2 「感想と疾走」 少年マンガの本分とダメ作家

シェアする

『バクマン。』 52 ページ 「感想と疾走」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 41 号)

Fight Club (by Kevin Steele) (by Kevin Steele)

今週号の『バクマン。』は、ジャンプを飛び抜けて各マンガ業界に波風を立てそうな内容でした。

とくに、今回の感想で書いた範囲は、ドキッとした編集者と読者が多いはず。何も感じない人は、自分に誇りを持っているか、元からプライドがないか、どちらかでしょう。

個人的には、「響恭太郎と編集者がケンカする」場面が良かったですね。コミカルな笑いを取るためのシーンと見せかけて、けっこう深いですよ……。

これは駄目だろ

シュージンが「ファンの声を取り入れた」ネームは、別人が書いたように港浦には見えたようです。そんなにも違いがあったのか……。

珍しく港浦が怒っていて、ちょっとドキドキしました。サイコーもシュージンも、唖然としています。なんとなく、この 2 人は怒られる機会が少ないのでは、と思いました。「1 ページ」でサイコーは母親に怒られていましたが……。

このページの港浦は、一見すると「集金屋」に見えますね。横に置いてあるカバンが、それっぽい。ホント、港浦は集英社に入社する前は、何をやっていたのだろう? 大学を卒業してそのまま入社、には見えません。

支離滅裂な もの

ファンのアイデアを何でも取り入れるのは、一番 やっちゃいけないことだと港浦は言います。

ファンが作った 作品を積極的に売り出そうとする雑誌もあったような……

──でも、ジャンプのアンケートって、「次に読みたい展開」をよく読者に聞いているような気がしますけど……。そこんとこ、どーなの?>佐々木編集長

佐々木「マンガは面白ければいいんだ」

それは悪い事じゃない

ジャンプ作家へファンレターを出すのは、女の子のファンが多いそうです。「週刊少年ジャンプ」なのに……。もともと、「ファンレターを書く」という行為を、あまり男の子は しないのでしょうね。

ここでまた、波紋を呼びそうな正論を港浦が言っています。

女の子の人気を取ろうと 始まるマンガはない

──結果的に、そうなったマンガが いくつもあったような、いまだに連載しているような……。き、気のせいですよね……? きっと、写輪眼とか、霧の幻術とか、明鏡止水なのでしょう(言っちゃった)。

振り回されては駄目だ

背景にウェブ上の感想(という名の悪口)が並べてあるコマは、エヴァを思い出しました。「庵野■ね」とかね……。

そういえば、そういった無責任な意見に潰された作家もいたなぁ……。誰も得をしないような、不幸の連鎖を呼ぶだけの批評(というなの暴言)は、やめて欲しいです。本当に、意味がない。

さて、亜城木夢叶は、連載会議までの残り 2 話で勝負することになりました。連載が始まる前までは、こんな気持ちを味わうとは思わなかったでしょうね。

2 人に対して、描きたいモノを描くように指示した港浦は、きっと正解です。ここで読者にコビを売る展開を描かせるような編集者は、やめたほうがいい(あ、これも無責任な批評か……)。

これじゃ 共倒れ

今週号の『バクマン。』で一番おもしろかったページが、この響恭太郎と(名もなき?)編集者との会話です。

この編集者は、間界野昂次の担当だった人ですよね? 作家運がない人のようです……。

ところが、キレてケンカをし初めてからが面白い!

逆だ逆! こうなって初めて 仲がいいって言うんだ

このセリフ、いいなぁ。体育会系ノリのジャンプ編集者らしい言葉です。男同士の絆って、こうやって深くなるんだよな、と思いました。

響の器が大きければ、このケンカを通して一回り成長するのでは。そうでないなら、打切りもやむなしでしょうね。

──そう、ここで響が化ける可能性があるから、今週号のラストが不安なのです……。