バクマン。 #141-1 「年齢と実績」 新人発掘と悪キャラ

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『バクマン。』 141 ページ 「年齢と実績」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 33 号)

Why the world's forests are disappearing...
(生まれてから ずっと──悪いことしかしない)

すごい持ち込みのテクニックが出てきました。気に入らない編集者に当たった場合は、原稿を見せずに断わり、すぐに編集部へ電話する。そうすると、別の編集者が対応するという──。

このウラワザは、現実世界の集英社でも有効なのでしょうかね? マネする人が続出しそうな気がする。

新人のマンガ家にとって、担当者との相性は重要です。デビューの成功・失敗にも影響する。上の「担当者シャッフル」が実際に使える技であれば、持ち込みの新人は どんどん活用したほうが良いと思う。

しかし──、自分が以前に働いていた会社(ISP の関連会社)では、電話で話した内容と相手の情報を、すべて記録していました。データを共有して、電話番号や名前で検索・閲覧がすぐにできる。だから、今回のようなことは起こらないのです。

業界のトップを突っ走っている集英社が、まさか社員個人のメモだけで「新規顧客の管理」をしているなんて、そんなことは──あるのかなぁ……。

立ち直りつつある

「岩瀬の復活劇 編」が今回から始まる──と思っていただけに、正直なところ、肩すかしを食らいました。『+NATURAL』が立ち直りつつある理由は、二度と語られないのだろうな……。

今日も港浦は調子がいい! ──ではなくて、また港浦編集が調子に乗っている。前回、作家の気持ちに気がつかなかったことを反省し、岩瀬に頭を下げていたことを、──もう完全に忘れています。

それどころか、港浦は昇格まで夢見ている。たとえ『正義の三肩』がドラマと一緒にヒットしたとしても、まだまだ実績が足りません。彼の中では、「小杉はワシが育てた」と思っているのでしょうか?(確信しているのだろうな)

そんな(カラ)元気だけが武器の港浦も、班長の相田からすれば、「張り切っている」ように見える。世渡り上手な会社員も、こうやって評価を上げていくのでしょうね。

このページだけを見ると、まるで『バクマン。』の主人公は港浦──と思えてしまうところも腹立たしい。右下の集中線がついた港浦なんて、「曲がり角で美少女とぶつかるフラグ」が全開じゃないですかッ!


『CROW』が大ヒットして伝説的な終わり方をした今でも、雄二郎はヒラです。この編集部で昇進するなんて、天下一武道界でヤムチャが優勝するほど、むずかしい……(組み合わせしだいで何とかなりそう?)。

『ロードレーサー GIRI』もアニメになったし、そろそろ雄二郎は出世しても不思議ではありませんね。──というか、彼がヒラのままだと、ほかの編集者も やる気が出ないと思う。港浦は さておき。

ついてないな…

新人の「東(あずま)くん」は、見るからに貧相なオジサンでした……。「1 週間くらいメシを食ってない 響恭太郎」という感じ。──響先生のこと、誰も覚えていないと思うケド。

編集者のちょっとしたイヤな態度で、東は すぐに帰ってしまう。たしかに、これからマンガ家を目指す者としては、向いていないように思います。港浦じゃなくても、引き止めない編集者は多いと思う。

ただ、この初回の持ち込みだけで、(しばらくの間は)担当者が決まっています。そのあとは編集部の都合でしか担当者が替わりません。例外もない。これは作家生命を賭けたロシアン・ルーレットと同じです。

集英社から 出てきたゾ

東は「誰か」と電話をしている。この時点では、東は完全な替え玉で、マンガを描けない人物かと思っていました。電話の相手こそ、真の黒幕なのではないか──と。

この策略のニオイは──どこかで かいだような……。

編集者の事情をよく知っていそうな感じといい、ていねいな口調といい、「あの人物」を思わせますよね。チャット──ならぬ電話を使って人を操るのも、似た手口です。


われらが服部なら、港浦とは比べものに ならない対応をするだろう。もしかしたら、ダイアモンドの原石を拾い上げるかもしれない。──と読者に思わせる場面です。しかし、服部の応対にも疑問がありました。

服部が今日は 無理ですねと断わったのは、自分の都合が 100% です。たとえば、会社勤めで空いた時間が すくなくて、今日しか持ち込みができない──という人はどうするのでしょうか。もっとも、そんな人は最初から投稿するけれど。

服部になったゾ

東と話している人物が、だんだんと姿を現わします。この体形と洋服の感じ──、亜城木夢叶への反応──、どこかで見たような気がする……。

──と読者に思いこませるための演出で、まったくの新キャラという可能性もあります。いまのところは、七峰透である確率が 50% というところでしょうか。

もしも七峰だとすると、わざわざ編集部にも読者にも存在を隠す理由が分かりません。それと、吉田に当たるといいと思っていた所も気になる。七峰と吉田の接点は、とくに なかったはずですよね。

ある可能性を思いついたけれど、それはまた書きます。

よし 今週も面白い

亜城木と服部が打合せをしている。いつもどおりの風景で、『CROW』が終わってダラケる──とはなりませんでした。『PCP』も順調のようです。順位も上位で安定しているのでしょうか。

シュージンの言うライバル的存在は 常に必要という言葉は、亜城木夢叶と新妻エイジとの関係も示しています。『CROW』が終わっても、エイジのマンガは載っていますけどね。この状況も、すこし不思議な感じがする。

たとえるならば、『HUNTER×HUNTER』が終わっても『てんで性悪キューピッド』が(なぜか)続いているとか、『バクマン。』が終わって『とっても!ラッキーマン』が始まるとか、カードバトルのない『遊戯王』が連載開始とか──、そんな感じ?(たとえが性悪)


まだ連載中なのに次回作のことを考えてる作家がいたら、普通なら担当者は いやがるはずです。頭ごなしに拒否する編集者もいるでしょう。「そんなことより 今の作品で 人気を獲るのが先だ」──と。

服部は、シュージンの話を喜んで聞こうとしています。根っからのマンガ好きであり、亜城木を信頼しているからですね!

サイコーもシュージンも、本当に良い編集者に巡りあえました。二度と担当者は替えて欲しくないです。もう二度と──。