『バクマン。』 174 ページ 「あり方と終わり方」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 19 号)
『CROW』と『REVERSI』は、「マンガ家にとって最良の終わり方」がテーマだったと思います。
──やはり どうしても『DEATH NOTE』の終わらせ方に対する大場つぐみ・小畑健コンビからの解答に見えてしまう。つまりは、不満があったのではないか、と……。
読者としては、どういう形でも良いから続いて欲しい──という気持ちも ありますよね。なんだかんだと文句を言いながらも、いつまでも楽しみたい。そんな勝手な生き物なんです。
あと 8 週で 終われる
シュージンからハッキリと残りの回数を聞いたのは、サイコーは この時が初めてでした。思い入れがあり夢を実現してくれた作品だけに、「10 週前後」と「8 週」とでは受ける印象が大きく違ったでしょう。
『REVERSI』は、シュージンにとっても希望通りの 終わり方が できる
初めての作品に なりました。作家冥利に尽きる──けれど、こんなワガママは さすがに最後でしょう。
いや、亜城木のことだから、また次も……。
人間に戻って
てっきり菜保は洗脳されたままかと思ったら、サトルが人間に戻ることを望んでいる。それに「白悪魔」(ヴァイセ)って、「正義の悪魔」だったんじゃなかったっけ? 倒すべきラスボスみたいに描かれている。
亜城木コンビが盛り上がっている一方で、残念ながら自分には『REVERSI』の魅力が半分も伝わってこなかった……。
もう時期を逃しているけれど、『バクマン。』と同時進行で『REVERSI』も連載していると最高に面白かったでしょうね!
もちろん『REVERSI』も大場・小畑コンビが描き、こちらは月刊連載にする。つまりは亜城木と同じ連載の形態です。それなら、前代未聞の「作者自身が別の作品でラストをネタバレ」できたのに。
そう言えば、亜城木夢叶で一番続いている作品は『PCP』に なりました。こちらの作品のほうが好きな自分には、結果的に良かったかな。
シュージンの原作は「人間が描けていない」とか「人物に魅力がない」という印象が強かった(勝手に思い込んでいた)。
ところが『REVERSI』では、主人公が「人間として 死ぬ
」ことを追及している。「どう死ぬか」は「どう生きたか」とも つながってきます。
今後のシュージンは、もっと意欲的に人間を描くのでは──と想像しました。得意な「エグイ話」と「SF 調」を合わせた作品を完成させた今、次は ほのぼのした作品が良さそうです。
──でも たぶん、またエグイのでしょうね!
ラストは 31 号
服部が残念がっているように、「ジャンプ」の人気作品が人気のままで終わるのだから、巻頭カラーくらいは取って欲しかった。急に決まったことだから仕方がないのでしょうかね。
それよりも、妙に寂しそうな表情をした服部が気になりました。力を入れてきた作品が終わるのだから、気持ちが沈んで当然だけれど……。
「読者も ビックリ するだろうな
」という服部のセリフには、なにかのウラがあるようにも感じる。
「REVERSI」 終わるんですか
連載が終わることを聞いたアシスタントの反応が、それぞれの性格を強く出していて おもしろい。
小河は まっ先に収入が減ることを心配しているし(そしてサイコーは気がついてねェし!)、森屋は芸術的かどうかで評価している。
ここでシュージンは「終わることも 内密に お願いします
」と釘を刺しています。ただ、急に仕事のペースが遅くなるし、出勤日も減るはずだから、分かる人には分かるでしょうね。
最近は妙に おとなしかった折原が、この場面ではムダに騒いでいます。「折原一力が元気か見守る会」の会員としては、ホッと一安心でした。やはり彼は こうでなくっちゃ!
折原には弟が居るようです。ここで わざわざ出してきたのは──、「加藤奈津実が弟に一目惚れするフラグ」かもしれませんよ!?
加藤と折原が恋人同士になる のでは──と以前は予想していたけれど、この 2 人は「きょうだい」のほうが似合いそう。
黒悪魔 最後は 勝つよな
アンケートでも上位に入っているし、コミックスも売れているけれど、なんだか面白味がないマンガも あります。このブログにも、何度か名前が挙がっていたりして(にっこり)。
ところが『REVERSI』(と『ZOMBIE☆GUN』)は、ちゃんと おもしろくて人気を獲得している。それだけに、たいていの読者は もうすぐ終わるなんて想像していないはずです。
「わかんねーよ 亜城木夢叶 だし
」って、素晴らしく素直で端的に作家を表わした言葉ですね!
自分が何度も言ってきた「大場先生だから裏をかいてくる」とか「冨樫義博先生だし油断できない」とか「篠原健太先生、もっとお色気を!」に通ずるものがある(ん?)。
いつだって読者は驚かされたい。