『バクマン。』 123 ページ 「ピザとお茶」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 14 号)
とつぜんですが、『バクマン。』の世界に出てくる「マンガ家」をランク分けしてみました。下のリストをご覧ください。
- ランク A: 原作も作画も描く
- 平丸一也, 新妻エイジ, 福田真太, 蒼樹紅(元 B+ か B), 白鳥シュン(元 B), 高浜昇陽, 静河流, 間界野昂次, 石沢秀光
- ランク B+: 原作者
- 高木秋人, 岩瀬愛子
- ランク B: 作画担当者(人物と背景が描ける)
- 真城最高
- ランク B-: 作画(人物だけ)
- 七峰透
- ランク C: アシスタント(背景のみ)
- 中井巧朗
このリストは、多くの人から反感を買うでしょう。
まず、マンガ家に等級をつけること自体がおかしい。さらに、作画の担当者よりも原作者を上に置いているところも、非難を浴びるでしょう。亜城木夢叶よりも石沢が上だし。
比較すると、どうしても原作を書く人は上になります。原作者は同じで作画が変わった「○○版」な作品は多いけれど、逆の組み合わせは見ないですからね。
自分がいつもやる手口(持論を補強するために都合のいいデータを集める)によって作られた物なので、あまり意味はありません。それでも、このようなランク付けでマンガ家を見ている人もいるのでは──と半分は思っています。
すくなくとも『ドラえもん』が愛読書だった小学校低学年の自分は、すべて 1 人で話を作って絵を描く人が「マンガ家」だと認識していました。アシスタントという仕事はもちろん、原作者なんて意識したのは高校生くらいかな。
こんなリストを出した意味は、下に書きます。
今後どういう 展開を希望 するか
『有意義な学園生活に必要なそれ』(長っ)とは どのようなマンガなのか──。いまだに自分には見えてきません。『シンジツの教室』と比べると、情報がすくなすぎます。
そのせいで、この場面に出てくるチャットの内容もよく分からない。軸となる「ソレ」のアイデア
とか誰の「ソレ」のアイデアを使うか
という言葉が出てくるけれど、「ソレ」
がタイトルの略称なのかアイテムなのか不明です。
七峰の気合いとは逆に、作者からすると『必要なそれ』は、「捨てマンガ」のような気がする。
どうしたん ですか
無言で突っ立っている中井が何コマも描かれていて、笑え──いや、こわいな……。
とうとう七峰透の秘密を知った中井と、「判定人」のことを打ち明けた七峰透との対比に注目です。
まず、中井はごく当たり前の反応をしました。長い間 マンガ業界にいたため、その世界での常識が脳にしみこんでいる。
ただ──、中井の場合は、担当とマンツーマンで 苦しみながら
良い原稿を仕上げた経験は、ほとんどないはずです。蒼樹との合作・『hideout door』の時にも、担当者の相田が OK を出したネームは不満の残る完成度でした。
ついでに言うと──、この 2 ページ後で分かるように、連載の第 1 話目とはいえ「ジャンプ」本誌で蒼樹は 1 位を獲っている。そんな(将来の)人気作家を、相田は見捨てました……。彼は、マンガ家とマンガを見る目があるのか?
ピザ来た みたいですよ
上で書いたことを考えると、この場面で中井を「マンガ業界側の人間」として描いたり、「中井が改心する きっかけ」みたいに見せようとするのは、ムリがあるように感じる。
七峰透くんは 進んでる
と本当に心の底から感心するほうが、むしろ自然だと思いました。
さて、七峰のほうは、一見すると素っ気ない態度に見えますが──、よく思い出してください。いままで彼が自分の本性を明かした時は、いつも悪魔的な顔つきを見せていました。
ところが今回は、右のページを見て分かるとおり、何とも穏やかな表情をしている。まるで菩薩です。なむなむ! ──あるいは、コニシ■にインタビューしているジャ■ーズのタレント、みたいな?
亜城木夢叶や小杉編集に「判定人」のことを話した時と、今回の中井の場合とでは、明らかに七峰の立ち振る舞いが違います。
もちろん、ここで中井の信頼を失うと、七峰にとっては致命的なダメージを受けるからでしょう。「判定人」の替えは いくらでもいるけれど、「スーパーアシ」は 1 人しかいません。
しかし──そうではなくて、同じような立場である中井に理解して欲しかった──と自分には思えました。その立場とは、絵でしか語れないマンガ家ということです。
七峰のやり方に文句を言う人は多い。しかし、自分が彼の立場だったら、こう言いたくなる。
- 七峰一休:
- 「分かりました将軍様。それでは、ビョウブの中から素晴らしい原作者を出してください!」
上のリストで言うと、世間から見た七峰はランク A ですが、実際は B- です。つまりは──、
原作者がつかなければ、背景描きがメインであるアシスタント業すら七峰はできない! 考えようによっては、七峰は中井よりも下です。
──七峰が中井に対して甘い理由が分かりましたね。
作画しかできないマンガ家は、どんな手段を使ってでも、原作者を見つけるか・原作を創り出すべきではないか──。これが「七峰編」に隠されたテーマだと思います。表面上は「七峰は悪」と描いているけれど。
蒼樹さんスゴ!
最近、カヤが かわいらしい! 以前からキレイだったけれど、近ごろは表情にツヤがあります。オトナの女性の魅力が にじみ出ている。
おめでとうって 電話
を蒼樹にかけようとする、カヤの心遣いも素晴らしいですね(冷血コンビは、そんなこと考えもしない)。
カヤをかわいく描くのは、彼女以外に女性キャラが すくないから──という理由が思い浮かびます。ところが、今回は蒼樹も女性アシスタントもいる。だから、「かわいい担当」は蒼樹プロダクションに任せて、カヤは「お笑い担当」でも良かったはず。
これは──、カヤさんの「おめでたい」フラグ?
(「ジャンプ」で子どもを産んだ女性キャラは、『ドラゴンボール』よりあとには いなかったっけ?)
絶対 1 位だと 思ってたのに
本来であれば 2 位なら すごい
はずなんですよね。天下の「週刊少年ジャンプ」に初めて連載して上位を獲るマンガ家なんて、現実世界では何人いただろう(これは本当に統計データが欲しい)。
かなり以前にも書きましたが、『バクマン。』の世界では「連載インフレ」が起こっています。経験のないマンガ家志望者でも、「ジャンプ」本誌で 3 位以内なんて楽勝なのです(青銅聖闘士が黄金聖闘士に勝つくらいの確立)。
コメント
こんばちは。
モスさんの予想当たりましたね!すごいデス
今週はびっくりがいっぱいでしたね
二話目を見てエイジは気付くとおもいます
自分もあの改心(してないかもですが)は無理やり感が少しありました
あとなぜ中井の回想に高浜クンが(笑)
アシKって加t…だったりして←ない
モッス! オラあじもすぅ!(語呂が悪い)
たまにブログ書いてる途中で寝オチするけど、
ぜってェ読んでくれよな!
って、更新が遅くてすみません……。
たしかに高浜も担当(港浦)には苦しんでいましたが、
中井にも苦労していただろ! とツッコむべきでした。
あのコマも「シリアスな笑い」として
改心──いや、会心の一撃です。
そうそう、よく考えてみれば、
「アシスタントのかけ持ち」って可能ですよね!
「白鳥は年下で美形」という情報を
どこからか仕入れてきた加藤のことだから、
イケメン・七峰のところにも出没するかもしれない。
そうか、七峰の真の死亡フラグは、
「不幸をまき散らす女」の加入か……。