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『四季 夏』

真賀田四季、13 歳の物語です。新たな出会いと別れ、誕生と喪失が描かれています。V シリーズから意外な人物が出てくるので、お楽しみに。そして、あの事件も……。

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四季 夏
森 博嗣
講談社 2006-11-16
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by G-Tools , 2007/06/18

軽い男

後ほど重要になると思われる博士が出てきます。彼は、四季に対してこんな軽口をたたくのです。

「お互いに得るものがあります」四季はじっと彼を見つめる。

「私には、何が得られるのかね?」彼はきいた。

「五年、お待ちになってください。私を信じて」

「君を信じなかったら、世の中は全くの暗黒だろう」

『四季 夏』 p.89

身内の人間以外で、四季に対してこんな口調で話す人間は初めてでは。単なる怖い物知らずなのか、それとも……。まぁ、四季はレクター博士と違って、無礼な人間に罰を与えたりはしませんが、やり取りを見ていて、ちょっとドキドキ。

四季の恐ろしさ

下記の会話で、改めて四季の恐ろしさを感じました。四季がある人物におぶってもらうシーンです。

「初めて」背中で四季が言った。

「おんぶが?」

「ええ」

「赤ちゃんのときに、してもらっていますよ」

「いいえ。一度も」

「覚えていないだけです」

「私は全部覚えています」

『四季 夏』 p.134

──恐ろしい、怖ろしい……。

このシーンの前後は、V シリーズファンならニヤニヤしっぱなしの場面の連続です。とくに、ある男の自己紹介は必見。しかし、そんな中でも四季の末恐ろしさを味わいました。

愛に生きる女

森ミステリィといえば「理系ミステリィ」と称されることが多いですが、じつは、「愛に生きる女」を描いた作品が多いです。本作でも、こんな会話が出てきます。

「彼とは、うまくいっている?」四季は突然話題を変えた。

(……)「ずっとうまくいっていないし、これからも、うまくいく要素はありません」

「それは残念ね」

「うまくいくかどうかなんて、愛情とは関係がないのです」

『四季 夏』 p.174

「彼」とは誰なのか? 四季の会話の相手は誰なのか? そして、その相手はこのあとどうなるのか?

いままでのシリーズ作品を読んできた人なら、きっと驚くはず。驚かない人は、早くから彼女の本質に気がついていたか、恋愛を知らないか、そのどちらでもないか、でしょう。

そして、「愛に生きる女」は他にも何人か出てきます。そして四季も……。

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