暗殺教室 第 5 話 「カルマの時間」 冷たくされたら熱く返す

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『暗殺教室』 第 5 話 「カルマの時間」

Lame nella crema 2
冷たく光る──氷菓と刃

扉絵でモブ・キャラたちの名前が公開されました。

「サバイバルもの」やホラー作品だと、急に登場人物の扱いが良くなることは「死亡フラグ」と直結しています。──が、おそらく地球上で一番安全な E 組にいる生徒なら大丈夫でしょうね。たぶん……。

ゆるふわ愛されカール・ガールの「よしよしさん」こと倉橋陽菜乃(烏間先生に「よしよし」してもらいたがっていた女生徒)を安心して応援していきます!

悪の業

赤羽業(あかばね カルマ)も E 組の生徒も、終着点は「殺せんせーの暗殺」で同じはずなのに、カルマだけが悪者に見える。意図的に そう描かれていますね。

──いや、実際にカルマは教師を自殺に追い込んだ(らしい)「悪」(ワル)だけれど、「地球を破壊しようとしている悪」(あく)の殺せんせーに比べれば かわいらしいものです。

一方の先生は、面と向かって襲ってくる暗殺者は むしろ歓迎しているのに、カルマのように だまし討ちには腹を立てる。ラストの展開からすると、「心身ともに立派な暗殺者」を育て上げることが先生の目的なのかな。

細かいことを言うと、小テスト中に話すことには「顔の色を変えて」怒っていた先生は、ジェラートを食べ出すカルマには顔色を変えない。ずっと「汗をかく」表現が使われているから、殺せんせーはカルマを恐れているのかもしれません。

体よりも先に

前回の「細かく切ったナイフ」と同様に、「BB 弾を床にまいておく」という単純な手口でも、殺せんせーにダメージを負わせられます。たとえば、対先生用の素材で床を作るだけでも足全体を奪えそう。

前回の感想でも いろいろとワナを考えました。

暗殺教室 第 4 話 「基礎の時間」 握手は悪手じゃない | 亜細亜ノ蛾

ところがカルマは そのはるか上をいっている!

体の前に、「先生」という立場や心を殺す

ただのモンスターではない殺せんせーには、たいへん有効な攻撃方法ですね。

──もしかしたら、日本政府が本気で対策を行なっていないように見えるのは、殺せんせーが先生として振る舞っているからかも。細胞を溶かせる素材を生み出した科学力があるから、もっと殺せんせーを追い詰める手段は考え出せるはずです。

追い詰めすぎたら地球を壊される──と思ったのかな。

渚と業

落ちこぼれて E 組に落とされた ほかの生徒と違って、カルマは暴力行為のせいで E 組に来ました。そのため、ほかの男子生徒とは仲良くできなさそう。

渚とは親しげに話しているけれど、カルマは上辺だけ笑っているようにも見える。殺せんせーの情報を聞くためだけに近づいてきた感じです。

旧版の『新世紀エヴァンゲリオン』第弐拾四話「最後のシ者」を思い出します。渚カヲルは ずっとポケットに手を入れていた──と当時は何度も取り上げられました。

手を隠すのは、心を隠しているから。

暗殺教室』の渚は心を開いている。しかしカルマは、渚を含めて誰に対してもポケットに手を突っ込んだまま話す──。

本心を隠す高校生というと、行き着く先は「本当は寂しかったんだ!」みたいな場面が頭に浮かんでイヤですけどね。その題材は紀元前からタップリと食べ続けてきたので、もう お腹いっぱいです!

魔人探偵脳噛ネウロ』で心の底から極悪な人物を描いた松井優征先生には、ぜひともカルマもワルを貫いて欲しい!

刃を磨く

「タコ」の場面には緊張しました。ここまで挑発したら いくら何でも、怒り狂った殺せんせーにカルマは体罰を食らうのでは──とワクワクテカテカ不安になる。

毒性の有無など素性も分からないタコを、ミサイルの火力で焼いて食べさせるなんて、実際に拷問みたいですけどね。口の中をヤケドしていそうだし。

キワドい描写だけれど、「直接は危害を加えずに生徒を暗殺者として鍛え上げる」方針を変えなかった殺せんせーは立派でした。

おわりに

でも、優秀なカルマに向かって「錆びて鈍った暗殺者の刃」と評価していることは気になります。錆びたり鈍ったりするためには、もともとはピカピカだったことになる。しかし、カルマが停学中に平和ボケしたようにも見えません。

これはカルマだけではなく、人類全体の話なのでは?

殺せんせーの目的は、E 組の生徒どころか人類を進化させるために やって来たんだよ! 「な、なんだってー!」