『バクマン。』 ラストページ 「夢と現実」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 21・22 合併号)
今回の話を読んで、当然のように「サイコーは運転免許を持っているのか?」という疑問が頭に浮かんだと思います。
──自分も思った(えー)。そうそう、下の感想で書いたように、自動車学校へ通うエピソードが ありましたよね。まったく忘れていました。
バクマン。 #115-1 「記念撮影と教室」 教習所と特殊能力 | 亜細亜ノ蛾
サイコーたちが教習所へ行っていた時期は、「恋愛読切祭」で盛り上がっていたころです。恐ろしく昔に感じるのに、よくフェラーリが運転できたな……。深夜に峠を攻めて特訓でもしたのかな。
すごい 車
亜豆が「真城くんぽく ない
」と言って、「これでいいんだ
」と返された時は、プロポーズだから背伸びをしている──と思ったでしょうね。自分のためにムリをしてくれることは、女性じゃなくても うれしいものです。
──そんなことを言いだしたら、サイコーは この 10 年間、ずっと手の届かない未来に向かってムチャしてきました。努力が実らなかったり倒れたりして、痛い目も見ている。
そして そのたびに、夢に近づいた。
あらためて亜豆の家を見ると、4 人暮らしにしては大きい。「メゾンなんとか」とか「ほにゃらら学園」みたいな感じです。たしかに「フェラーリで お迎え」が よく似合う。
でも、たとえ売れないマンガ家の状態で奇跡的にアニメ化して、一番安いレンタカーで迎えに来たとしても、同じように亜豆は喜んだと思います。それに、約束なんて破って、もっと早く結ばれたかったんじゃないかな。
こんな 久しぶりに 会って
若いころの恋愛はセカセカしているし、長年の夫婦は空気のようで物足りない。両方の良いところだけを合わせた「ドキドキ するのに 落ち着く
」って、一番 良い関係ですよね。
サイコーと亜豆は、刺激的で静かな恋をしている。
なによりも、隣同士の席だったころが一番幸せ だった
なんて、亜豆は絵に描いたような──いや、おじさんの日記どおりの「字に書いたような」理想の女性です。彼女が、もっと恋と(自粛)に積極的じゃなくて良かったね!
いつも 右側に
亜豆が居る方向の共通点は、今まで気がつかなかった!
そこで今週号の「ジャンプ」を見てみると──、小畑健先生が『バクマン。』の絵で気をつけている点を語っています。サイコーとシュージンの 2 人が並んだ時に個性が出るように必ず対照的な形や色味にしています
──とのこと。
このように、うすうすは気がついていたけれど、ハッキリと意識なければ見えない部分が まだまだあるでしょうね。これまでの感想で、ちゃんと書いてきたかな……。
亜豆が右側に居ると幸せだから、左ハンドルの外車で迎えに来た──と思っている彼女の発想が かわいらしかった。いやいや おぜうさん、それにしては高級車すぎないかい?
いつものようにサイコーは、亜豆の前では正直に言いすぎて台なしにしている。ロマンチストのくせに! もう亜豆も慣れたもので、「真城くんらしい
」と受け入れていますね。ポカンとした表情も愛らしい!
亜豆さんの お母さん
亜豆は、自分たちの恋愛が母親と似ていると知って、複雑な心境だったはずです。けっして「お母さんと一緒で うれしい!」なんて思っていません。
それでも、サイコーのことを亜豆は信じていると思う。
慣れない運転でカノジョを乗せて車で走る(歩く?)サイコーの姿は、まるで大昔の自分を見ているようです。
「自家用車持ってない歴・イコール・実年齢」な自分は、10 歳ほど年下のカノジョを迎えに行くために、年下のアルバイト店員に頭を下げて「そこそこエエ車」を借りたのでした。けっきょく、そのコとは すぐにお別れしたけれど……。
『バクマン。』は、そんな甘い古傷をいくつも刺激される作品でした。あまりにも特殊な恋愛だからこそ、少しでも似ている点に共感する。──新しく創作する人には、大きなヒントに なるのでは?
私の家
驚いたことに、谷草(やくさ)の豪邸もまだ亜豆家の持ち家でした! お父さん、ドンだけお金持ちなんだよ……。
真城家も亜豆家も、父親が何の仕事をしているのか謎のままでしたね。亜豆の家を支える大黒柱に向かって、「お父さん、娘さんをください!」とサイコーが言う場面も見たかったなー。
亜豆の お母さんは、いかにも家事が似合わなさそうなのに、2 つの家をキレイに保っているらしい。うーん、わしらビンボー人からすっと、家政婦さんでも雇えばエエんちゃうのん? ──とか思いますケド。
旧来的な考え方かもしれないけれど、いつまでも若々しい お嫁さんが、いつも家事に追われている姿も良いものですね。
それに、あまり美しい奥さまが自由な時間を持てあますと──ちょっと心配になる。そう言えば、家に訪ねてきた若い男の子 2 人を、美雪がギュッと抱きしめたことも ありましたからね!