小畑健一覧

バクマン。 #124-2 「考察と挑発」 チーフと踏んばりどころ

『バクマン。』 124 ページ 「考察と挑発」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 15 号)

Abbey
(「はい、私がここの──チーフです」)

大場つぐみ・小畑健の前作である『DEATH NOTE』には、お菓子の大好きな天才が何人も出てきました。劇中の彼らは、甘い物ばかり食べている。彼らの育った環境では、糖分しか与えていなかったのでは──と思うくらい。

『バクマン。』の世界にも多くの天才がいます。しかし、新妻エイジと平丸一也(・七峰透)は、とくに甘い物が好きには見えません。

ところが──、お菓子大好きで才能のある人がついに登場しました! 今回の話を見て、「もしかして、L たちと中井は、同じところの出身なのでは!!!?」と思った人は──いないだろうなぁ……。

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バクマン。 #124-1 「考察と挑発」 校舎と退室

『バクマン。』 124 ページ 「考察と挑発」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 15 号)

ウサギとカメ。
(ウサギとカメのように──早く ていねいに描く)

七峰は「計算型の 天才」だと、今回は公式に(= 劇中で)呼ばれました。亜城木夢叶は「計算型の 努力家」らしい。

新妻エイジは「努力型の天才」・平丸一也は「天才型の天才(天然の天才)」だと自分は思っています。この 2 人も、公式な呼び名が聞きたい。──そもそも、平丸を天才と思っているのは、吉田だけかも。

すっかりクラピカ的存在(というかあのマンガ並の出現率)になった亜豆にも、声優としての売り文句があるはずです。それは──なんだろう? 「ヘルメットを脱がさないで」?(全ファンを敵に回した)

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バクマン。 #123-4 「ピザとお茶」 少女マンガとクオリティ

『バクマン。』 123 ページ 「ピザとお茶」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 14 号)

京都国際マンガミュージアム
(いろんなマンガを──読み込むべし!)

この作品を読んでいると、「では、どのようなマンガを描けば人気が取れるのか?」を考えたくなります。いまの「ジャンプ」では、何が「正解」なのだろう……?

──それは『magico』(マジコ)です!(断言)

最近の新連載の中ではダントツに面白い。ていねいに描かれている絵も上手で、話の見せ方もうまい。1-2 話の時点で、アニメやゲームに生かせそうなアイデアが山盛りです。そのうち、「能力バトル」も出てくるはず。

「ジャンプ」のヒロインと言えば気が強い女の子──と判で押したように決まっている。ところが、『magico』のエマは(いまのところ)気が弱そうにオドオドしています。この点も目新しいですね。いま流行のなかなか変身しない魔法少女(魔女)だろうし。

自分のにごった目で見ると、エr ──美少女マンガを描いていた上連雀三平(小野敏洋)氏の絵柄と似ているから、なんだかヘンな期待までをしてしまう。主人公・シオンが女性に弱いところから考えて、色仕掛けを迫ってくる敵も出てくるはずです。

『magico』の作者である岩本直輝氏の作品は、意識して読んだことはありませんでした。彼の描いた作品のタイトルだけを眺めると──なんとなく亜城木夢叶っぽい。本誌で連載デビューするまでに苦労したところも似ている。

岩本直輝 – Wikipedia

「見かけはヒョロ男なのに、筋力はガチ☆ムチ」な主人公が多い(多すぎる)中、シオンは魔法使いです。たぶん、ダーク・シュナイダー(『BASTARD!! 暗黒の破壊神 』)みたいな超絶不死身主人公でもないでしょう。このあたりも「邪道で王道」です。

ここまで自分の大プッシュする『magico』がコケるとしたら、その理由は──読者の マンガを観る目が なさ過ぎるからだ。

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バクマン。 #123-3 「ピザとお茶」 マンツーマンとゴチャゴチャ

『バクマン。』 123 ページ 「ピザとお茶」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 14 号)

Man to Man
(一対一で──苦しい状況)

