冨樫義博一覧

HUNTER×HUNTER 11 巻 「9 月 4 日」 1 – 君を捜す夜空

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.11 「9 月 4 日」

Koinobori
とても満足そうな──宙を舞う魚

「まるで写真のような」人物画の表紙です。中身を読めば誰かは すぐに分かるけれど、コミックス派の人は「知らない人」に見えたのでは? 某・芸能人とか。

表紙の折り返しに載った写真には、「大きな犬と兎の ぬいぐるみ」が写っています。喜ばしいことに、もう 1 人増えました。セーラームーンたちの きょうだいですね!

肝心の内容は──見どころしかない! 今後のマンガ史に残り続けるべき 1 冊でした。アクションもセリフも一流です!

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HUNTER×HUNTER 10 巻 「9 月 3 日」 2 – 入る×視る×切る

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.10 「9 月 3 日」

Defenestration
根性が座った──華麗なる脱出

極上のミステリィ小説を読んだような「やられた!(にんまり)」が味わえる後半でした。なにしろ「密室トリック」が出てきます!

この密室で描かれたシンプルな謎と「回答編」は、10 年以上の時間が流れた今でも色あせていません。これ以上のトリックを「ジャンプ」で読めた作品は、『DEATH NOTE』くらいです。

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HUNTER×HUNTER 10 巻 「9 月 3 日」 1 -競売は真ッ闇 蔵の闇

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.10 「9 月 3 日」

巨壺村
たしかに──この上なく変わった壺だ

コミカルな絵で書かれた「旅団腕相撲ランキング」が楽しかった! この順位は かなり興味深い。

まず、女性のパクノダやシズクや、小柄なコルトピが低い順位なのは理解できる。しかし、団長であるクロロがマチに負けているのは おもしろい。

もちろん、腕力だけで強さは測れないけれど、実際に腕相撲で負けた団長を見た団員は、「うわぁ……」と思ったのでは? 「いや、いまのは全力じゃないし!」と半泣きで負け惜しみを言う団長が目に浮かびます。

いかにも強そうなフランクリンよりも、ヒソカの順位が高かった。たしかに彼は、肩も腕もムキムキですよね。普段は ひょうひょうとしたヒソカですが、プライベートでは筋トレを欠かさないのかも。

ウボォーギンとフィンクスは順当ですが、フェイタンも意外に順位が上です。彼は「素早さで勝負」という印象でしたが、(おそらくシズク以下の)ゴンなんて話にならないほど力が強い。

一番謎なのは、ボノレノフ師匠だよなぁ……。

なによりも、ようやく幻影旅団 全員の名前を書けて ありがたい! 本編で全員の名前が明かされるのは、まだまだ先ですけどね。このブログの更新以上に、首を長くして待つ必要があります。

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HUNTER×HUNTER #340 「特命」 200 年ぶりの故郷

HUNTER×HUNTER No.340 「特命」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 16 号)

新天地 節慶燈飾
未踏の故郷には──目印など無い

期待と不安に満ちた新展開です!

「寝耳水」(言えてない)な新登場の人物や、新しい舞台が明かされました。物語の流れ自体は前回までで予測できたけれど、この新キャラは読めない!

しかし──、これまでのアレコレが、また 10 年単位で放置されそうで心配でもある。新しい章に突入したら毎回起こることだから、そこは仕方ありませんね。

連載が 300 回を超えても、まだまだ新鮮な気分で読める展開に、心からワクワクしています!

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HUNTER×HUNTER 9 巻 「9 月 1 日」 1 – エサ×ヒル×夜

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.9 「9 月 1 日」

Fire in the (ISO6400) sky
私の夜は──あなたのヒルより美しい

「幻影旅団編」で最初の山場が、今回の「クラピカ対ウボォーギン」です! 念を覚えたての初心者と、殺しが日常の熟練者は、はたして勝負になるのだろうか──。

「いかにも少年マンガのキャラ」といった感じのクラピカと、劇画調のウボォーギンとが、何の違和感もなく完全に調和している点にも注目です。『レベルE』から捨て去ったリアル成分をウボォーで補いつつ話を進めている感じがする。

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HUNTER×HUNTER 9 巻 「9 月 1 日」 1 – 飛ぶ 3 匹と潜る 1 匹

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.9 「9 月 1 日」

幽☆遊☆白書』や『レベルE』ではギリギリのところで表現を抑えていた(編集部から止められていた?)けれど、グロテスク全開の描写が出ました!

