ジェイソン・ステイサム一覧

カオス – 観客をだますには配役から

『カオス』 (Chaos)

Intravenous I
(ウソを混ぜ入れたのは──点滴の中だけ?)

絶対にだまされるトリッキィな傑作です!

この映画には主役級が 3 人いて、それぞれが味のある演技をしている。キャスティングも絶妙です。ほかの映画で彼らを知っていると、よりいっそう『カオス』を楽しめる。

まずは、ジェイソン・ステイサムがクエンティン・コナーズ刑事を演じています。彼は、『アドレナリン』で見せたイカレた主人公役が最高にハマっていました。『セルラー』での悪役も印象深く、ワルな男を演じさせたら天下一品ですね!

もう 1 人の主役はローレンツという名前で、銀行強盗のリーダです。彼を演じているウェズリー・スナイプスは、なんといっても『ブレイド』シリーズが有名でしょう。剣を構えた彼の写真は、映画を観たことがない人でも知っているはず。


ここまで話せば、『カオス』の展開も分かりますよね!

──シアトルの銀行が強盗に襲われた。強盗のリーダであるローレンツは銀行員と客を人質に取り、逃走用の車を要求する。クエンティン・コナーズ刑事はまわりの声を聞かず、単独で銀行に侵入し、激しい銃撃戦を繰り広げるのだった──。

こんな感じで、「汚れた刑事」をジェイソン・ステイサムが荒っぽく演じて、「無頼漢な強盗」のウェズリー・スナイプスをガンガン撃ちまくる! 人質も撃つ! 途中からなぜか「銃 vs 剣」の対決になり、街中を巻き込んだ一大アクションに!

──は、なりません。まったく。ぜんぜん。


本当はどんな話かと言うと──、ローレンツが銀行強盗のリーダで、クエンティン・コナーズ刑事が彼を追う構図は変わらない。しかし、今回のジェイソン・ステイサムは妙におとなしく、ルールを守る男なのです。同僚からの信頼も厚い。

じつは、『カオス』に登場する新米の刑事──シェーン・デッカーこそが、真の主役です。彼を演じたライアン・フィリップは、キリッとした二枚目だけれど、上記の 2 人と比べると──いかにも頼りない。

前半のシェーン・デッカーは、「そんな捜査で大丈夫か?」と声をかけたくなるけれど、クエンティン・コナーズのおかげで急成長していく。コナーズがデッカーを守る場面もあり、意外と心温まる話です。


ところが、『カオス』だけに単純ではなかった──。

最後の展開──「種明かし」は、ちょっと見抜けないと思います。自分は、すっかりだまされた。「そんなところに仕掛けがあったのか!」と驚くタイプの話で、だまされると分かっていても最後にビックリするはずです。

全体的に分かりやすい演出だし、(ちゃんと観ていれば)謎解きも「え、どういうこと!?」とはならないでしょう。途中のカー・アクションもリアルで素晴らしい! 友人や恋人と気軽に楽しめて、最後にドッキリ・にっこりできる映画です。

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『セルラー』 電話を切られたらオシマイ──!

『セルラー(CELLULAR)』

これは見事なサスペンス映画です。

緊張感たっぷりの展開と、笑える要素のバランスが絶妙で、途中のカーアクションも迫力がある、という「映画の見本」のような作品で、どなたでも楽しめる映画です。

ストーリィ

ヒロインのジェシカ(キム・ベイシンガー[ad])は子供思いの教師で、ある日、突然 誘拐されます。監禁された部屋は二階で脱出できず、設置されている電話機も、誘拐犯のイーサン(ジェイソン・ステイサム)に壊されてしまう。絶体絶命の状況ですが、なんとか電話機を通話可能な状態まで復元。しかし、ダイアル先は選べず、運任せ──。

全くの偶然で、主人公・ライアン(クリス・エヴァンス)の携帯電話に繋がりましたが、いかにもイマドキのワカモノという感じで、初めはジェシカの話を信じません。

そんな彼が、なぜジェシカの話を信じ、行動を起こしたのか。普段の彼であれば、すぐに切ってしまうはずなのに、なぜ? ──このあたりの脚本も見事です(ある程度の「ご都合主義」には目をつぶろう)。

このあとの展開も、ハラハラドキドキの連続で、まったく飽きさせません。オススメの映画です。

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セルラー
キム・ベイシンガー クリス・エバンス ジェイソン・ステイサム
アミューズソフトエンタテインメント 2005-08-26
楽天ブックス: セルラー

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『アドレナリン』 サイテーな主人公とビッチなヒロイン

『アドレナリン』

公開したばかりの『アドレナリン』を見てきました。

映画『アドレナリン』公式サイト映画『アドレナリン』公式サイト

『ダイ・ハード 4.0』を見に行ったとき(『ダイ・ハード 4.0』 非道な主人公が武士の情けを : 亜細亜ノ蛾)に、予告編が流れて、面白そうだったからです。いやぁ、予告編は面白そうに見えますね(意味深)。

主人公(ジェイソン・ステイサム)は殺し屋で、請け負った仕事のせいで敵に毒を盛られます。"新型の中国製毒物"らしく、打たれた人間は、一時間後には死んでしまう。死の時間を延ばす方法は、体内でアドレナリンを出し続けること──。

「止まったら死ぬ」ということで、走り続ける主人公。そして、時間に限りがある状況──。

まるで『スピード』と『SAW』を足して 4 くらいで割ったような映画です。──割りすぎだって? 足りない分は、「おバカ」と「お下品」、そして「お色気」が足されていました。

ということで、スピード感あふれる、おバカ映画でした。

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