バクマン。 #138-3 「迫力とアイディア」 セピア色と十字架

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『バクマン。』 138 ページ 「迫力とアイディア」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 30 号)

Crossing
(十字の部分に──何かヒントが !?)

「ジャンプ」のマンガには、「おとぼけキャラ」「メガネ男子」「強気な女子」の 3 人組が多すぎる。役割は それぞれの作品で違うけれど、『バクマン。』に『PCP』・『SKET DANCE』・『銀魂』──と盛りだくさんです。

これは今回の『PCP』を読んで(いまごろ)気がつきました。3 人でコンビを組むと、このような役割分担になるのは必然なのでしょうかね?

でも、マンガ(作者)によっては、何人で組ませても、「格好いい男子」「格好いい男子」「格好いい男子」ばかりになりそうな気がするなぁ……。

ルーペ ストラップ !!

いよいよ、PCP(おもにマコト)が謎を解いていきます。自分も、一緒になって考えました。

Σ(シグマ)から届いた封書の名前は「正体状」だけれど、言ってしまえば「挑戦状」になる。ここで写真から時間と場所が分からなければ、完全に PCP の負けです。

──あ、そうであれば、負けた時のリスクが書いてあると、より緊張感があって良かったですね。たとえば、指定した時間に間に合わなければ、安之城舞にムリヤリ水着を着せr二度とシグマは正体も姿も現わさない──とか。


『バクマン。』の読者にはモノクロの写真に見えますが、実際にはセピア色をしているらしい。どちらにしても、総天然色(死後)では ありません。これは、読者たちと PCP との、認識の違いを最小限に抑えるためでしょう。

──つまり、マコトが着ているシャツが、本来は「白と黒」だったのに「赤と青」に塗り替えられていて、「そうか 3 丁目の『赤青書店』だ!」みたいに色(の名前)が重要なトリックだと、興ざめするからですね。

空の色が不自然に 真っ暗であることが、やはり重要でした。それと、カゲの方向もポイントのようです。ここまでは、前回の時点で自分も気がついていました。

しかし、上の 2 点は、「いまは朝だ」「なのに外が暗い」という意味でしかない。この部屋にいたマコトとミノルは、当然のように すぐ気がついたはずです。だからここまでは、読者へのヒントですね。

黒を 取り除けば……

前ページの実際は秒針なんか ないし 針の色も銀色という時計の情報は、読者には知りようもない。ミステリィ・ファンとしては、「フェアじゃないぞ!」というお決まりの文句を言いたくもなります。

もしかすると、『バクマン。』の読者はマコトの部屋にある時計を知らなくても、『PCP』の読者なら見ているのかも。『PCP』のコミックスを読みなおすと、マコトの部屋も時計も描かれていた──ということであれば、納得です。

この「特定の人が見ることで意味が変わってくる」写真や絵のトリックは、大好きな映画の『セブン』でも出てきました。ミステリィや刑事ドラマでは定番の描写ですが、少年マンガではあまり見ない気がします。最近では、『エニグマ』の一場面くらいでしょうか。

ミノルが、待ち合わせの場所を「教会」と推理するところは、なかなかニクい演出です。これが答えだったら、本気でガッカリする。なんで「呪い」なのに、教会やねん! 邪教?

服部先輩!

編集部でも、今回の『PCP』は評判です。1 位を獲るのは『CROW』か『PCP』か──と評価が分かれるほど、両者は差は少ない。

ただ、小杉編集が言うとおり、『PCP』の謎解きは強引なところを感じます。花火の時みたいに、何週も前から計画していれば、感想も違ったはず。


雄二郎は、また「キレイなアフロ」に変身している。白鳥シュンも七峰透も出てこなくなった今、女性読者の心を雄二郎で つかむ気なのか──と勘ぐってしまいます。このアフロに、それだけの力があるのかな……。

新妻エイジの担当者としては、『CROW』が終わっても続いても、どちらでもオイシイ。雄二郎に余裕があるのは、これが理由ですね。20 週ぶっちぎりの 1 位を獲るという伝説を作って終了するか、長々と人気マンガでいるか──。

やって くれたな 亜城木くんという福田のセリフは、妙に語感が良いですね。そのままマンガのタイトルに使えそう。

亜城木夢叶のことを、ずっと以前から、福田真太は見守っていました。そのため、「新妻師匠」に迫る原稿を描いてきた亜城木のことを、素直に称賛しています。それに、あとで追い抜く気持ちも消えていません。

福田はいつも、サッパリとしていて、すがすがしい。


高浜昇陽も、今回は亜城木に勝ちを譲っています。ただ、彼の成長の早さを見ると、「亜城木師匠」を超える日も遠くなさそうですけどね。

『正義の三肩』は、すでに『PCP』と同じような順位を競っています。『三肩』のドラマが始まったら、『PCP』もそうとう苦戦するのでは?


吉田は、だんだんと本音を出し始めましたね。彼の場合は、「素直になってきた」のではなく、「そう思わせることすら策略」だから、油断はできません──。

「カズタン作戦」は、平丸一也らしいエピソードとして、このままウヤムヤに終わりそう。普通に考えれば、マンガで頑張るのも良いけれど、蒼樹紅と会う機会を増やす努力をしたほうが効果的です。そんな凡人の考えに至らないのが、天才たる ゆえんか……!

なるほどね

スタイリッシュにマコトが推理する! 今回の見せ場がやってきました。

──それはいいけれど、わざわざメガネを外しているマコトが、何だか笑えます。よく見ると、右側のページは、前のページの続き──ではありません。いったい、何があったんだろう。「メガネを外すと集中モード」という──某スンとは逆の設定だったりして。

本のタイトルが『十字の呪い』となっていることは、よく見ればすぐに分かります。それでも、10 から 9 時というメッセージと絡ませるトリックは、ちょっと面白かった。

──「架」は、中学校で習うはずですけどね……。

架 とは – 漢字辞典 Weblio辞書