バクマン。 #115-4 「記念撮影と教室」 第 1 ゲームと第 1 脱落者

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『バクマン。』 115 ページ 「記念撮影と教室」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 05・06 合併号)

In Soviet Russia games play you!
(現実世界でやるゲームと言っても──こうじゃない)

今週号の「ジャンプ」に載っている「アウトーー !!」第 2 段を紹介します。

なんと、今週号には「乳■券」が発券されている!

コミックス(『保健室の死神』とか……)ならまだしも、「ジャンプ」本誌で■首が載っているなんて、何年ぶりでしょうか?


さて、某・首都の条例をも恐れぬビー■クまるだしっマンガとは──、『こち亀』です。

──あ、うん、もうガッカリしていますよね。ご想像のとおり、「使える」お色気な場面ではありません(p. 188・左下)。

ホント、スンマセンしたっっ!

本当に 閉じ込められ ちゃったの?

『シンジツの教室』は、最初の 3 ページで「絶望的な状況です」と学生たちに分からせる描き方が、プロ並みに上手です。ここをダラダラと描いていたら、緊張感がなくなる。作者がシロウトだとは、ちょっと信じられない。

この作品は本当に、「プロの犯行」なのでは?

「じつは○○先生が偽名で投稿していた」というオチも面白いと思います。──が、よく考えたら『+NATURAL』のときに新妻エイジがやっていましたね。

それに、大場つぐみ先生も……?


ところで、こういった投稿作を審査する際には、「原稿そのまま」を持ち帰るのが通例なのでしょうか? コピーでは出ないはずの、原稿の線が見えますよね。

なくしたら大ごとだし、編集部から持ち出す際にはコピーを取るべきだと思いました。

(たぶん、今回は臨場感を出すために原稿を亜城木に持たせただけで、実際にはコピーを渡すのだろう。そう信じたい……)

あることって 何だよ !?

紳士的・事務的な態度でありながら、むちゃなことを言う「カミ」の態度が面白い。こういうキャラクタは好きです。『バトル・ロワイアル』のキタノ(先生)を思わせるような、「静かに狂っている」感じ。

「カミ」の言葉を聞く限りでは、本当に『バトル・ロワイアル』のような自分 1 人が生き残ることを目指す「ゲーム」のようです。言いかえれば、形を変えた「殺し合い」になる。

これはたしかに、少年マンガ雑誌には掲載できない。

似たような設定でありながら、死ぬのではなく「学校に取り残される」だけだったり、「全員で脱出できる」可能性もあるため、『【エニグマ】』は「ジャンプ」で連載ができている。このあたりが、「ジャンプ」の──少年マンガの限界でしょう。

その限界を超えてしまっても、マンガは面白ければ 連載される──のだろうか?

残り 37 名

まっ先に消えた教師を、死亡したと「カミ」は伝えています。この点が「アウトーー !!」ですね。「中村先生 消失」だったら、何とかなりそうな気がする。


いかにもガリ勉くんみたいな人物が、消される原因を分析しています。ここも分かりやすくて素晴らしい!連載の 1 話目や読み切りのマンガは、最初の数ページが命です。ここがダルかったら、読む気がしない。

『シンジツ』の作者は、基本がしっかりとしている。どう見ても、相当にマンガを描き慣れているとしか思えません。どんな人が描いているんだろう……?

そんな事 あり得るか ……

「言ってはいけないこと」をルールにして戦う展開は、『幽☆遊☆白書』の「禁句(タブー)」戦を思い出します。あれもすごい! あの時は暴力を禁止されていたのに、いつ魂を奪われるか分からない緊張感がありました。

『シンジツ』のほうも、これから次々に「限定条件」が出てくるのでしょうね。なにしろ、この教室でやっていることは、まだ第 1(ファースト)ゲームなのです……。

ヤベェ、メチャメチャ面白そう!


自分は、皮肉がピリッと効きすぎていて感涙したくなるような、スシのワサビみたいなオチが好きです。あとは、ミステリィ読みなので、「どんでん返し」も大好物ですね!

たとえば、『SAW』の「どうすればアダムは脱出できたのか?」と最後に分かる場面や、『セブン』で犯人の計画が「理解できてしまう」どうしようもない終わり方は、ずっと心に残っている。

『シンジツの教室』も『エニグマ』も、どうやって物語を締めくくるかが重要です(それはどの作品でも同じだけれど)。

オチで失速しなければいいけれど……。

『シンジツ』と『エニグマ』は、通常では実現ができない現象──窓が 割れないという時点で、「じつはタチの悪いイタズラだった」というオチはない、と保証されています。個人的には、こういうふざけたまとめ方を、大まじめに描のも面白いと思う。


シュージンは進みたい道──邪道の心理バトルを描く方向性が見えてきたようです。服部が予想したとおりに、相当な刺激になりました。

──しかし、重要なことを忘れてはいけません。

亜城木夢叶が次に描く作品は、「アニメになることを想定したマンガ」です。『シンジツの教室』のようなマンガは、すくなくとも通常の時間帯ではアニメにできないでしょう。

アニメにも向いていて、心理戦を楽しめる邪道なマンガとは──、どんな作品でしょうかね? そんな作品を思いついたら、大場つぐみさんの次回作にしたほうが良い気もする……。