『暗殺教室』 第 106 話 「『死神』の時間・6 時間目」
ドキッ! 怪物だらけの追いかけっこが開幕です!
そもそも第一話から殺せんせーという化け物が出ずっぱりですが、人間界にも猛者
が あふれていた──!
当然のように生徒たちも「強さのインフレ化」を──しない点が良かった。先生の指導により生徒たちが成長する話でありながら、よくある「急激なパワー・アップ」を避けています。
すでに「普通の中学生」からは飛び抜けていますが、生徒たちは人間味の あるままでいて欲しい。潮田 渚も──。
冷酷さの真相
イリーナ・イェラビッチの裏切った理由が切ない……。
赤羽カルマが言うような、殺し屋の感覚
を忘れかけ
ること──では ありません。自分 が幸せになれると信じられず、平和な日常を受け入れられなかった。それだけ悲惨な世界を見てきたからです。
ただし、毎日が暗殺の日々だから、E 組は とても「フツーの世界
」とは思えないけれど。
あと、烏間への恋愛感情が あるから、なんだか「マリッジ・ブルー」のようにも感じましたね。
人類最強の教師
烏間 惟臣の超人っぷりが恐ろしかった!
とっさの後ろジャンプで爆弾を回避するなんて、たしかに FPS ゲーマの自分なら日常茶飯事です(ゲーム内で)。しかし、生身の人間で やれる──というか やろうと思う時点でスゴすぎる!
ワナが仕掛けられていると分かっていながら突き進むなんて、おそらく軍隊の訓練でも実践していないはずです。訓練では、ワナの回避や解除を試みると思う。
つまり、今回のワナに対して、まったく未知の解決方法を烏間は実行している。──どれだけ修羅場をくぐって来たんだろう……。
凶暴な先生
烏間の真価は「暴力的な野生
」だと殺せんせーは言う。
この点は、以前から自分も指摘してきました。生き生きと人間を襲って いる
烏間の笑顔は、生徒たちの脳裏にも刻み込まれていますね!
烏間も また、イリーナと同様に、平和な教室での生活に戸惑っていたのかも。そうなると、自身に眠っていた攻撃性を全開できて、烏間は死神に感謝していたりして。
死神の弱点?
「死神」も また化け物です!
仕掛けられたワナはホラー映画の『SAW』を思わせます。しかし、これだけ多彩なワナを逃げながら仕掛けるなんて普通じゃない!
さらに死神は、「このワナでは烏間は仕留められない」と読んでいます。この慎重さも、「世界一の殺し屋」の強みの一つでしょう。
ところが、そんな用心深い死神にも疑問が あります。
死神が、イリーナを信頼しきっている(ように見える)点が気になる。2 人が知り合って仲間になってから、ほんの数日──もしかしたら数時間しか なかったのでは?
もちろん、死神は自分ひとりでも殺せんせーを暗殺する気だろうし、イリーナも捨て駒にするでしょう。それでも、現時点では計画の要所にイリーナを使っている。
今後の殺せんせーと生徒の脱出計画に、イリーナも重要な役割を果たすと見ています。しかし──、その二重の裏切りすら、死神には お見通しなのか!?
戦う犬
「銃を扱う犬」なんて、現実離れした設定に思えます。
ここで思い出したのは、イヌとヒトとの すさまじい戦いを描いた小説の『ベルカ、吠えないのか?』でした。この作品では、銃弾に立ち向かう犬たちが描かれています。
小説なので当然ながら大半は虚構ですが、史実も盛り込んであるので、参考程度に どうぞ! 『暗殺教室』のように、面白くて奇妙ですよ!
「犬が 大好き
(ニコォ……
)」な烏間なら、軍用犬をしつけたことも ありそう。いや、犬に感情移入しすぎて、とても調教なんてできないかな。
調教するなら、イリーナを──。
弱さゆえに
「戦いのなかで強くなる主人公」
──これは、バトル・マンガでアリガチな展開です。多少(どころでは ないくらい)無理のあるレベル・アップが横行している。
だから、「今この場で 彼等や檻より 強くなる
方法」を殺せんせーが編み出したとしても、すんなりと読者は納得できたはず。
しかし殺せんせーは、「弱いなら 弱いなりの 戦法がある
」と導く。この絶体絶命の危機も、殺せんせーに かかれば授業の一環なんですね。
じつに『暗殺教室』らしい一場面でした。
カメラと首輪
三村 航輝の考えた戦法とは、なんだろう?
まず、死神を倒すのではなく、「ひと泡 吹かす
」程度の作戦であること。これがヒントだと思います。
次に、監視モニタの映像を現在の死神は見られるのかが気になりました。おそらく、死神の持ち歩いているスマートフォンでも映像を確認できるのでしょう。
オリの中を監視しているカメラを壊すか、あるいは別の映像を見せるのでは?
ただ、イリーナの首に付けられていた首輪を使うと思うけれど、その利用方法までは分からなかった。ダミーだから爆薬は入っていないだろうし、どうやって使うんだろう……?
あるいは、イリーナは簡単に首輪を外したから、そこから外し方を調べるのかな?
おわりに
「恋愛の事で 悩んだり
」のコマに注目です!
烏間と腕を組んでいるイリーナの後ろで、悔しそうに泣いている女生徒は、おそらく倉橋 陽菜乃ですよね! 最初のころ烏間に「よしよし」されたがっていた倉橋は、いまだに彼のことが好きなようです。一筋だなぁ。
イリーナの恋心には烏間は気がついたけれど、倉橋の場合は──どうなんだろう……。
題名は「喪家の狗」から借りました。
「死」を連想させる ことわざ・成句から借りるシリーズも、6 回目となると苦しすぎる……。
それは ともかく、今回の言葉は二重に物悲しい。おなが空いたら犬も鳴くと思うけれど、それすら耳に入らない悲しい状況でしょうか。
人間だって、どんなに悲しくても、腹は減るのに(失恋した あの日を思い出し中)。