バクマン。 #137-1 「巻頭カラーとセンターカラー」 悲観と成功の証

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『バクマン。』 137 ページ 「巻頭カラーとセンターカラー」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 29 号)

Abracadabra!
(成功か失敗か──まだ分からない)

平丸一也は、せっかく絵が上手になったのに、アンケートの順位には結び付きませんでした。たしかに、マンガの絵柄が急に変わったら、読者も戸惑うだけでしょう。

たとえば、下のような作品は、応援しにくい。

変わらずか …………

亜城木夢叶も福田も高浜も、じわじわと票を伸ばしています。「みんなで協力して新妻エイジを倒すぞ!」という感じが、少年マンガらしくて良い!

──と思ったけれど、よく考えたら、「福田組」の全員で票を取り合っていることになります。仲良く協力し合っているようでいて、真剣に競い合っている。彼らの関係は、ずっと変わらないでしょうね。

結果だけを見れば、亜城木・福田・高浜の 3 組が合計して 60 票近く稼いだのに、エイジは 30 票くらいしか落としていない。どこまでも王者の風格です。新妻エイジの実力を、亜城木夢叶も読者も、あらためて思い知らされました。

そんな面白いマンガを、現実世界の「ジャンプ」でも読んでみたい! この夏に帰ってくる(予定の)『HUNTER×HUNTER』が、それくらいの破壊力だったら──、それはとっても嬉しいなって、思ってしまうのでした。

シュージンは、「福田組」の全員で頑張っているから、少し人頼みな ところもあると言っている。しかし、そもそもアンケートの結果は、(気まぐれな)読者が頼りですよね。そこを考えても仕方がありません。

それは 間違いない

1 位を獲れば それが 1 番面白い マンガ──というサイコーの意見には、異論が多そうです。自分も、人気が上位の作品には、いくつか疑問がある。しかし、「ジャンプ」のマンガ家がそれを否定していたら、何も始まりません。

ただ、「面白い」とは何か、読者の 1 人として一度はじっくりと考えたほうが、より作品を楽しめる。「売れている作品(のみ)を評価する」という傾向が最近は強いけれど、自分の目で見て評価をするべきです。


『正義の三肩』が、『CROW』を抜く作品の候補として、編集部で一番人気になっている! ついに高浜の時代が来ました! 「高浜昇陽を O☆U☆E☆N する集い」会員としては、喜ばしい限りです。

亜城木コンビは、その結果を聞いて、ハトがマスケット(銃)を食らったような顔をしている。これまでも『三肩』は『PCP』のすぐ下の順位だったのに、この 2 人は まるで意識していなかった。だから、不意を突かれたのです。

師弟愛なんて、彼らには──ないのか……。

いけますよ 港浦さん…

あせらず物静かな高浜に、威厳を感じました。おだやかな表情だけれど、心は燃えている。だんだんと物語を盛り上げていき、巻頭カラーの回に劇的な展開を合わせる──という計算に自信があるからですね。

──担当者の港浦が、そんな状況を把握していないのは、けっこうマズいんですけどね……(いつものこと)。彼のカラ元気を見ていると、高浜は「あきれ顔」をしているように思える(いつm)。


『僕には通じない』は、意外にも順位が下がりましたね! 平丸には、画力なんて必要なかったのか?

気持ちがネガティブになると、アイデアがわき出してくる──という平丸の特殊能力も、今回ばかりは発動していません。今回だけならギャグで済むけれど、とっくにその才能が なくなっていたら──。

ただ、それならそれで、絵を上達するのも話を考えるのも、才能ではなく努力で成し遂げる──となればいい。その時こそ、マンガ家としての平丸一也の人生が始まる──かも。

今のところ、中井巧朗だけが得をしているような……。

来週は 更に面白い

「カラーの回には票が集まる」ということが、常識的な法則として今回は何度も出てきます。とくに、センタ・カラーよりも巻頭カラーが良いらしい。

しかし、自分には、巻頭ページは うれしくありません。なぜなら、ページがめくりにくい。広告やプレゼントにまぎれて、マンガのカラー・ページを読み落とすこともあります。

