『パプリカ』
原作の小説版を読んでから、楽しみにしていたアニメ映画です。ちょっと前に見たのですが、感想を書くのが遅れました。
『パプリカ』 筒井康隆・著 女の美しさと男の幼稚さ : 亜細亜ノ蛾
まぁ、とてもじゃないけど、原作そのままを映像化するというのは無理、というのはツツイストならずともわかるはず。
ということで、この映画の見方は、
「『パーフェクト・ブルー』や『千年女優』の監督が、どんな『パプリカ』料理を見せてくれるか」
──ですね。監督の今敏氏も原作者の筒井康隆氏も、超重要人物の声優として出演しているのも見逃せません(聞き逃せません)。

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- 林原めぐみ 古谷徹 江守徹
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by G-Tools , 2007/09/18
悪夢のパレード
見どころはやはり、「悪夢のパレード」。登場人物の数人が共通して見る、いや、強制的に見せられる「夢」の映像が凄い。日本人形の不気味さ、気味の悪さがたっぷり味わえます。
ただ、小説だとひたすら無味乾燥とした世界だったのが、アニメだとコミカル寄りになっていますね。さすがに、小説のままを映像化したら──ものすごく恐かったかも。
パプリカと敦子
いきなりネタバレを書きます──というか、「パプリカ」の正体に気付かない人はいないと思って書きます。
この映画で一番面白かったシーンは、粉川がパプリカ = 敦子を助けるシーン。
夢の中で「パプリカの抜け殻」と「生身(裸)の千葉敦子」が倒れているのを見て──
粉川は、真っ先に「抜け殻」のほうに向かう
──というのを見て、おいおい、と画面に突っ込みました。実際の映像を見てもらえばわかるように、どう見ても助けに向かうべきは「生身」の方なのに……。
「いかほどー」というか、パプリカがいかに魅力的か、というのを端的に示したシーンでしたね。
裏話
体重をキログラムではなくトンで表記したほうがいいような、童心の天才、時田。彼を演じた古谷徹さんのエピソードが、じつに味わい深い!
title="パプリカ (アニメ映画): 裏話 - Wikipedia">声優の古谷徹が声のイメージに悩んでいた際、スタッフに「アムロのままでいいですか?」と尋ねたところ、快く了承された。
──ということで、実にアムロっぽい演技になっています。しかし、そこはプロ(中のプロ)の彼なので、時田っぽいモッタリとした演技が楽しいです。
さて、ここでお約束を書いておきますが──
この映画の目玉は、アムロ・レイと綾波レイの共演!
──なんのことやらわからない人は、たぶん、そのままの道を歩んだほうが幸せかと……。