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『スパイダー』

スパイダー 少年は蜘蛛にキスをするスパイダー 少年は蜘蛛にキスをする 公式サイト

スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする - Wikipedia

スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする@映画の森てんこ森

これは、主人公が妄想とも現実とも付かない世界をさまよう映画です。

何しろ監督がデヴィッド・クローネンバーグなので、普通の展開になるはずがない。と思ってみていたら、その通りでした。

最後のほうでビックリさせる、サスペンス要素も高いです。

主人公を演じたレイフ・ファインズの演技が素晴らしく、それだけで一見の価値ありです。

レイフ・ファインズ - Wikipedia

華々しい経歴と恋愛遍歴の持ち主ですが(笑)、本作ではそれをまったく感じさせない、鬼気迫るといった演技です。

とにかく、「スッキリとわかりやすい映画」ではないので、そのつもりで──。

photo
スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする
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サスペンス界のありがち展開

サスペンスものといえば、

「最後に主人公が多重人格であることが明かされる」

という展開が多いです。

ある時期までは目新しかったけれど、いまとなっては

サスペンス界の「ボーイ・ミーツ・ガールもの(男女二人が出逢い、恋に落ちる展開)」

といってもいいくらい、ありがちなストーリィになってしまいました。

『サイコ』(あ、ネタバレ)の時代は衝撃的だったのですが、いまやろうとすると、

「主人公二人がハンサムな、一見バイオレンスアクションもの(ヒント: 石鹸)」

──な作品くらい、上手く演出する必要があります。「え !? これって多重人格ものだったのかよ!」みたいな。

小説だと、やはり自分は森博嗣作品を推しますね。──あ、でも作品名は挙げられないか。

──とここまでが、長い前置き。

どこまでが妄想?

『スパイダー』はというと、そんな生やさしいわかりやすいストーリィ展開なんて用意していません。

初めから、明らかに妄想の世界が出てくるのですが、最後の最後まで、

「どこまでが妄想でどこからが現実か」

がまったくといっていいほど、わからないのです。手がかりはいくつかあるのですが、見る側の想像力を要求されます。

観客がだいたいの目分量で「ここまでが妄想」と決めると、今度は「ではなぜ主人公がその行為を行ったのか」がわからない。

でも──そうそう、それ! そういう映画が(たまには)見たかった。

最近見た映画で「ああ、なるほど」と思うシーンがいくつかあったのですが──そもそも、映画って何かを「わかる」ために見てるんだっけ?

TV の情報番組みたいに、数十分から数時間を費やして「なるほど」を得る、という非効率さ。それを森博嗣さんは「とんでもなく低いボーレート」と称していて(『森博嗣のミステリィ工作室』 p.288)、至言だなぁ、と思った次第。

クローネンバーグ的

クローネンバーグ作品は、そういった

「こんなん出ましたけど的すっきりなるほど生産機」

とは無縁な、

「わからない発生装置」

と思ってみるのが心得、と思うがいかが?(問われても困る)

ああ、また『裸のランチ』が見たくなってきた……。

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