『バクマン。』 127 ページ 「熱血と完敗」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 18 号)
作家の七峰・担当の小杉・アシスタントの中井の 3 人(NKN トリオ?)は、それぞれダメなところがあります。
- 七峰: すぐウソをつく
- 小杉: すぐ眠る(?)
- 中井: すぐ惚れる(??)
三人寄れば もんじゅの事故(不謹慎!)──じゃなくて、3 人で お互いのダメなところを補い合って、ずっと成長を続けて欲しかった。
でも、中井には、もう復活の機会はないだろうな……。
ここから奇跡の V 字回復をはたして、「吹雪の夜」を越える感動を中井巧朗が巻き起こしたら、神すぎる。
とことん合わない
小杉が、ここまで真剣に七峰透と向き合っている理由は、担当者だから──。これは、言いかえれば「仕事だから」となります。身も蓋もないというか、もうすこし「それっぽい」理由付けが欲しかったですね。
「こんなにも小杉はマンガに情熱を燃やしている」という場面があれば、もっと彼に感情移入ができました。彼の活躍が足りない。きっと、この古いタイプの編集者が くわしく描かれるのは、これからでしょうね。
月曜くらいまで
小杉は、熱血漢だが どこか抜けている──。昔ながらのマンガに出てくる主人公タイプです。七峰は七峰で、原稿が上がるまで編集者に監禁されるという「主婦向けドラマに出てくる典型的な作家」みたい。
──これ、2011 年の「ジャンプ」に載っているマンガだよな……。見た目はスタイリッシュだけれど、中身は伝統芸能のような性格付けが面白い。
帰るとするか
親身になってくれる小杉の言葉と、昔のイヤな思い出とが、七峰の頭の中を駆けめぐる──。自分の担当者を信じようとしたのは、この時が初めてでしょう。
この場面も王道な展開ですね。フラッシュバックも改心も使い古された手法だけれど、それだけに七峰の気持ちが分かりやすい。ベタとハサミは使いようです(?)。
どうせなら、「チコク チコク~!」なパンくわえ少女と小杉が、曲がり角で ぶつかったら良かったのに。そして彼女は、「ジャンプ」編集長へ上り詰めるほどの、天才編集者の卵なのだった──(それはそれで斬新だな)。
うるさいな
この場面で起こったことだけを見れば、七峰がすべて一人でネームを仕上げて、小杉は寝ていただけ──と言えます。「小杉は何やっとんねん!」と言いたくなる。
でも、七峰のやる気を刺激したのは、間違いなく小杉の情熱です。それだけは評価したい。寝ていたけれど(しつこいな)。
感動的な 2 人の交流──もなく七峰は帰ってしまったが、入り口のカギは どうするのだろう? まだ中井が住んでいて、彼がカギを閉めたのでしょうか。──そのやり取りを想像すると、気まずさに苦笑してしまう。
堂々としてればいい
見える……、長い間この作品に慣れ親しんできたワタクシには、ハッキリと見えるぞ……! 吉田編集と蒼樹紅の、「夜のお茶会」に快楽を求める姿が……!(何でも「夜の」をつければいいと思っている中二脳)
「東京都内では とくに取り扱い厳禁な薄い本」のネタは、これで決まりだ!
いとしの蒼樹に向かって、あんたら 夫婦か…
とツッコミを入れている平丸に驚きました。カレシ気取りか!
十分に予測できたとおり、「ねずみ算式」(ネズミについたノミが増えていく計算?)に平丸は図々しくなっていくでしょうね。このまま彼を放っておいたら、結婚式の当日には すでに銀婚式を迎えたくらいの仲になりそう。
岩瀬は、あいかわらず芯がブレません。いまだにシュージンとの勝負をこだわっている。恋愛マンガの読み切りで争ったのは、もう何万光年(?)も昔のような気がしますケド。
いや、もしかしたら、勝負とは関係なく、岩瀬はラブストーリィを描きたいのかもしれませんね。そう言えば、小説でも恋愛のことを書いていました。彼女の得意分野は、本来は少年マンガから かけ離れています。原点回帰の時期かもしれません。
さらに妄想すると──、岩瀬が勝負に負けたのは「恋愛の経験がないから」と思いこみ(みんな似たようなものだけれど)、「あなた 私と つき合いなさい!」などと港浦にせまったりして。──夏の「薄い本」は、これで(省略)!
「便りのないのは良い便り」という法則が、『バクマン。』では当てはまることが多い。しばらく出番のなかった福田は、『ロードレーサー GIRI』のアニメ化が決まって うれしそうです。
そして、われらが高浜昇陽も──。