HUNTER×HUNTER #357 「残念 2」 終戦×周旋×秋千

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HUNTER×HUNTER』 No.357 「残念 2」

My Little Pierrot
奇術師は去り──暗殺者が忍び寄る

マンガや小説・映画の楽しみは物語だけ ではない。
登場人物に対する思い入れのほうが深いこともある。人によっては「キャラ萌え」こそが すべてでしょう。「創作とは人物描写のこと」と断言しても過言では無い──と言う人も多いとかネットで見た気がすると聞いた感、あるかも (煮えきらなさがウリの芸風)。

それだけに──キャラクタとの別れは寂しい……。

痛々しい遺体

ヒソカ・モロ享年──何歳だったんだろう?
思えばゴン・フリークスのライバルとして登場して以来、しばらくは「最強の敵」として立ちふさがりました。いつか倒すべき相手としてヒソカは輝き続けた(とくに一部分が)。

時は流れて──。
まさか酸欠による窒息ヒソカが亡くなるとは思いも寄らなかった。「人形爆弾」で華々しく散るほうが まだヒソカに似合っている。
ヒソカの死に顔は、本当にピエロのようです……。

執着の伸縮

「残念」とは死後にも残って強まる念のことか!?
200体の人形が襲ってくる展開は「100人スミス」を思わせました。そして「直接的な心臓マッサージ」も同じく『マトリックス・リローデッド』を思わせます。
2003年の映画をネタに使ったとしたら、時期的に ちょうど「一周 回って新しい」感じがする。そもそも『ハンター×ハンター』自体が1998年(20世紀!)に始まった作品なんだよな……。

嘘で塗り固める

ヒソカの見た目復活しました。
──が、たんに「薄っぺらな嘘」でオーラを覆っているだけです。止血は できても「肉や骨が生えてくる」ワケも無い。今後のヒソカは、四六時中オーラで肉体を補ったまま生活するのだろうか?
いや、そもそも死闘前のヒソカも「4分の1くらいはオーラ」だった可能性すらある。戦闘狂(バトル・マニア)なヒソカだから、クロロ級の相手と戦った経験は何度も あるでしょう。そのたびに無傷で勝利したとは限らない。
では なぜ今回「死んだ」のに左手と右足だけが欠けていたのか? 本当は別の部分も欠損が出ているが、(死後に強まる)「ドッキリ テクスチャー」で見えなかっただけかも。
ヒソカが「自称・最強」なのは「死なないから」とか?

用足しで用済み

一番の衝撃が最後に待っていた!
ヒソカの「死んで蘇る(I live, I die, I live again!)」(『マッドマックス 怒りのデス・ロード』)は たしかに驚いた。しかしヒソカは生きている。

シャルナークコルトピは──もう帰ってこない。
もはや何の意味も無いけれど、「彼ら」をコピーすることすら不可能になった。二人の念能力は永遠に失われました(※念能力の設定上、たとえばモタリケでも習得できた可能性は あるけれど)。

シャルナークは完全な戦闘要員では ありません。
とは言え、「コルトピ」を受け取っている場合では無いことくらい把握していたはず。それでも反射的に手を伸ばしてしまった。仲間思いの気持ちが致命傷を生む。──なんとも皮肉です。

若さと凶暴さ

コルトピの素顔が初公開されました。
冨樫 義博先生特有の雑さデフォルメで判別が付きにくいですが、コルトピの顔も「幼い」ように見える。団長であるクロロもマフィアから「ガキ」呼ばわりされていました。そう、幻影旅団は若い人間が多い。
印象的だったのはシャルナークがマチを優しいと言っていたことです。あんな状況で「女」が「男」に見せる顔に含まれるのは「優しさ」だけだろうか? それ以上の感情があったとしか思えません。

絡め取られた蜘蛛

団長の除念… ありがと」が はかなげで良かった。
愛憎込みのマチの表情は、少女特有の純粋さと不器用さが感じられます。──どう見ても悪い男にダマされてヒドい目に会うタイプだよな……(たとえば目の前の肉塊に)。

ヒソカは、マチだけは生かしておくのだろうか?
それとも最後のデザートとして取っておいただけかも しれない。楽しみは あとに取っておくヒソカらしい趣味です。
なにしろ、今は「ゴムで手足を拘束されているマチ(ごくり……)」が目の前にいて、「肝心な部分は無防備(ごくごくごくごくり……)」ですよ! こんな絶好の機会は──今後も二度・三度と お願いします!(アリーナ席からジャンピング土下座)
そう言えば最近、「後ろからハグ」が流行しているとツイッターで目にしました。女子中高生も『H×H』のネタバレ・スレをヲチしていたのか!?

流れ星の旅人

幻影旅団も暗黒大陸を目指します。
クロロ・ルシルフルを始めとして旅団のメンバが船に集まる。ただし、すでに蜘蛛の脚が二本も欠けたことは団長も気付くでしょう。「盗賊の極意」(スキルハンター)からシャルナークとコルトピの能力が消えたはず。
団員が減ったままで新大陸へ向かうのか? 船上で団員を補充する展開も ありそうです。その場合、クラピカと関係のある人物が団員になると面白い。
──ミザイストム・ナナが すでに旅団員とか!?

おわりに

タイトルの「秋千」とはブランコのことです。
シャル萌えなフ女子(とくにヒソシャル女子)は、しばらくブランコを見るたびに憂鬱になるでしょうね……。また、同時に『山賊ダイアリー』ファンでもカラスがノドを通らないはず(食べる人は ごくごく一部だろ!?)。