バクマン。 #127-2 「熱血と完敗」 傷害罪と持論

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『バクマン。』 127 ページ 「熱血と完敗」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 18 号)

AT-PD imperial assault droid
(傷害罪で訴えてやる!──では済まなさそう)

この作品には珍しいバイオレンスが出てきました! 暴力シーンは、福田が中井を殴って以来ですね。七峰・中井の「NN コンビ」は、2 人そろって殴られ役か……(もうコンビは解消したケド)。

小杉の右ストレートは完全に殴り抜けているのに、七峰が受けたダメージは妙に少なかった。これは、小杉の攻撃力が低すぎる──のではなく、七峰のツラの皮が厚すぎるからでしょう。化けの皮やら猫やら、何枚も何枚もかぶっている。

石沢や中井を殴ったのは、読者をスカッとさせる意味を込めた描写だったと思います。今回の七峰は──、どうだろう? 一般的な読者は、「良くやった!(メシウマッ」と思うのでしょうかね……。

ここで諦めるのか !?

やはり、小杉は七峰が大嫌いだった。──当たり前ですよね。これまでの展開で、小杉が七峰に好意を抱く理由は何一つありません。あるとしたら、マンガ家としての才能に対してだけでしょうね。人間としては好きになれない。

面と向かって嫌いだと言われた経験は、これまでの七峰には なかったと思います。初登場時の七峰が見せた「仮面」は、一朝一夕ではできない。しっかりと板についていました。かなり以前から、人前では「良い子」だったに違いない。

──そう考えると、亜城木夢叶に宛てた七峰のファンレターも、本心は半分くらいだったのかな……。「普段はウソばかりついているけれど、手紙の時だけは本音が出る」とは思えない。


暴力を振るわれて やり返すでもなく、すぐに訴えると言うのは、現代的と言える(あるいは欧米風?)。ひと昔前のマンガなら、「やられたらやり返せ! この腰抜け!」と叫ぶところでしょうが──、

「目には目を歯には歯を」は野蛮な考え方です。

上の言葉は、異国の(しかも古代の)法が出典──と言われている。それなのに、当然という顔をして この日本で持ち出す人を見かけると、その人の常識を疑う。自分は「差別主義者」なので、そういう人は同じ「日本人」とは思いません。

参考: ハンムラビ法典 – Wikipedia

あんたも 解雇だ

小杉編集を訴える理由は、また売名行為なのかと思いました。自分を売るためなら何でもする──というのであれば、根性があるな、と。

理不尽な編集者や出版社を訴えることで、これからの出版業界をより良くしていこう──という心意気なら良いけれど、ただたんに注目を浴びるためだったら、褒められたものではないですよね。

──現実世界には、そんなマンガ家は、い(省略)。

ネットのネタに されるのは

小杉の心境が分からない。言っていることがメチャクチャで、破滅願望があるのかと思いました。小杉は意外と、「キレやすい若者」だったのか。

「悪役」であるはずの七峰のほうが冷静で、読者としては どちらの味方になったら良いのか迷います。

自分で思いついたのは

ここで語られた「『シンジツの教室』誕生秘話」だけを聞くと、七峰はマンガ家に向いていないように思ってしまう。ただ、彼の絵を描く能力だけは本物です。

つまり七峰は、作画担当者になるべきでは?

──と、第三者だから かんたんに言えるけれど、自分と合う原作者と巡りあえなければ、けっきょくは大成できません。白鳥みたいに(都合良く)原作も書けるようになれば、理想的なんですけどね。


編集者としての、小杉の能力が今ひとつ分かりません。だから、「2 人で協力してやっていくべきだ!」と応援しにくい。いまのところ彼は、「じつは熱い男だ」程度の印象です。

「小杉には、マンガを見るたしかな目がある」という描写が、以前から出てきたら良かったですね。結果見てから 偉そうに言うけれど……。

傷害に監禁

このゴージャスなマンションは「仕事場」だから、七峰はいつも自宅に帰っていたのか。ここに暮らしているのかと勘違いしていました。


小杉が挙げている、次の 3 要素を持った少年マンガは、どれくらい あるのだろうか……。

  • 熱血
  • 泥臭さ
  • 汗臭さ

いや、現在の「ジャンプ」で人気のマンガたちも、男臭い描写は けっこうありますけどね。かなりデオドラントたっぷりだから、気付きにくいだけです。「フ」がつく女子が好きな演出も、世間で言われているほど多くないと思う。

コメント

  1. 永空 より:

    既にご存知かもしれませんが、「シンジツの教室」の元となったと思われる作品を発見しました!
    「王様ゲーム」という作品で、元は携帯小説らしいですが私は今日漫画のほうを見つけて読んでみて、
    非常によく似てると思いました。
    話だけではなくて、登場人物紹介の書き方なんかはバグマンのそれにそっくりで、
    こちらは、王様ゲームの方がバグマンを真似たような気がします。
    ひょっとしたらお互いに何らかのやり取りがあったりするかもしれませんね。

  2. asiamoth より:

    その作品のことは知りませんでしたー!
    ざっくり調べてみると、その類似は有名みたいですね。
    『ラッコ 11 号』みたいに、
    作者同士が同意の上で制作を進めた──だったり?
    シンジツは闇の中ですね。