森 博嗣さんの『新しい諺』 / 文章の見た目を気にする話

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森 博嗣さんの『新しい諺』

今日の(と言っても日付は四日前なのが仕様)森博嗣さんのブログ記事が面白い。日記のほう じゃなくて、「国語」。

MORI LOG ACADEMY: 新しい諺

これを見て、一瞬でピンと来た。

行末が そろっている

「──何が?」という人のために、等角フォントで紹介。

二階で目薬 (二階で目薬を差しても牛にならない)
長いものは巻ける (比較的巻きやすいというだけ)
能ある鷹には爪がある (鷹にはたいてい爪がある)
蛙の子はオタマジャクシ (卵はまだ子ではないか)
雨降って地ぬかるむ (グラウンドに砂を撒いたり)
腐っても鯛 (賞味期限切れでも別の魚にならない)
帯は長いし襷は短い (帯とか襷とか知らないから)
二階でも目薬 (同時多発目薬か、という心配に)
長芋にはマカロン (食い合わせでは、と心配に)
能ある鷹は爪を噛む (臍を噛む、といいたいが)
蛙の子がさきか卵がさきか (特に面白くないね)
雨降って血固まる (血の雨が降ったのか、心配)
腐ったら鯛 (腐るまえはもっと凄かった、の意)
ルビは短かし漢字は長し (お化け漢字みたいな)

MORI LOG ACADEMY: 新しい諺

そう、ことわざの末尾がそろっている、ということです。

──で、だから どうした、と言われると、ちょっとツラいですが……。

段落の まとまりの見た目

こういう、「言葉遊び」というか「字面遊び」(意味が違うけど)、「行末合わせ」って、やってみると面白いですよ。けっこう、センスがいるし、「頭の体操」にも なります。

id:naoya 氏の話と、ちょっとだけ関連してるかも。してないかも。

文章を書くときに段落のまとまりの見た目を意識するかどうか – naoyaのはてなダイアリー

「行末合わせ」が好き

自分は、昔からこういった「行末合わせ」が好きで、よく mixi の日記でもネタ書いてました。

京極 夏彦さんの影響

二十台のころ、京極 夏彦さんの著作と出会ったのがきっかけですね。

ファンなら誰でも知っているとおり、彼の著作物は、『絡新婦の理(講談社ノベルス版・1996年11月5日・初版)』から ずっと、

全ての行が、次のページ・段に またがることが無い

というルールを通しています。

──初めて気付いたときは、驚きを通り越して、あきれました(笑)。以後、雑誌に載る場合でも、小説では上記のルールを徹底していますね。

昔、掲示板で……

ということで、そこから変に影響を受けて、当時 通っていた掲示板で、こんな書き込みをしていました。

ここから先、音声ブラウザで聞いている方はすみま  キーボードを買う金が惜しかった、という、アホな
せん。こんな感じで、講談社ノベルス風に「二十三  理由なんですが、それくらい買えば良かったのに。
文字・二段」なレイアウトを、無理矢理に再現して  なので、ちょっとした挨拶を書くだけでも、二、三
いました。しかも、当時はパソコンが家に無くて、  時間は軽くかかっていたという……。今だったら、
ドリームキャストのパッドで、入力していました。  エディタの機能で、いくらでも簡単に書けるけど。

──はぁはぁ、しんどい……(疲れた、の意味)。横スクロールバーが出た人も、ごめんなさい。

まぁ、当時の掲示板の管理人さん、キモかっただろうなぁ……。今では(数少ない)マイミクですが。

まとめ

文芸が好きな皆様(誰)も、内容だけではなく、文章の見た目で遊んで(競って)みて くだたい。