バクマン。 #153-3 「世界と相手」 勘弁と密度

シェアする

『バクマン。』 153 ページ 「世界と相手」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 47 号)

That's Funny
(「そのギャグは──マジで勘弁して!」)

西尾維新先生は、今週号の「ジャンプ」(p.384)でストキン炎 & プリンス総評として、以下のように語っていました。

原作者は作画をしないので人の倍働いて初めて仕事をしたと言えます。(……)

多くの人は『一人分』の仕事で足を止めちゃってるので、まずは『今の倍』を基準に『一人前』目指して邁進して下さい。

ここでは一部を抜粋しましたが、ぜひとも全文を読んで欲しい名文です! 人様の作品を読んでテキトーな感想を書いている自分には、背筋が伸びる思いでした。

めだかボックス』でアンチ「週刊少年ジャンプ」な人物を登場させておいて、よくもこんなことが書けるものだ!(←絶賛) 先生の仕事量を知れば、誰も反論ができないでしょう。

ここ1年の西尾維新の仕事量・・・・仕事しすぎだろうwww|やらおん!

西尾先生のアドバイスは、今回の『バクマン。』にも関連しています。というか──ムリヤリに つなげました。

勘弁してくれよ

それにしても──、そもそも連載してる作家で 2 本ずつ 4 枠なんて無理だったのか。もしも これが動かしがたい事実であれば、亜城木夢叶か新妻エイジか、どちらかの努力がムダになります。

──そんなわけは、ないよなぁ……。

いくら「前例がない」からといって、そんな編集者側の都合だけで、作家の情熱を無視するわけがありません。『ZOMBIE ☆ GUN』を通すために雄二郎の口から出た、デマカセに近い発言です。

雄二郎の気持ちも分かるけれど、班長の立場で この態度はあり得ない。せめて、ほかの班員が聞いていない場所で話すべきです。

ここでも港浦が、じつにナイスなツッコミを入れている。「そういう役」なら頼りになりますね。


2 人なら 2 本描けるだとか、作家一人一本描くのが普通って──、大場つぐみ先生と 小畑健先生のことかーーーっ!!!

ほかの先生にも当てはまるのでは──と調べたら、原作・作画に別れているコンビ作は、『バクマン。』と『めだかボックス』だけでしたね。ほかにもあった、ような……。

服部の言っていることは、正論のようでいて、じつは暴論に近いと思います。

サイコーは、何か月もかけて執筆の速度を上げる努力を続けてきました。それでも、現時点で 2 本の連載が可能かどうかは不確かです。

シュージンも『PCP』の原作 1 話を週の半分で書き上げている──わけではない。それどころか、何度スランプになったことか……。

けっきょく、亜城木コンビの 2 人で 2 作品を描くことは、仕事量としては 2 倍に近い。いままでの 1.8 倍くらいの努力が必要──という感じでしょうか。ム、ムリじゃないかなぁ……。

このネーム 読んでみて くださいよ

まるでラブレターを差しだしているような服部です。──ある意味、間違いではありませんね。作家と編集者との情熱が詰まった封書です。

この服部と雄二郎との やりとりは、「おかしい」。つまり、愉快であり異常です。「おかしさ」の理由は、「班員の持ってきたネームを班長が読まない」点にある。いくらなんでも、それはダメでしょう!

アフロは、班長になってもアフロだなぁ(?)。

その先の事は

瓶子編集長の忠告からも分かるように、あくまでも連載できる レベルか どうかを判断するのは、班長である雄二郎の仕事なんですよね。

班長が好きなジャンルの作品ばかり載ったり、個人的な人間関係で掲載が決まったり──そんなことが起こりそう。──「なにをイマサラ」な話で、雄二郎班長(ヘンな呼び方)以外にも・以前にも あったでしょうね。

どんな会社(社会)でも、同様のことが繰り返されている──。良いモノだけが世に出る──わけではない。


『REVERSI』を それほど面白がっていない雄二郎が気になりました。作品よりも「空気を読んで」サインをした感じです。

新妻エイジの描いた原稿を、いつも楽しんで雄二郎は読んでいる。その姿が印象的だから、この場面では素っ気なく見えました。

ただ──、このムードのなかで、「おもしろい!」「傑作だッ!」と奇声を発しながら読むほうがヘンですね。

連載用ネーム です

今回、雄二郎が やった仕事と言えば、「ネームを読む」「署名する」「相田副編集長へ提出する」だけです。しかし、こうやって事細かに描かれると、さまざまな心理状態になるのだな──と分かりました。

自分の偏見に充ち満ちた目から見れば、「吉田以外の班長は働いていない」ように思えたけれど、そんなことは ありませんね。

どう考えても週 2 本は

この会議の展開は、かなり意外でした。

『PCP』と『REVERSI』の両方とも連載するべきだ──と推薦しているのは、矢作副編集長(四角い人)なのです。相田班長(丸い人)ではなく。瓶子編集長(三角な人)は、どちら側なのか──。

相田が、2 本同時の連載に乗り気ではないのは、『PCP』を大事にしたいからでしょうね。ただ、高校時代にサイコーが入院したことを今になって持ち出しているのは、ちょっと根性が悪い気がする。

そう言えば、サイコーが倒れた時も、相田の頭には雑誌のことしかなかったなぁ……(『バクマン。 (6)』)。その件で嫌いになったのでした。

バクマン。 #48-4 「生死と制止」 五人対五人と鼻エンピツ | 亜細亜ノ蛾


週刊誌で 月 1 連載って いうのは より特別扱いですって──、『レベル E』のことかーーーっ!!!(そうだよ) あの作品くらい面白かったら、年一回でも続けて欲しいです。

たまに載っている超能力モノ読み切りではなく。