HUNTER×HUNTER No.312 「覚悟」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 37 号)
ある約束をする前に、この身 ちぎれても
──とプフが言っていました。しかし、たとえ体をバラバラにされても、彼なら生き残るはずです。まるで説得力が ありませんよね。
- ルフィ:
- 「電気を流されても……!」
- 黒崎一護:
- 「背後に回り込まれても……!」
- 香■慎■の両■勘■:
- 「映画がコケても……!」
- 映画会社・スポンサ:
- 「いや、それはダメです」
見えすいた真実
王は、爆心地から宮殿へ戻る際に、プフやユピーと肉体も精神もつながって しまった
──と言っていました(『HUNTER×HUNTER (29)』 p.36)。実際に、護衛軍の 2 人が考えていること・感じていることを、メルエムが「受信」しているような描写が目立ちます。
ただし、そう思っているのは、王だけでしょう。
今回の冒頭でも、メルエムは すぐにプフの異変を感知しました。もしかしたら、プフの体調のことも、すでに察しているのかも しれませんね。しかし、プフには、王の考えなど まるで伝わっていない。
王が、一方的に臣下の思いを受け取っているだけです。
その読心術のような力で、プフの「何」が見えすいて
いるとメルエムは読んだのか、すごく気になる。王もプフも死期が近いこと──でしょうか?
不安の正体
読者からすれば「王もプフも同じ毒に冒されている」と知っています。そのため、いい様のない不安
も何もありません。毒の対処法を探す方が先だ──と思ってしまう。
ただ、プフは「ユピーと自分は敵の能力で命を縮めている」と考えている可能性もあります。
“神の共犯者”によって認識できない状態で、プフはナックルに殴られました。ユピーにもポットクリンが付いていたことを、プフは知っている。あの攻撃の謎について、賢明なプフなら何か分析していそうです。
一方、プフから見れば王は健康そのもので、むしろ今が最高潮とすら感じる。「自分も王も死が近い」と現状から判断するほうが、むしろ異常でしょう。
ウェルフィンの告白
モントゥトゥユピーは、ウェルフィンを見つけた時点で、ギリギリの状態だったようです。もしもユピーの体調が万全なら、“黒百足(クロムカデ)”を埋め込まれる前に、ウェルフィンを粉々にしていたはず。
普通の状況であれば、それでもユピーを攻撃した事実は、ウェルフィンにとって命取りですけどね。よく調べれば、“黒百足”を打ち込んだ外傷がユピーの体に残っているはず。
シャウアプフも鼻血が止まらなくなっているけれど、せき込んだり吐血したりといった症状は出ていない。これは、まだ毒の回りが遅いからなのか、そもそもプフとユピーとでは状態が異なるのでしょうか。
忠義の価値は
今回のプフは、「背信に近い忠義」を王に示しました。殺されても おかしくはない状況です。そんなマネができたのも、毒によって確実な死が近づいている状態だからでしょうか。自分は、ある仮説を思いつきました。
プフの本体は別の場所に隠れている。
本体は安全な場所にいて、残りの分身を操りながら、コムギを探しているのでは ないでしょうか。
すこし前のプフは、「メルエム」ではなく「絶対的な存在である王」を崇拝するあまり、自身の価値観を押しつけようとしていました。それは、寝返るよりもタチが悪い。
死を覚悟した身
として回想している場面でも、「絶対に自害する気ないよね」という感じでしたよね(『HUNTER×HUNTER (24)』 p.140)。
だから、「すべては王のために!」とか何とか言いながら、プフが本体を守ってる可能性もありました。王を守る立場からすれば、「貧者の薔薇(ミニチュアローズ)」の毒も知っていて不思議ではない。
しかし、この説は却下です。
現在のプフが、王に本体を隠すような「裏切り行為」をするとは思えません。それでは「キャラ崩壊」です。──あ、でも彼は、何度もブチ壊れているか……。もしかして!?
狼の行く末
またイヤな場面で終わりますね……。
「オーラを食うことで自分の力にする」という王の能力を発揮すれば、最終的には完全に肉体を入れ替えることも可能なのでは? つまり、その分だけ、念能力者を食べ続ける──。そうすることで毒を捨てきれるかもしれない。
そのうち、『絶対王☆メルエムちゃんの食べてデトックス!』コーナが始まったりして。
次回の予想をしてみましょう。
腹が減った王は、ウェルフィンを──「メシ食いに行くべ」と食事に誘い、プフと一緒に 3 人で仲良く食事した。──とは、ならないよなぁ……。
それはさておき、ウェルフィンは助かると見ています。彼の「敵意の正体」を聞かないまま食べるのでは、王にとって敗北に近いのでは?
ただ、少々 興味がある
程度のことだから、それほど気にしないかも……。

コメント
ウェルフィンには死んでほしくないですねぇ。かなりいいキャラしてるのでもったいないです。
それと、もしHUNTER×HUNTERUが虫編で終わらないなら、次はジャイロの話になりそうだしその辺の絡みでウェルフィンは死なないんじゃないかと見ています。
あと王は殺す気まんまんだけど、ウェルウィンがなんとかうまい逃げ口上を口にするか、もしくは観念して「ジャロオオオ」とか叫んで、それで王がそれに興味を示すとかそういう展開になるんじゃないかと読んでいます。
あと、毒についてひとつ疑問点が。
なぜ、パームは爆弾に毒が含まれることを知っていて、ナックルは知らなかったのかです。
ナックルが知らないと思うのはナックルが王を倒す方法はもうメレオロンの能力を使う以外ないと考えていることからです。
討伐隊の中でもナックルのような情を重んじる者にたいしてはあえて教えてないってことなのか、パームの念能力をつかって知りえたのかとか、その辺気になりますが、まったく説明が入らないような気もしますね・・・。
ウェルフィンは、イカルゴ・メレオロンたちと同様に
直接は人間を殺した描写がありませんよね。
この点が、ヂートゥとの違いです。
だから、ゴンたちの仲間になると思っていました。
どうも そんな展開には ならなさそうですが、
ぜひ生き残って、ジャイロに再会して欲しいですね!
毒の件は、ナックルどころか
(休載前の)冨樫先生も「知らなかった」のでは。
──という身も蓋もない話を置いておくと、
ナックルの性格を考えて隠しておいた
という読みが当たっていそうですね!
それ以外では、会長との戦闘・爆撃・毒──
を食らっても まるで無事そうな王の姿を見て、
「トドメを刺す必要がある」
と思ったのかもしれません。
実際のところ、パームの認識が外れていて、
毒を無効化する方法を王が見つける可能性もあります。