『バクマン。』 164 ページ 「決定と歓喜」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 09 号)
やわらかい雪のようなカラー扉でした。ここのところ影の薄かった亜豆美保が、中央に大きく描かれています。「ああ そう言えば、こんな顔をしていたよなぁ」──とまでは思わなかったけれど、昨年の初雪を思い出すような懐かしさ。
アニメやゲームなどのメディアから入った人は、「ヒロイン: 亜豆」の存在が大きいはずです。まさか原作のマンガで、これほど彼女の出番がすくないとは、想像できなかったのでは?
各キャラクタがポップな絵柄で浮かんでいて楽しい。亜城木夢叶の 2 人と蒼樹紅は、いつものように仕事中です。表紙ぐらいコタツで くつろいだらいいのに。
机に向かわず遊ぶ平丸一也──は いつものこととして、なぜかラッコではなくパンダの ぬいぐるみを手にしています。蒼樹紅のイメージなのでしょうか。
福田真太は便座に座っている。これは ひどい! 「考える人」みたいなポーズだから、彼の作品にはトイレから生まれたアイデアが多いのかもしれませんね。それは それとして、亜豆の のど元にいるから、彼女に食べられたみたい。
夏にアニメ化
冬だけに(?)「ホットなパンツ」をはいているカヤは、オシャレで可愛らしい! いつものジャージよりも気合いが入っていますね。
今回のカラーでも「お掃除お姉さん」としてカヤは描かれていました。準ヒロインにしては扱いが ひどい! ここ数年は、実質的にカヤがヒロインと言っても良いくらいなのに……。
ところが見方を変えると、いつも大好きな だんな様の近くで役に立てるし、仲良しの男友だちもいる。カヤが望んだとおりの環境でしょうね。
その上、サイコーとシュージンから「超可愛い
」とも言ってもらえました。もちろん本心から絞り出した言葉ではないけれど、それでもカヤは うれしかったに違いない。普段から もっといっぱい ほめてあげて!
女性には、「かわいい」の言葉がビタミンです。
若い男が 2 人して鼻の下を伸ばしているのに、女性関係を疑われない。信頼されていますね。「ジャンプ」の編集者と話した直後だから、「女性と お酒を飲むところ」関連だと人類の 98 割は決めつけるはず。
枠を取られるくらいなら
「ジャンプ」作品のアニメ枠は 1 つしか空いていない。それが根本的な問題だけれど、そうそう簡単には番組の枠は作れない──らしいですね。
よっぽど気になるアニメしか見ない上に、テレビ自体も見ていないため、「どうせ くッだらない食べ物・旅情報・■国ステマ番組ばかりだから、1 枠くらい削ったら?」とか思ってしまいました──とか言う人がいそう(いつもの責任転嫁)。
他人の弱味を見つけた時には、すぐに食らいついてくる港浦です。すっかり この役が定着してきました。港浦が仕事をしている場面は減る一方なのに、編集部での発言は増えている。
岩瀬は どうしているのだろう?
「岩瀬を一番理解しているのはシュージン」だとカヤも蒼樹も公認している仲(「140 ページ」)なので、「あけまして おめでとうメール」くらいは出しても許されそうです。
バクマン。 #140-3 「限界と火の鳥」 セルフとインターホン | 亜細亜ノ蛾
ただ今年は亜城木 3 人組で すごしていたから、シュージンも岩瀬にメールを出すなんて考えつかなかった気がします。もしも「いま 3 人で温泉に来ているなう」なんて岩瀬に教えていたら、「(……どんな状況!?)」と悶々しそう。
亜城木くん ファンでもある
新妻エイジが『ZOMBIE☆GUN』のアニメに力を入れた理由は、亜城木とのコミックスの売り上げ競争を考えてのことだった。サイコーにライバル心むき出しの彼としては当然の行動のようでいて、ちょっと対抗心の角度が普段とは違う。
そう、エイジの実力ですら、アニメ化の効果を警戒しているのです。『CROW』の時もアニメになって さらに人気が上がったため、その威力が身にしみている。このあたりの思考は、エイジにしては俗物っぽくて面白かった。
しかし、「アニメに原作が追いついてしまう」→「じゃあアニメ用のオリジナルの 話
を自分で書けばいい」という発想は、さすがエイジらしい。たとえ考えついても、彼にしか実行できません。
原作を忠実に
「原作をよりアニメ用に ふくらませたら 原作より面白い アニメになる
」とエイジは考えている。これは とても興味深い話です。
世界一のマンガを作りだそう──という出発点から『ZOMBIE』は生まれました。その目標は「打倒 亜城木夢叶」へと移り変わったけれど、それでも目的意識の高さは同じはず。
それなのに、アニメのスタッフが手がけることで、自分の描いたマンガよりも面白くなる──とエイジは言っているのです。おそらく謙遜ではなく、冷静な分析から答えを導いている。
「自分の作品が一番」という自尊心よりも、「マンガやアニメが好き」という気持ちのほうが、エイジのなかでは大きいのでしょうね。良い意味で、自分自身よりも作品を高みに置いている
もちろん、アニメ用のネームもエイジの手で描いてしまうことが最良です。思い立ったら すぐ形にするところが素晴らしい!
まだアニメ化しないと
「アニメのほうが原作を上回る出来
になる」と雄二郎も言っています。基本的に「原作派」な自分は すこし悲しい展開でした。
ただし この場面は、『ZOMBIE』のアニメ化をプッシュするプレゼンです。「このネームよりも原作マンガのほうが最高です!(キリッ」なんて言っても仕方がない。
お酒の CM で「キッチン・ドランカに おすすめ!」と宣伝するようなものです。いわば「自分でネガティブ・キャンペーン」になる。
お酒CMが「女の1人酒」だらけなのにはちょっと怖い理由があった – NAVER まとめ
個人的には、以前から お酒の CM を流していること自体が疑問ですけどね。飲酒も免許制にしたら良いと思う。