とつぜんですが、『バクマン。』の世界に出てくる「マンガ家」をランク分けしてみました。下のリストをご覧ください。

  • ランク A: 原作も作画も描く
    • 平丸一也, 新妻エイジ, 福田真太, 蒼樹紅(元 B+ か B), 白鳥シュン(元 B), 高浜昇陽, 静河流, 間界野昂次, 石沢秀光
  • ランク B+: 原作者
    • 高木秋人, 岩瀬愛子
  • ランク B: 作画担当者(人物と背景が描ける)
    • 真城最高
  • ランク B-: 作画(人物だけ)
    • 七峰透
  • ランク C: アシスタント(背景のみ)
    • 中井巧朗

このリストは、多くの人から反感を買うでしょう。

まず、マンガ家に等級をつけること自体がおかしい。さらに、作画の担当者よりも原作者を上に置いているところも、非難を浴びるでしょう。亜城木夢叶よりも石沢が上だし。

比較すると、どうしても原作を書く人は上になります。原作者は同じで作画が変わった「○○版」な作品は多いけれど、逆の組み合わせは見ないですからね。

自分がいつもやる手口(持論を補強するために都合のいいデータを集める)によって作られた物なので、あまり意味はありません。それでも、このようなランク付けでマンガ家を見ている人もいるのでは──と半分は思っています。

すくなくとも『ドラえもん』が愛読書だった小学校低学年の自分は、すべて 1 人で話を作って絵を描く人が「マンガ家」だと認識していました。アシスタントという仕事はもちろん、原作者なんて意識したのは高校生くらいかな。

こんなリストを出した意味は、下に書きます。

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バクマン。 #123-2 「ピザとお茶」 グラデトーンとベーコン

『バクマン。』 123 ページ 「ピザとお茶」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 14 号)

IMG_2142
(まるで──スクリーントーンで描かれたような世界)

才能・評価・努力・挫折・絶望──という世界からは遠ざかって、さわやかな青春時代を送っている平丸と蒼樹です(※2 人ともけっこうな年齢)。

「『バクマン。』とは、サイコーこと真城最高と亜豆美保との恋愛を描いたマンガである」──なんてことは、読者の 98% が忘れている。彼らの役割は、そのまま平丸・蒼樹が引き継ぎました。

なにしろ、つきあっているのに「会わない」といった無理難題なんて、蒼樹は言いませんからね(普通は考えもしない)。気軽な気持ちで平丸も会いに来られる。そして、蒼樹と平丸は同じ道を歩いているのです。──理想的なカップルですね!

いままで ありがとう、亜豆──。

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バクマン。 #123-1 「ピザとお茶」 駆け出しとご機嫌取り

『バクマン。』 123 ページ 「ピザとお茶」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 14 号)

Paper Sumo
(つい間違えて──相撲を取っていた)

今回の話はアツい! 最近では一番のアツさでしょう。──「厚い」とか「暑苦しい」という意味ですケド。

ということで、とうとう「あの男」が『バクマン。』の世界に復帰しました。いろいろとボリューム・アップしまくって──。

この作品には、「ジャンプ」の読者アンケートを集計した結果・「速報」「本ちゃん」がよく出てきます。できれば、現実世界における今週号の「本ちゃん」を見てみたい。まさかの「女性票: 0」に なっていないだろうか。

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バクマン。 12 巻 「画家と漫画家」 花火の音と 100 分超え

『バクマン。』 コミックス 12 巻 「画家と漫画家」

mac kitty
タッチするのは──キーボード以外でも良い

とうとう連載 100 回目が収録される 12 巻が発売になりましたね! ──しかし、自分の家にはまだ届かない……。

そこで、当サイトで書いた過去の感想とコミックスの内容を先にお届けします。本が届いたら、シレッと何食わぬ顔で書き換える。

2011-03-05T13:28:10+09:00 追記: 到着しました!