──これって私だけでしょうか?【知恵袋】


『ロードレーサー GIRI』は、アニメの効果も期待できる上に巻頭カラーで、かなりの票を集めそうです。そのわりには、『三肩』の次という評価でした。ここから推測できるように、よっぽど今回の『三肩』が面白いのでしょうね。

「ジャンプ」でレース物が載った最後は、いつだっただろう……? いくら記憶をたどっても、思い出せません。『バクマン。』の中で名前が出て来た『よろしくメカドック』を覚えているくらい。「面白いバイク・マンガ」は、作者の願いなのかも。

えっ 変わらず?

福田真太は、新キャラと ニューマシンの 効果なしという結果を聞いても、いたって冷静です。雄二郎との打合せではノリノリだっただけに、ショックを受けそうなのですが……。まぁ、3 位は悔しがる順位ではないか。

この場面で福田の態度が変わらなかったのは、まだ勝負をする週ではなかったからです。本番は、1 か月後に取ってある。──気の長い話ですよねぇ、いつも思うけれど……。

週刊連載マンガのカラー・イラストに 1 か月も時間をかけるのは、あまり例を見ないでしょう。それだけ気合いを入れて取り組めば、アンケートにも生きてくる──と言いたいところですが、逆効果なのでは?

福田のマンガは、勢いで読者を巻き込むタイプです。荒々しい絵柄にも それが表われている。多くの時間を費やしたせいで、せっかくの勢いが死んでしまいそうです。それとも、油絵でも描くつもりだったりして。

その前に、福田はカラーが苦手そうだよなぁ……。

コメント

  1. 具米 より:

    ブログは先月から拝見させて頂いていますが、初めてコメントさせていただきます。
    コミックをもう一度じっくり読み返しているような内容で楽しいです。
    (昔アイシールド21の花梨へのツッコミ関係で来たことがあるような・・・)
    バクマンを読み始めたのは今年に入ってからなんですが(連載で言うと
    vs七峰あたりから)、メジャータイトルを敬遠する天邪鬼な自分も
    「スルーしてて損した!」と思える面白さです。
    >高浜プッシュ
    自分も初登場の時点では頭でっかちの理論倒れキャラを決め付けていましたw
    しかし、亜城木コンビをリスペクトしながらも同ジャンルでの師匠越えを
    熱く語る彼はまさに「漫画の主人公」の顔をしてますね。
    横で驚く港浦がマスコットキャラみたいになってます。
    カラーページは自分も苦心しています。前回のストーリーを思い出し、
    扉絵でテンションを上げてから読みに入る自分は、下手に数枚めくって
    先のページを読んでしまうと凹みます。
    それぞれの手法や計算で打倒『CROW』を目指す福田組ですが、それぞれの
    漫画家のエピソードで連載一回分ある密度だよなー、と思いました。
    (カルピスを限界まで薄めたと言われる某漫画は関係ありません)
    そうそう。一番驚いたことは、asiamothさんと住所が近い(同市)ことでした。
    コンビニでいつも読んでるんでどこかですれ違ってるかもw

  2. asiamoth より:

    こんばんは!
    最近の高浜は、本当に主人公っぽいですよね。
    これだけ印象が変わった人物は、他には いません。
    ただ、ちょっと「師匠越え」のタイミングが早すぎる気もします。
    もうすこし高浜が成長してから、亜城木を抜いて欲しかった。
    抜かれた師匠も、無感動だし。
    『バクマン。』というマンガは、
    「カルピスの原液を煮詰めて出す」くらいの密度なので、
    感想を書く手が止まりません。
    もっと「記事のダイエット」をして、サクサク読みやすくしたいです。
    でも、「水 2 リットルにカルピス・ウォーターを一滴」という
    某マンガみたいな薄い内容になったりして──。
    同士かつ同市な人がいるのは、なんだか うれしいですね。
    税金を払う以外では市に貢献していないけれど、
    いつかは「おらが街」を紹介するページを作りたい──かも。