バクマン。 #68-4 「トイレとお風呂」 力不足とアドバイス

シェアする

『バクマン。』 68 ページ 「トイレとお風呂」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 05・06 合併号)

Easter is Coming! (by Write From Karen) (by Write From Karen)

『バクマン。』ほど電話のシーンが多いマンガもないでしょう。少なくとも、自分の知る(かなりせまい)範囲では、『DEATH NOTE』くらいしか思い浮かばない。

現実世界では、面と向かって話をしないと、なかなか相手のことが分かりません。直接会う時間を惜しみ、電話で済ませたことによって、自分の気持ちが向こうに伝わらなかった──そんな経験もあるのでは? (自分の仕事は、すべて電話での対応なので、毎日のようにあります)

ところが、マンガだと、それぞれの表情や心情を読者に伝えられる。人物を並べて書く必要がないから、自由に構図が取れるのです。

それに、たとえば、女性だったらセクシィな格好のままで会話をさせられるし──便利なことこの上なし! ですね(これ、蒼樹紅に教えてあげたいなぁ)。

まあ 頑張れ

山久は、いつも自信満々です。こういうタイプ、好きなんですよ(現実世界で近くにいたらウザイかもしれないケド)。だから、個人的には応援しています。

吉田によると、編集者になった 1 年目で 2 本も連載作品を担当した人は、いないようですね。たしかに、想像するだけでも大変そう。なんといっても、「あの」ジャンプ本誌ですからね……。

すこし前の『バクマン。』──金未来杯あたりでは、次々に連載が始まりました。「連載インフレ」と言ってもいいくらい。そのため、「ジャンプで連載すること」が、まるで簡単なことのように思った人も多いのでは。最近の展開だと、作品を立ち上げるまでの苦労が、あらためてよく分かりますね。

昨日の感想では、福田と蒼樹のラヴラヴさを書きました。今日の感想の範囲では、港浦と山久の仲良し具合が見られます。

港浦と山久は、お互いに同じくらいの力量と思い合っているからこそ、張り合ってしまう。第三者から見ると、仲が悪く見えるかもしれませんね。今回の会話を聞いているかぎりでは、後輩である山久の方が、余裕を持った態度をしています。自分に対する自信の差、でしょうね。

ここで、服部が 2 人を注意するところも良いです。服部は、自分の担当している作品以外には「我関せず」という感じだし、他人に興味がないように見える。しかし、キチンと言うべき事は言うし、後輩の面倒見も良さそうです。そういえば、本当に港浦が困っているときには、服部が何度か力になっていましたね。

やる気 あんじゃん

福田は、本当に男前やなぁ……!

シュージンの電話を待っているときの蒼樹は、恋する乙女そのものでした。かかってくる予定のないシュージンからの電話を取るときには、「もしかして: 私のことがs(ry」とカワイイ勘違いをしたりして。

ところが、福田は違う。「蒼樹嬢からの電話・イコール・マンガの相談」なのです。

今回、蒼樹は単純にお礼の電話をかけました。福田はそんなヒマあったらマンガのネームを描け、と乱暴に言います。普通だったら、イヤな気分になるか、怒りますよね。でも、蒼樹はうれしそうに話している。すでに、蒼樹と福田との間には、かたい信頼関係ができているのです。

蒼樹は、いくつかの恋を通して、どんどんとミリョク的な女性になってますね!

自分の目から見れば、蒼樹は、中井・シュージン・福田、それぞれに対して恋をしていた(している)、と思います。──中井に関しては「ゲッ!」と言う人もいるでしょうが、一瞬だけ蒼樹は恋していたのでは……(本当に一瞬で終わったケド)。

あと、蒼樹は平丸からもアドバイスをもらっているらしい。ようやく、平丸は蒼樹の電話番号を聞けたのでしょうか(便乗で)。あの彼のことだから、それで舞い上がって連載がおろそかになったりして。

福田組復活

『バクマン。』の主人公って、誰だっけ? ──と悩むこともある展開が多くなりました。とくに、福田の思いやりの深さを見てしまうと、恩を受けた人とも平気で疎遠になるサイコーが、なんだか薄情者に見えてしまう。

──まぁ、ジャンプの主人公は、超・自己中心的な人物ばかりですけどねっ! 仲間思いであることを強調して描きつつも、なんだかんだ言って主人公の都合のいい方向にしか話が進まなかったり。そうじゃないと物語にならないから、仕方がない。

連載会議前日

吉田が書いたネームの批評が面白いです。普段からよっぽど、静河流の態度に不満を持っているのでしょうね。

そんな吉田に作品は認めると書かせるくらい、マンガの質は高い。今回の連載会議に向けて、サイコーとシュージンは静河の事を意識していないようですが、強力なライバルになるでしょう。

ところが、ここまで散々と「亜城木夢叶・対・蒼樹紅」という感じの展開だったのに──。あれ? と港浦・山久の仲良しコンビが驚いている。どう見ても、悪い評価が付いているのでしょうね。ひょっとすると、亜城木も蒼樹も、今回の連載はムリなのかも。

アオリの文では波乱の連載会議の予感 !! なんて書いてありますが、主人公たちとは関係のない作家の作品が、アッサリと連載を始めたりして。いや、まさか、そんなことには……。うーん。