蜷川実花一覧

写真の「日の丸構図」は悪か?

日の丸構図について

Hinomaru Koi (by merec0) (by merec0)

写真の構図は数あるが、いわゆる「日の丸構図」は良くないと言われている。本当だろうか?

たとえば、ウェブ上では悪い写真の例として、この構図が挙げられているのだ。

日の丸構図 – Google Search

──あまり深く突っ込まないで流して欲しいが、「日本の隣」では、もっと盛大に「日の丸」構図が嫌われているのでは、と想像する(想像は自由だ)。

ナショナル ジオグラフィック曰く

たまたま(図書館で借りて)手元にある 2 冊の本にも、日の丸構図を避けるように書かれていた。

まずこちらは、人物の撮影について書いてある。

画面中央の配置を避ける

(……)

顔を画面の真ん中に配置したために、頭の上と両脇に余分なスペースができ、足が切れている、といった写真をよく見かけるし、誰でもそういう写真を撮った経験があるだろう。

真ん中に被写体を置いた写真は、たいていつまらない。

ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 人物写真 (ナショナルジオグラフィック「プロの撮り方」シリーズ) (単行本) p.12

もう一冊は、風景写真における構図の説明だ。

中央の配置を避ける

多くの人が犯すミスの中に、被写体を中央に配置した「日の丸構図」がある。被写体が中央に置かれていると、写真の中心に視線が真っ直ぐに向かうだけで、そこへ至るまでのおもしろ味というものがない。

ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 風景写真 (単行本)』 p.24

世界のナショナルジオグラフィックが言うのなら、デタラメではないのだろう。

ナショナル ジオグラフィック 日本版 NATIONAL GEOGRAPHIC.JP

──これまた余談だが、そういえばアメリカの国旗である星条旗のデザインは、構図の「三分割法」(1/3 ルール)と似ている。まぁ、これも流していただくとして……。

それにしても、さまざまな構図があるものだ。いったい、どんな構図が正解なのだろうか。

自分なりの結論は、「構図は どうでもいい。好きなように撮れば良い」である。日の丸でも三分割でも、もっと変わった構図でも良いのだ。

ただし、ちょっと週末の二・三日か、もしくは数か月単位で写真について考える期間をとって、きっちりと構図について考えてみる価値はある。その上で「構図など何でもいい」と言い切れたら、なによりだ。

上の結論と矛盾するようだが、自分はまだ「好きなように撮る」段階ではない。アレコレと構図について迷いながら撮っている。いつかは、構図のワナから脱したい。

──ん、構図のワナとは?

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蜷川実花の写真集『EROTIC TEACHERxxxYUCA』『girls’ holiday!』

蜷川実花

愛心形狀的草莓口味 / Ninagawa Mika strawberry candy (by bubustudio) (by bubustudio)

「日本人の写真家を 3 人挙げよ」と言われて即答できる人は少ない。よっぽどの写真好きでも、日本人に限定されると難しいだろう。

その中でも、蜷川実花の名前が上位に入るはずだ。

蜷川実花 – Wikipedia

──ただ、ニナガワ ミカという読み方を知っていれば、の話だが(自分もアブカワとかマキカワなどと読んでいた)。

名前(の読み方)を知らなくても、彼女が撮った写真を見た人は多いだろう。とくに、女性は蜷川実花の写真が好き人が多いと聞く。

蜷川さんの写真に対して、「Photoshop で彩度を極端に上げている」と推測する人が多い。本当だろうか?

──その人は、写真を見る目がないのだろう。かわいそうな事だ。ゴシュウショウサマ。

昔の自分は Photoshop でイジりまくった写真が好きだった。いまでは、もう飽きが来ている。写真本来の味わいを持った、銀塩写真のほうが好きだ。

今回、蜷川さんの写真集を 3 冊ほど見てみた。どこをどう見ても、銀塩プリントの味しか見えてこない。自分の好きな写真だ。

すこしは色調などを変えているかもしれないが、それは銀塩写真の時代から行なわれてきた事である。それに、単純な写真の補正だけでは、こんな色味は出せない。

──そんなことは、ちょっとでも写真や Photoshop を触っている人間には、すぐに分かるはずだが……。

そういった分析は専門家に任せるとして、写真集を紹介する。

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