『HUNTER×HUNTER』 No.368 「凶行」
今回の見どころ
- G「見まわりは任せろー(カサカサ」 やめて!
- 見目麗しいオイト王妃(1話ぶり256回目)
仄暗い天井から
第12王子・モモゼに危機迫る! 『家政婦は見た!』ならぬ「ゴキブリは見た!」状態です。
──ホント、二重の意味でカンベンしてください……。
取り乱す王妃をクラピカが止めています。しかし、もう この時点でバビマイナの目は ごまかせなかった。
ただ、「オイトは念能力者」だとバビマイナは確信したはずです。このことは今後の戦略に生かせるでしょう。
初の敗退者
モモゼの まさかの退場です……!
初めて読んだ時は「モモゼを襲った犯人が返り討ちに遭った」かと思ったのに……。
あきらかに第7王妃・セヴァンチの失態です。自分に失敗をごまかすために警護兵を処刑(口止め)しようとしている。この間抜けな母親のせいで、第13王子まで危険が及びそうです。
最後に たった一人だけが生き残る残酷なサバイバルゲーム
だと強く思い知る結果に なりました。この船に乗り込んでおいて、なお平和ボケしている王子・王妃の目が覚めたことでしょう。
ということは、今まで以上に殺伐とした空気に なるのか……。
守護しない霊獣
守護霊獣が王子を守らなかった理由は何か? 七三分けの護衛・サカタとクラピカは推測しています。
逆に言えば、王子の意識がハッキリしている状態だと霊獣は宿主を守る。また、ツェリードニヒの霊獣のように積極的に人間を襲いそうな個体もいます。
継承戦が終わるまで警護兵の気の休まる時は来ない──。
それを言い出したら、まっ先に殺戮パーティを繰り広げたのはモモゼの念獣ですけどね!
念能力と同じく、宿主の性格が色濃く出るようです。ああ見えてモモゼも王を目指していました。
──死人にムチ打つようですが、モモゼが健在だったら今後も被害は増えたでしょうね。
指令と私情
バビマイナが急に良い奴に見えてきました。すくなくとも話せば分かる人だと思える。
それは見せかけなのか、それとも本心なのか──。
そもそも、ベンジャミンがバビマイナに下した使命は何だったのだろう?
ビンセントの場合は、あからさまに「王子の暗殺」だったはずです。王妃を含めて関係者と目撃者も皆殺しにする つもりでした。
「王子自体は赤児だから隙を突けばいくらでも消せる」という前提でビンセントは送り込まれる。ところが、思わぬ反撃をくらい、ベンジャミンは考え直したはず。
バビマイナがオイトに質問をした理由は、「王妃が王位継承戦を望んでいない事」を確認したかったのでは?
ベンジャミンからすれば、いつまでも下級の王子に関わっているヒマは ないでしょう。ましてや、そのせいで兵が減っていっては何のために兵を派遣(という名の監視)をしたのか分からなくなる。それこそデメリット
しかない。
だから、ここは いったん引いたのでしょう。場合によっては引くことも含めた指令なのか、それともバビマイナ個人の判断かは不明ですが……。
無理を押す者は
「王妃…! 無理を なさらずに…
」というクラピカのセリフが味わい深い。
〈絶対時間〉(エンペラー タイム)の発動によりクラピカの「1秒間につき1時間の寿命が減る」。そのリスクをオイトは知りません。だからこそ、オイトは気兼ねなくイルカとGを酷使できる。
「あなたを 気遣っている わけでは ありません
」という言葉は まさに文字どおりで皮肉が効いています。
3時間の〈緋の眼〉の持続で、じつに450日分のクラピカの寿命が燃やされている……!
〈絶対時間〉の制約のほかにも、肉体的・精神的に負担が かかっていそうです。「痛みが うるさい
」という表現も冷静なクラピカらしくない。
さらに、今回クラピカが倒れたことで、〈人差し指の絶対時間〉(ステルス ドルフィン)が解除された可能性も あります。あるいは、もう二度と使えないとか……?
もしも そうなったら、「(今のところは敵対関係ではない)第13王子の情報を得た」だけで終わりです。まさに骨折り損の くたびれ儲け!
忍びない怒り
モモゼが暗殺されたことで怒り狂うハンゾー!
