『バクマン。』 104 ページ 「ステップとウォッチ」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 45 号)
(あまりハッピィではないウェンズデイ──)
白鳥のことを女の子みてーに カワイイ
と言う男性が、作中に登場しました。
ネットを見ていてよく思う。こういう場面で「アッー!」と脊髄反射で書き込んだり言ったりする人は──、そろそろ面白くない。アナタたちは、いつまで同じことを言っているのですか。
たとえるならば、タモリさんをテレビで見て「サングラス!」と言ったり、井上陽水さんの話題で「サングラス!」と書き込んだり、サンプラザ中野くんさんを見て「芸名(も頭も)、すべってますよー!」と声をかけたりするようなものです。キミに言われなくても、誰でも分かる。
などと書きながら、死語をちりばめる俺ガイル。
今夜 どうしよう
当てもなく家を飛び出した白鳥のもとへ、ピースが走ってくる! まるでマンガのようなシーンです。ピースには、人の心が読めるのかもしれませんね。
しかし、ピースは首輪もしていないし、完全に室内で飼っているはず。ここでピースが来るのは、不自然です。弟のことを思ってか、ピースがほえるからか、姉が放したのかもしれませんね。
あるいは、ピースの中身は中ナントカさんとか──。
冷たいながらも大きな支え──家族と家を失った白鳥に、心強い味方ができた場面です。ところが、じつは悲劇への下ごしらえとは、この時点では読み切れなかった……。
おまえは 本当に 利口だな
白鳥の寂しさは癒えたけれど、ピースがいたら 電車にも タクシーにも 乗れない
。さらには、仕事場にも 入れられない
……。これは切実な問題です。
もちろん、ピースには何も分からない。
この時点で、白鳥は家まで戻り、ピースだけでも置いてくれば良かったですね。ピースのことを思うなら、自分の夢を追う気なら、そうするべきだった。
よし ネーム OK だ
ものすごく真面目な仕事の話をしているし、シビアな状況なのですが──、5 日間は 俺の手から 離れない
というサイコーの言い方が、なんだかオサレで笑える。中二病のスメルがプンプンするぜェー!(そうでもない?)
サイコーはそのうち、「そんな時間の配分で大丈夫か?」と聞くシュージンに対して「大丈夫だ、問題ない」と返したり、「神は言っている──、ここで下描きをするべきだと」などと言い出しそう。
大丈夫だ、問題ないとは (ダイジョウブダモンダイナイとは) – ニコニコ大百科
『バクマン。』には「急がば回れ」の場面が多い。作者から読者へ向けたメッセージでもあるのでしょう。今回のサイコーも、「ひたすら描いて作画のスピードを上げる」という正攻法です。結局は、それが一番早い。
あっ ここで いいです
親切な運転手のおかげで、白鳥とピースは仕事場の近くまで無事に来られました。世間知らずな白鳥に対して、忠告までしてくれている。
上ではああやって書きましたが、このページはもう一つ「アッー!」な点があります。「こんな遅くまで仕事場の電気が点いているのは もしかして 2 人は ……」と白鳥が思ったりして。
行くぞ ピース
けっきょく、白鳥は仕事場に入らない。
ここでも白鳥の「世間知らず」さが出ていますね。自分を頼ってくる人を迷惑だと思うはずがない(と信じたい)。むしろ、頼ってくれたほうが、うれしかったりします。亜城木の 2 人は白鳥に期待しているし、喜んで迎え入れるでしょう。
ただ、ピースがいることが問題になりそうです。仕事場で──というか、このマンションでペットが飼えるかどうか。せっかく追いかけてきてくれたピースが、白鳥の足を引っ張る。
──皮肉なものですね……。