フリクションボール
消せるボールペン、フリクションボールと「パイロットのハイテック C コレトの替え芯を、ゼブラのクリップオンに移植」する話。まずはフリクションボールから。
いままでの消せるボールペンは、「消しゴムでインクをこすり取る」という、鉛筆と同じ発想。しかし、フリクションボールは、まったく違う。
「フリクションインキ」には消色温度が設定されているため、筆跡をボディ後部の専用ラバーで擦ることで生じる摩擦熱によりインキの色が無色に変わり、筆跡を消すことができます。
ということで、本体に普通の消しゴムのようなものがついてきますが、それは摩擦熱を起こすため。「消しゴムで消す」のと似た感覚で色が消えるので、違和感なく消すことができます。
色々な方法で消す
温度が上がれば消える。だったら摩擦熱以外でも消えるのではないか──。そう思って実験を行った人がいます。
豆腐の角: 摩擦熱で消えるボールペンを摩擦以外の熱で消してみる(前編)
豆腐の角: 摩擦熱で消えるボールペンを摩擦以外の熱で消してみる(後編)
これは面白いですね! 実験のためとはいえ、付箋紙を「レンジでチン」したり、フライパンで炒めるなんて、ここ以外では見られません。
それに、最後に冷凍庫で冷やす実験は必見。なんと、消えた文字が復活しています。
使いにくい点
自分は昔から「本を汚しながら読む」のが苦手。本に線を引いたり、書き込みをしたりするのができない。「あとで○ックオフに売る」わけでもないけれど、「誰かに貸したくなったらどうしよう」などと考えたり。そもそも、どこか「神聖な本を汚すなんて」という感覚があるような。
そこで、重要な部分や引用したい文章は、「ちびポストイット」で印を付けています。
それでも、本を読んでいるときに思いついたことをメモしたい、というときは「付箋紙をページに貼ってそこに書き込み」をしています。まぁ、面倒といえば面倒で、読み返すときに邪魔です。
フリクションボールなら後から消せるし、手軽に本に書き込みができるのではないか、と思って試しました。しかし、重大な問題があって、使えないことがわかりました。
フリクションボールの水性インクは、他のペンと比べて水気が多い。そのため、文庫本などの薄い紙に書き込むと、シワになってしまうのです。ちょっと水に濡らしたように。そうすると、せっかくインクの色が消えても、紙は波打ったまま。「後から消せる」というメリットは、無いに等しい。だったら、普通のボールペンで書き込むのと同じ、という──。
消せることのメリットは?
自分は、何年も前からシャープペンシルや鉛筆は全く使わなくなりました。まず、仕事以外で紙にものを書くということ自体がないし、「消せないと困る」こともない。逆に、アイデアメモなど、「消えたら困る」ことの方が多いです。
ようするに、「後から消せるペン」自体、あまり自分にとってメリットが無い。でも、書いた痕跡がまったく消えるペンが出たら、本の書き込みに欲しいですね。
ということで、フリクションボールは二代・三代先が楽しみのペンです。このペンが売れれば、今後も開発が続くかもしれないので、先行投資としていかがでしょうか?
クリップオン・ミーツ・コレト
ゼブラ クリップオン
自分が愛用しているペンは、ゼブラのクリップ-オン G 4C。四色のボールペンを、「三色ボールペン」感覚で使っています(ref.: 三色ボールペン情報活用術))。
このペンの替え芯は、ゼブラの「SK-0.7」。品切れの時に、他のメーカの替え芯を店員に勧められました。値段も同じくらいで、書き味も特に変わりません。規格がほとんど同じなんでしょうね。
パイロット ハイテック C コレト
さて、その替え芯を、まったく違うペンから持ってきた人がいます。
パイロットのハイテック C コレトという、自分でボディと芯を選べるボールペンがあります。そのコレトの芯だけをクリップオンに移植するという裏技。下記ページに写真入りの解説があります。
ハイテック C の 0.3mm は、何本も先をつぶした思い出があります。それから 5 年ほど経っているので品質が変わったかもしれませんが、コレトの中でも一番太い、0.5mm を使いました。
──これはいい!
細書きが自慢の ハイテック C といえど、0.5mm ともなると、普通の 0.7mm ボールペンと線の太さは変わらない。しかし、シャビシャビした書き味が心地よい。普通の油性ボールペンによくある、かすれた感じが全くないのが良いです。
今回買った、「ブルーブラック」という色が渋くていい感じです。ケチって一色だけ交換しましたが、四色とも替えようかな。
2007-07-30T16:00:17+09:00 追記
──とかなりお気に入りのコレト芯ですが、10 日ほど使ってみると、もうインク切れ間近! 仕事で筆記する機会が多い場合、二週間ほどしか持たないようです。
書き味は素晴らしくいいけど燃費が悪い、スポーツカーのような芯ですね……。
「書く」が「(キーを)打つ」に変わっていく時代。「街の文房具屋さん」も少なくなりました。しかし、いつでも文房具には惹かれるものがあります。これからどんな文房具が登場するか、楽しみです。
(いま一番欲しいのは、「書いたら検索できるペン」。どうですか?>Google 様)(どうやってだよ)