──を見て、「倒れたクラピカが心労でハゲた」のかと思いました。せっかくのシリアスな場面なのに、ハンゾーの顔で笑ってしまう。
ノヴ「(ガタッ」 モラウ「おまえじゃねぇ すわってろ」
さて、ハンゾーといえば拷問の名手です。モモゼを襲撃した実行犯は、ぜひとも気の毒な末路を迎えてください!
──と思ったけれど、もしも実行したのは第13王子・マラヤームの念獣(に操られた警備兵、の分身)だったら どうするのだろう……。
今回もビスケは「はねっ返りの若造がムチャをしないように なだめる役」でした。短く言えば「ママーッ!」ですね!
もちろん冗談で書いているけれど、「ビスケは未婚」とは一度も書かれていないはず。当たり前のように故郷でダンナと子どもが待っていても、「まあビスケなら」とスンナリ受け入れられそう。
操りの代償
ハンゾーの言動をそのまま素直に受け取ると、ハンゾウも分身が使えるらしい。しかし、「忍者が本職
」だからといって全員が分身を使えるのだろうか?
実際問題、今回のモモゼ暗殺に使われたような分身であれば、放出と操作に加えて具現化(か変化?)まで必要です。「完全犯罪」が可能な能力だけに、習得に必要な努力は尋常じゃなかったはず。
それだけに、正しい道に使って欲しかった……。
分身と言えばカストロです。いま思えば、彼の〈分身〉(ダブル)は強力でした。〈念〉という概念が出たばかりにしては、複数の系統を同時に使う高等な技です。
さすが、(自称・)最強の念能力者であるヒソカと互角に渡り合っただけはある。
レイザーの〈14人の悪魔〉は もっとスゴかった。分身した「悪魔」の投げるボールは、熟練のハンター()であるツェズゲラを退場させるだけの威力を持っています。
ドッジ・ボールではなく、本気で戦っていたら──と考えるとゾッとする。
操作系の能力者は、同時に放出や具現化・変化まで必要なことが多い。そうでなければ、シャルナークの〈携帯する他人の運命〉(ブラック ボイス)ように道具を使うか。
必然的に燃費や効率が悪い能力に なりがちです。チームを組んで仕事をする人に向いていますね。
こう考えると、操作系のみで道具にも頼らない能力──ヴェーゼの〈180分の恋奴隷〉(インスタントラヴァー)が最強だったのかも?
(なお、シズクとのキマシタワーは建たなかった模様……)
彼と彼女と念獣と
第4王子・ツェリードニヒと警備兵・テータは、〈念〉に関しては師弟関係です。しかし、師事する弟子には「尊敬の念」はありません。一手でも間違えれば即死の緊迫する やり取りが続く──。
「まるで将棋だな」「は?」
ところで、この場面は なぜか「1008
号室」の表札から始まりました。ツェリ様は1004号室に いるはずなのに?
これが誤植でなければ、「すでにサレサレは始末した後で、同じ室内でノンキに念の修行中」なのでしょうか。そうであれば、最後のコマは「サレサレ(か取り巻き)の血痕」ということで丸く収まる(収まってるか?)。
ところで、パクノダやオイトのように、テータちゃんにも そろそろ「開花」してほしいところです。いまのところ、髪を下ろしたら女神化──とは ならな(ry
おわりに
モモゼのベッド・シーン(?)を見て まっ先に思ったことは、「ヤマカムの山田氏は大丈夫なのか?」でした。
──まったく無事じゃなかったようです……。
痛みを知らない冨樫が嫌い 。心をなくした冨樫が嫌い。可愛いモモゼちゃんが好き。バイバイ
— 山田 (@yamakamu) 2017年8月21日
こっ、これは、小野寺さんNTR事件以来の戦争が始まる……か……!?
ここで、この作品に於けるモモゼの役割を振り返ってみましょう。
自分が知らないところで赤の他人をぶっKRしておいて「はー、疲れたわー、王の器()が重いわー(ミサワっ」と グースカ鼻ちょうちんで寝ていたら男に襲われて(意味深)昇天する(意味深)姿をGKBRに目撃された→からの~ つ「遺体袋~(ドラっ」
──自分の推し王子が こんな扱いだったら、冨樫先生にファンレターとかを送りつけたくなる(「とか」って何だったんだろうね……?)。
どうか山田さんの心に平穏が訪れますように……。
この作品が『ザ・マミー』だったら、袋詰めは「復活フラグ」ですケド。