HUNTER×HUNTER No.301 『記憶』 (週刊少年ジャンプ 2010 年 16 号)
このマンガだけは、展開が予想できませんね!(同じ事をほかのマンガの感想でも書いている気がする)
1 話ごとにひとつひとつ、石ころを積み重ねていくかのように話をつなげていくのですが、どっこいここはサイの河原なのでした。「犬のお面」をかぶった鬼がやってきて、ガラガラと石(いままでの展開)を壊していく……。「ケケケ」と笑いながら。
正直、今回は面白すぎて脳がフットーしそうですが、同時に「どうするんだ、これ……」と思ってしまいました。作者は話を終わらせる気は、ないのかな……。だとしたら──ものすごくうれしい!
明らかに…… !!
ネテロ会長の命を犠牲にしてまで王に負わせた傷は──完治してしまった。いや、爆撃を受ける前よりも強大な力を持ったらしい。
これは、ほとんど忘れかけていた、「相手のオーラを食して自分のものにする」という王の能力(体質?)のおかげですね。──オーラだけではなく肉体まで回復するのは、ちょっとズルいなぁ、と思ったケド。
モントゥトゥユピーとシャウアプフが、「女王の域」である「無償の愛」に目覚めた場面は、それはそれは大絶賛したものです。作者はきが■るっとる、と。そして、あの時の王は「赤子のよう」な姿だったため、こんな終わり方を思い浮かべたのです。
「──ということで、王・メルエムと護衛軍の 3 人、そして王のきょうだいは、みんな仲良くひっそりと暮らしました。めでたしめでたし。──キメラアント編・完──」
まぁ、コムギはどうするとか、カイトは無事なのかとか、モロモロの問題を「回想シーン」でまとめて、(おそらく連載ごと)終わるのだろうな、と。
ところが、全然まったくミジンもそんな終わらせ方にはしないようです。振り出しに戻った、どころか、余計に王がパワーアップしてしまった。「フリーザがトランクスを倒してしまった」みたいな感じです。──ど、どうするんだ、コレ。
先程の料理
プフには、分身がまだまだいる。王が望めば、本体さえもプフは差し出すつもりでしょう。最近は利己的な行動が目立つプフですが、あくまでもそれは「王のため」なんですね。
さて、プフは分身を「召し上がっていただいた」ため、またもとの姿に戻れると思います。しかし、単身のユピーは、今後も小さいままなのでしょうか。もしも見た目どおりの強さになっているとすると、いまのユピーは、護衛軍を名乗るほどの戦力は持っていないはず。
それとも、「大量の食料」──つまりは人間を食いまくることでユピーが元通りになる、という場面を作者は描くつもりなのか……(やりかねないよなぁ)。
御記憶が… !?
ここに来て、王に記憶喪失フラグですよ! そう来たか !! 今週号の『めだかボックス』とネタがカブっとるという気もしますが、気のせいです。
自分の名前が「メルエム」であることは覚えていたり、小さくなったユピーは初対面のハズなのに見た瞬間に認識 できた
り……。なんだか都合の良い記憶のなくし方です。
そして、プフ自身がおそらく 爆発の衝撃による 一時的な記憶障害
だと意見を述べている。にもかかわらず、コムギを殺って しまえば 後は どうとでも なるのです !!
と思っています。これはすこし、甘い考えではないでしょうか。
現に、王は一対一で 戦っていた
、と軍儀(ぐんぎ)でのコムギとの対局を思い浮かべている(ネテロの記憶はカケラもないのか……)。これは、コムギを思い出すのも時間の問題なのでは?
すぐにでも 飛べる
メルエムに翼が生えたのは、プフとユピーのオーラを食ったからでしょう。どうやら、相手の能力まで自分に取り入れられるらしい。──オーラを食べたのだから「念能力」を取り込める、のなら分かるのですが、運動能力や体質をコピーできるのは、どういう道理なのでしょうかね。
- 万次:
- 「てめーはウズラを 1 羽喰うごとに背中から羽根がはえてくんのか?」
- メルエム:
- 「え、うん……」
- 万次:
- 「そうか」
- メルエム:
- 「……」
- 万次:
- 「……」
それはさておき。ミニユピーとプチプフ(命名: オレ)が、メルエムのシッポにしがみついている場面、最高にカワイらしいですね。プフはウマい具合に空気抵抗を受けにくい場所にいますが、ユピーはモロに風が当たるはず。──そうか、腕力はかなり残っているということか……。
ひょっとして、体の大きさが変わっても強さはあまり変わらないという、『ドラゴンボール』に出てきた魔人ブーの変化ビームと、同じルールかもしれませんね。
いない… !? どこへ !?
