『イーオン・フラックス』
『イーオン・フラックス』を見ました。劇場公開当時、TVCM が印象的だった作品です(美女が貞子走りするヤツね)。
未来の管理社会に立ち向かう、美しい女戦士が主人公の SF ──ど、どこかで聞いたことがあるような……(つ ミラ・ジョヴォヴィッチ主演 『ウルトラヴァイオレット』 : 亜細亜ノ蛾)。ということで見るのをためらったのですが、これは当たりでしたね(これは?)。

- イーオン・フラックス プレミアム・エディション
- シャーリーズ・セロン ピーター・チョン カリン・クサマ
- ジェネオン エンタテインメント 2006-09-27
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by G-Tools , 2007/07/16
『銃夢』に似てない?
ストレートの黒髪をスタイリッシュに分け、ピッタリとした黒のスーツを身にまとう、眼光の鋭い女戦士──。
──それなんて『銃夢』? とすぐに連想し、ははぁ、監督は『銃夢』フリークに違いない! と決めつけて証拠をネットで探した(人はそれをでっち上げという)のですが、意外と誰も言及していない。似てる、という意見すら少ない……。自分だけ? 地理に明るくない敵地で、ギミックをばらまくところ、似てない? あれー?
未来は和風
紫外線対策なのか、色とりどりの番傘を差す人が街を歩いています。敵のボス(と敢えて言おう)が住むのは和風な部屋だったり、桜の咲く庭が決戦地だったり、衣装もどことなく和風。大きな日の丸っぽい印も出てきます。
なるほど、日本の魂こそが、絶望寸前の人類の中で生き残ったのだな。と思いこみたくなるけど、どうやら監督の趣味ではないか、と。
監督のカリン・クサマが日系であるためか、障子や畳、番傘や桜など和風なアイテムを散らしてあり、バウハウス建築様式の町並みと合わせ、和洋折衷な不思議な雰囲気となっている。
やり直せる人生
ネタバレになるのであまり書きませんが、この映画はラストは、まぁよくあるタイプで、人類に希望を与える形で終わっています。
しかし、ふと思うのが──冒頭の、管理され、「あること」を禁じられた世界もまた、蠱惑的だな、と。何回も「やり直し」ができる人生というのも、また魅力。
「人生は一回きりだ」というのはただの前提であって、「だから頑張って生きなきゃ」とは繋がらない気もする。前からそう思っていた。
一回きりの人生を無駄に過ごす人もいれば、「七回目の人生」で理想を追い求める人もいる。この映画では後者の人生も描けている。それが良かった。
自分はあと 500 年は生きたい。これから何百年先、人類がどこまで行き着くのか、見てみたい。
──どうせ、まだアイだのコイだのにあーだこーだ振り回されているだろうし、庶民は「上の方の人」に不満たらたらだろうけど、そんなことより、500 年後の本やネットがどうなっているのかが見たい(笑)。まだ、ミステリィとか掲示板とか、あるのかな?
Google 様はあと 1000 年はあるだろうし(え?)、キャッシュも残っているだろう。2500 年の人、そっちはどうですか? 面白?