『バクマン。』 65 ページ 「頑固と素直」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 01 号)
してはいけない恋
など、この世にはありません。
すべての人間は、いつでも、どこでも、誰に対してでも、恋をしていいのです!
──ただし、好意を超えた先の「行為」に関しては、自己責任でお願いしますね……。
今度は本誌で 獲ろうぜ
サイコーとシュージンの喜ぶ姿は、まるで子どものようです。まぁ、まだ二人とも 18 歳ですが。
──でも、イマドキ(というか近未来)の 18 歳にしては、ちょっと幼い気もしますね。とくに、同じ作者コンビによる『DEATH NOTE』の天才たちと比べると、『バクマン。』の面々は、子どもっぽい。
亜豆も同様にコドモなのか、いまだにサイコーと連絡を取るつもりはないようです。まぁ、本当は亜豆も『タント』の 1 位を喜んでいると思いますが、見吉が近くにいるので、エンリョしているのでしょう。
それで、さんざん子どもっぽいと書いていたら、落ち込んでいるサイコーの顔が老け込んでいて、笑えました。サイコーもいろいろと、タイヘンだ!
俺の方に 電話
シュージンは蒼樹からの電話を初めてだ
と言っていますが、以前にもあったような……。コミックスでは、「珍しいな」と修正されるのかも。
登場のたびにカワイらしくなっていく蒼樹です。それに、シュージンとの電話に「胸がいっぱい」になっている。目の前に公園があるのにベランダに出て、妙にラフな格好なのが、アブナいなぁ……。
この「窓を開けてベランダに出る蒼樹」の絵は、「心を開いていく蒼樹」の暗喩ですね。ちょっとそういう視点で見ることを忘れていましたが、こういう絵の遊びは、ほかにもありそうです。
シュージンは蒼樹の良い点を語り、サイコーはポカンとする。シュージンと蒼樹がくっつかないか、サイコーが心配しているようにも見えます。
しかし、おそらくは、シュージンはそんなことを考えていないのでしょう。本当に、お互いに作家として、いい刺激を与え合っている、と思っているはず。だからこそ──蒼樹はシュージンに引かれるのだろうな、と思いました。もしシュージンに下心があれば、もっと蒼樹は警戒していたはず。
ああ、そうそう、『青葉の頃』の内容がシュージンから聞いた話そのままであることに、まったく触れなかったことが、ちょっと引っかかりました。
よくやったと 思うよ
港浦は山久にイヤミを言い、山久も「負けた」という表情をしています。しかし──どう考えても、2 位と 3 位の作家を担当している、山久の方が編集者として上のような気が……。そんな事はなく、ジャンプの編集部では、1 位だけが評価されるのでしょうか。
そんな感じなので、なんとも港浦が憎たらしく思えたのですが、すぐにご愁傷 さま…
で和みました。「明日は我が身」という気持ちも半分あるとは思いますが、イヤミではなく、本当に山久をカワイそうに思っていそうです。
そう、なんだかんだ言って、港浦と山久は、お互いに良いライバル同士だと思っているのでしょう。だから、同じ土俵で戦えることを、内心は喜んでいる。
さて、山久が語る『青葉』の寸評を聞いて、ものすごく違和感がありました。
「絵はヒドいが人気が取れた」ということで、つまるところ、ストーリィとキャラクタが良かったことになります。しかし、人物の造形はともかくとして、サイコーと亜豆との恋愛話そのままの内容になっている。
──これだと、『青葉の頃』が連載になった時には、確実にネタ切れになります。恋愛経験のない蒼樹が、はたして連載を続けられるのか……。と考えていくと、今後、蒼樹はもっとシュージンに近づいていきそうな気がします。すべては、作品づくりのために……(ホントに?)。
なんでこんなに嬉しいんだろ?
もう、いちいち蒼樹のシグサはカワイイですね! 携帯電話の着信音にドキッ
とする所や、山久からの電話としてガッカリする顔、憂いを帯びた表情──すべてが最高です!!
──まぁ、とりあえず、シュージンからの電話の時だけ、着信音を変えてはいかがでしょうか>蒼樹さん
蒼樹自身は、時分の画力が力不足
であることを自覚していました。そして、良い作品に なるなら
ほかの人──中井に絵を頼むことも受け入れる。このあたりは、シュージンのおかげで素直に人の意見が聞けるようになった、ということかもしれませんね。以前の蒼樹なら、山久の提案は拒絶したかも。
ち ちょっと 待ってください
さてはて。今回の「裏・主人公」である、中井の登場です。ウェブ上では、中井の話題で持ちきりですよ!
この時点ではまだ、ちょっとコミカルな感じで「憎めないヤツ」みたいな中井です。
──と思ったけど、中井は仕事中に私用の電話に出て、勝手に仕事場を出て行く。さすがに、高浜もイラ…
っとしています。そういえば、もともと、常識のない人でしたね……。
明日は残る 4 ページの感想を書くのですが、『バクマン。』が始まって以来、書きにくさは一番だなぁ……。