ようやく表紙に平丸一也が登場しましたね。対・吉田用に、わざとらしく疲れたフリをしているように見えるけれど──、本当に毎週毎週が過酷なんだろうなぁ……。

バクマン。キャラクターブック キャラマン。』 によると 8,900 円(税込み)もする『ラッコ 11 号』のフィギュアが、平丸の部屋には無造作に放置されています。彼が静河流と同じ趣味であれば、「姫」たちに人形を配って人気者になれるのに。

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バクマン。 #122-4 「心理戦と決め台詞」 屁理屈とスーパーアシ

『バクマン。』 122 ページ 「心理戦と決め台詞」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 13 号)

Legs
(足がグンバツ──という意味ではない)

七峰透は今後、次のようになると自分は思っています。

──経験がないのに独自な考えと知識に溺れてしまい、失敗する。しかし、やがて心を入れ替えて、「真のマンガ家への道」を一歩一歩確実に進み始める──。

上のようなシナリオだと考えると──、どう考えても七峰の画力はジャマになる。なぜなら、地道な努力でしか絵は上達しない──と読者は信じたいからです。

ところが、現役の人気マンガ家(亜城木夢叶)と並ぶ絵を、七峰は現時点で描くのです。「改心してから絵の修行を始める」必要がありません。

平丸のような神に愛された天才でも、絵はヘタなのに。

それとも、また作者に だまされているのでしょうか?

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バクマン。 #122-3 「心理戦と決め台詞」 ハーレムとプロポーズ

『バクマン。』 122 ページ 「心理戦と決め台詞」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 13 号)

Officer in Blue, Harlem, 1943
ハーレムへ行きたい?──お気をつけて)

絶賛発売中の『バクマン。キャラクターブック キャラマン。』には、平丸と蒼樹が合作で 4 コママンガを描く話が載っている。本編とは微妙に(かなり?)ふんいきが違う 2 人が出てくるので必読です!

プロ同士の共同作業だけあって、仕事の指示もうんたん♪たんたんとしている。──では ここに 洋子ちゃんの パンチラを 描いてくださいと蒼樹に言うんですよ、平丸は! そして蒼樹も、はいと素直に従っている。

『青葉の頃』のヒロインである河合洋子は、外見がほぼ蒼樹です。4 コママンガの中でも、ラッコ 11 号(= 作者の平丸)は間違えて洋子のことを蒼樹さんと呼んでいる。つまりは、蒼樹自身に彼女のパンチラや下着姿を描かせているに等しい──。

──なんて高尚なプレイなのですか~!?

プロのマンガ家たちは合作がすくないけれど、同人誌ではよく見かけます。もしかすると、上記の平丸・蒼樹コンビのようなやり取りなんて日常チャメシゴトなのでは……(そうか?)。

ちくちょ~う! オレも、高校生のころに『聖闘士星矢』の模写だけで挫折せずに、必死になって G ペンを握りしめていれば良かった!

──というショボイ思い出とは無関係な感想をどうぞ。

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バクマン。 #122-2 「心理戦と決め台詞」 企画ページとユウコリン

『バクマン。』 122 ページ 「心理戦と決め台詞」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 13 号)

ゆうこりん人力車
(夢をのせて未来へ──行けるかどうかは知らない)

他人に無関心で冷血漢のサイコーは、七峰のことを強く敵視しています。普段は思いやりのあるシュージンまでもが、作品で七峰を潰す──と熱くなっている。

このように意識された「敵」を、われわれマンガ読みは何人か知っています。ベジータクロコダイン我愛羅など──。つまり、今後の七峰がどうなるか、想像がつくというものです。


──と書いておいて台なしですが、「敵から仲間になった登場人物」の名前を複数の作品から挙げることは、意外とむずかしかった。

『ドラゴンボール』からは、ヤムチャや天津飯・ピッコロ・18 号──とゴロゴロ出てくる。この偉大すぎる名作の影響によって、「ジャンプ」のお約束が語られているのかもしれません。

めだかボックス』は、意外と構造が『ドラゴンボール』に似ています。「敵から味方」のパターンも多い。さすが、「アンチ『ジャンプ』マンガ」と呼んでも差し支えがない作品ですね!

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