とくに「頭部(の中身)」とか──良いのか!?

絵そのものもヤバいし、「人を食った」描写なんて「人類の三大タブー」の 1 つですよ! 「冨樫作品では よくあること」だけど。

この三大タブーは『めだかボックス』でも出てきたけれど、3 つ目が伏せ字でした。いったい なんでしょうね?(棒) 調べてみると、「Yahoo! 知恵袋」の やり取りが おもしろかった。

人類三大タブー 今週のジャンプのめだかボックスの9ページ目で… – Yahoo!知恵袋

ただ、人■売■も近■相■も、トップ・スリーに入れるほど忌み嫌われていないとは思う。文化の違いをタブー視することこそ野蛮かもしれない。

マンガの 3 大タブーは、「下描き掲載」・「長期休載」・「夢オチ」ですかね。──冨樫先生、コンプリートおめでとうございます!

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HUNTER×HUNTER #339 「静寂」 師と死と忍ばない愛

HUNTER×HUNTER No.339 「静寂」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 15 号)

忍
さらば──心に刃をのせた人生よ

以前に『バクマン。』で、「セリフがなくても読ませるマンガ」が出てきました。絵だけで語り尽くすなんて、そうとうの実力が試されます。普通のマンガ家では挑戦できません。

バクマン。 #95-3 「毎晩と合体」 物足りなさとプラス材料 | 亜細亜ノ蛾

フリーザ様の名セリフ・「ふふふ… サービス期間は 終わったのさ…(ボロボロになりながら」が出てきた其之三百十一 「肉弾戦」(『DRAGON BALL 完全版 (21)』に収録)もセリフは すくなかったけれど、印象深い回でした。

今回の『H×H』も、最初のページ以外は ほぼセリフがありません。ところが、絵に込められた情報量や、コマとコマの間にある「描かれていない部分」が分厚い!

ということで、いつも通りのボリュームになりました。

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HUNTER×HUNTER 8 巻 「オークション開催 !!」 2 – 交し×躱し×買わし

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.8 「オークション開催 !!」

かぶとむし
便利に使われるだけではなく──時には戦う!

「この表紙に描かれた男は誰なんだ?」が分かる後半です。いままでの展開をキチンと読んでいれば、すぐに答えは分かる──と見せかけて、じつは単行本だけ読んでいる人には 2 つの答えが考えられる。

「オークション編」は見どころが多く、ジワジワと盛り上がっていく展開です。今回も大ボリュームな感想になったし、先が思いやられるな……。

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HUNTER×HUNTER 8 巻 「オークション開催 !!」 1 – ホームとホームズ

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.8 「オークション開催 !!」

It's Murder, Watson!
執事を撃った犯人は──という場合でもない

おまけページでは、奥さま(マンガ家・武内直子さん)と新婚旅行へ行った時の様子が書かれていました。エッセイ集として 1 冊書けそうなネタが満載です!

このエジプト旅行の話は、本編では あまり生かされていない──と思いきや、つい最近の週刊連載で似たような場面が出てきました。すぐに作品で出さない所が冨樫先生らしい。

作品で持論を語りたがる作家とは大違いですね!

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HUNTER×HUNTER #338 「樹上」 1,784m という低さ

HUNTER×HUNTER No.338 「樹上」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 14 号)

Global Player
世界は小さい──そして大きい

まだ話を広げるのか! ──と叫びたくなる話でした。そろそろ未解決の問題(モタリケ先輩の生死は!?)を何とかして欲しいところでしたが、飽きっぽい作者にはムチャな相談です。もっと先を見ている。

2012/04/04 に記念すべき『HUNTER×HUNTER (30)』が発売されるけれど、もしかしたら、冨樫義博先生が考えている物語の半分も終わっていないのかもしれません。

そろそろ先生には ゆっくり休んでもらっても良いので、10 年後も 20 年後も、『ハンター×ハンター』を読み続けたいです! 30 年後くらいには── 40 巻目くらいは出ているかな……。

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