宮殿に戻ってきたプフ(の分身)に、ナックルの「天上不知唯我独損(ハコワレ)」とメレオロンの「神の共犯者(かみのきょうはんしゃ)」とのコンビ技が命中です。この場面は、さまざまな謎をワレワレに与えてくれます……。
まず、対ユピー戦の時と同様の問いかけになるのですが、「『神の共犯者』によって『攻撃されたこと』自体を認識できないハズなのに、なぜ吹っ飛ぶのか」。──これはもう、マンガ的な「絵の表現」だと思うし、そもそも「ダメージ 0 で体が移動した」で通るでしょう。
次に、「プフの本体と王がポットクリンを視認できたのはなぜか」。これが一番ヤッカイな話で、この状況でメレオロンが息継ぎをして「神の共犯者」を解除するとは思えないんですよね。たったパンチ一発分の「貸し付け」くらい、すぐに「返済」されてしまうでしょう。
ムリヤリにひねり出した考えは、「攻撃を認識できないのは分身だけで、本体には『神の共犯者』の効果がおよばない」。く、苦しいですね。そもそも「分身を殴った分の貸しが本体に加算される」というメカニズムが、どこまで有効なのかが分かりません。
そう、そもそも、ナックルの一撃でたったの「233 オーラ」のダメージしか貸し付けられなかった、というのがオカシイ。死闘をくぐり抜けたナックルは、おそらく力を増したハズ(少年マンガ的に考えて)。
いかにも虚弱そうな外見に見える、さらには(たぶん)「堅(けん)」をまとっていない、しかも分身でしかないプフが、万全の体制で待ち構えていたナックルの一撃をまともに食らって── 233 オーラ。これはどう考えても、すくなすぎます。
もしかすると、しょせんは分身だから、プフの本体を殴るよりもダメージがすくなく計算されるのか? その変わりに「神の共犯者」の効果は届かない、ということかも。
この目で見ている…
パームの発言も謎めいていますが、逆にひとつ気になっていたことの答えが出ました。
「まゆから目覚めた」ばかりのパームは、キルアに対してゴンの居場所をたずねます。このことから、「目覚める前に見た者のことは、視(み)えない」と思っていました。ところが、今回のパームの発言によって、それは却下されます。
つまりあの時は、「ゴンは視えるけれども、それが宮殿のどの場所なのかが分からない」だけだったんですね。──ということは、やはり、「いまのノヴの姿」を視たから、パームはノヴのことを話題にしないのかも……(女って……!)。
ここでもう一つの疑問が出てきました。プフの「本体」と「分身」を、どうやってパームは「認識」しているのだろう。いまのところは、プフは 2 体だけになっているようです。それなら「テレビのチャンネルを変えるように」して、視られるでしょう。でも、分身が何千何万となったら……?
同じような事は、イカルゴがフラッタの能力「衛星蜻蛉(サテライトンボ)」を使っているときにも疑問に持ちました。複眼ではないイカルゴは、どんな風景を見ているのか……。
人間がモノを見るという行為は、ただ単に眼球に映った光を感じる、というだけではありません。脳が目などから受け取った情報を、どうやって処理するのかが重要です。脳の分解能が低かったこ原始人には、光景がモノクロに見えた、という説があるらしい(要出典)。
ということで、パームやイカルゴが複数の対象を「どう認識しているのか」は、われわれ非・念能力者には分からないでしょうね。それは、想像する楽しみとして取っておきましょう。
王は… 生きていた !!
さて、問題はここからです。あと数分で宮殿へ到着する王を、討伐隊はどうするのか。
その前に、プフの策略抜きで、生物統一こそ 唯一無二の目的
と記憶が戻ったメルエムは思うのでしょうかね。やはり、コムギの存在が重要になってきそうです。
ゴンとピトーがどうなったのかも気になるし……。だれだ、「キメラアント編も終盤」なんて言ったのは!(オレオレ) 何一つとして解決していないし、もしかすると始まってもいないのでは……。
- ゴレイヌ:
- 「オレ達の戦いはこれからだ!」
「長い間 ご愛読ありがとうございました。冨樫先生の次回作にご期待下さ
そんな終わり方はイヤだぁあ!(なぜゴレイヌ?)
コメント
メレオロンを背負ったナックルが大階段を上って、ナックルが二発目のハコワレを打ってその十数秒後に、メレオロンがナックルの肩をタップ(息継ぎしたい合図)していますが、このことから、メレオロンが息を止めていたのは長く見積もっても2,3分なので、プフが殴られたことに気付いてから、1分後ぐらいにメレオロンが息継ぎをしてポットリンクに気付いたっていう解釈でいいんじゃないでしょうか?
プフが宮殿に到着する少し前からメレオロンは息を止めていたと思いますしね。
あと、ポットリンクが気付かれるのは、神の共犯者がとぎれたときであって、ナックルたちの姿がプフに視認されたときではないので、逃げる時間は十分にあったと思います。
パームがゴンの居場所を目覚めたばかりの時知ることが出来なかったのはパームの能力に何らかの制約があったからでは?
(例えば、直接目で見た最後の時間から○時間まで有効~のような。
最後にゴンと別れてから1ヶ月以上経っていたので、ゴンをもう一度直接見直さなければいけなかったとか。)
その辺のところについても、話が進むに連れて本編で解説されそうな気もしますが。
>>永空 さん江
おお、なるほど。コマ間で時間差がある、ということですね。
ただそうすると、仮に 1 分間経過した後の描写と仮定すると、ナックルのパンチ力は 131 オーラくらい。うーん、すくなすぎるような……。
ところで、もっと厄介なことを思い出しました。ハコワレのカウントが動くのは、対象者が 100m 以内という制限があります。これは分身でも有効なのかどうか……。
>>はげ山の一夜 さん江
たしかに、「どこにいても 私には手に取るように 『視える』」能力って、ちょっと強力すぎますよね。何らかの制限・制約がありそうです。
ちなみに、パームは現在より 10 日前にゴンを目視しています(コミックス 21 巻・p.193)。「10 日がリミット」というのは短いようでいて、ありそうな感じ。