『ドラゴン・タトゥーの女』 (The Girl with the Dragon Tattoo)
ドラゴンは飛び去っても──代わりがいる
タイトルから想像できるように、ブルース・リーの幻の遺作をリメイクしたアクション映画です! 監督はクエンティン・タランティーノで、お得意の多弁すぎるトークと、残虐すぎるバイオレンスが見どころでした。
しがない探偵の元へ、謎の女が仕事を依頼しに来る。彼女に刻まれたタトゥ──そこに隠された秘宝の謎とは? やがて襲い来る悪の組織との闘い! 国中を巻き込んだ紛争の末に、衝撃の結末が! それは──、
──ここまでの話は全部ウソでした!
本当は、自分が大好きなデヴィッド・フィンチャー監督の映画です。彼の作品のなかで一番ふんいきが近いのは、『セブン』や『ゾディアック』でしょう。間違っても『ベンジャミン・バトン』のように ほのぼの路線ではありません。
自分は まったく内容を知らずに劇場へ足へ運んで、「ダニエル・クレイグが主演だし、お気楽なスタイリッシュ・アクション映画だろう」──とノンキに観ていたから、いろんな場面でアゴが外れそうになりました。
ストーリィは「40 年前に失踪した少女の真相を暴く」というミステリィ的な内容ですが、じつは主題は そこにはありません。
この映画の大半は、ヒロインを演じるルーニー・マーラが かわいい! ──という成分で構成されています。だから いっそう、アレな場面で息苦しくなる……。
これから『ドラゴン・タトゥーの女』を観る人は、あまり情報を仕入れずに劇場で観てください。とくに女性の方は、信頼できるパートナと一緒に行きましょう。
映画が終わったあとで「誰と一緒に観たかったか」を考えると、ちょっとした「人生の棚卸し」というか友だち選びの手助けになるかも。
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