『バクマン。』 138 ページ 「迫力とアイディア」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 30 号)
『バクマン。』の作中作では、「お色気要素」でテコ入れする──という展開が(ほぼ)ありません。たとえば、『PCP』が票を稼ぐために、不自然なカメラアングルから安之城舞を描くとか……(ごくり……)。
現実世界の「ジャンプ」でも、「死神」が死の世界へ旅だったところを見ると、もうエロティックな絵では読者を釣れないのでしょう。「ジャンプ」の読者は「肉食系」ではない──ということか(腐肉食系?)。
「ジャンプスクエア」で連載中の『To LOVEる ―とらぶる― ダークネス』が、その手の需要に応えてくれるから、「ジャンプ」本誌では必要がないのかもしれませんね。
日時は 決まりだ
十字架の落字
が意味するところは、「木曜日」だった──。この謎解きは、ちょっとビミョーな感じがします。「木」の字が欠けているから、「木梨さん」の家を探したり、伝説の樹の下で告白したり(?)──という方向を普通は考えそう。
「時」の落字から、場所が「寺」であることを導き出すのは、面白かったです。しかし、上と合わせて「木寺」さんの家を探すのが順当な気もする──。時間と場所を示すヒントに、境界線のないところも問題だと感じました。
──と文句ばかり言っていますが、小学生へ向けた謎ですからね! 『PCP』の読者も、マコトたちと同学年から中学生くらいが多いのでしょう。彼らにも解ける問題を、作者は考える必要があります。
自分が小学生のころだったら、まず、「架」の落字に気がつかなくてハマると思う。そんな漢字、知らないし……。それ以前に、けっして PCP のメンバに自分は入れません。「あっ、ミノルさんちーっス! おランドセル、持ちますよ!」とか言っているでしょう。
すごいよ 亜城木くんも ………
雄二郎は、『PCP』の完成度の高さに感極まって、(また)泣いています。着々と「キレイなアフロで女子アンケート獲得☆大作戦」は進行している──(?)。
出世欲が高いわりに、雄二郎が鼻につかないのは、マンガを愛している気持ちが伝わってくるからですね。彼がマンガ論を語る時は、編集部での論争ばかりですが、服部と酒を飲みながら熱く語るシーンを見たい!
雄二郎と同じ意味で、山久も好きな編集者です。第一印象は、ねっとりとイヤラシイ人物に見えて、嫌いでした。──自分を見ているようで……。彼が本当にマンガ好きの好青年で、蒼樹紅は救われましたね。
吉田も、出世に対する情熱は人一倍です。でも、吉田は平丸を愛している……! ──あ、うっかり、「平丸(のマンガの才能)」が落字してしまいました。
新妻エイジは、『PCP』の最高傑作を読んでも──、『CROW』の勝利を疑っていません。いや、ハナから相手にしていない感じです。でもこれは、ほかの作品のことなんて考えていないから──でしょう。いまのエイジは、『CROW』を面白くすることしか考えていない。
ただ、亜城木への対抗心も、エイジは忘れていません。
初対面のエイジとサイコーが、こいつには負けられない !!
──とお互いに思っていたのは、かなり意外でした。あの場面(『バクマン。 (3)』)のエイジは、年齢の近い友だちができて良かった──みたいな感じでしたよね。
あの時すでに、顔は とぼけていながら、腹の底ではライバル心を燃やしていたのか……! エイジは、じつは ほとんど笑わないし、やっぱり考えていることが読めない人物ですね。だからイイ!
このヒキもいい
『PCP』では、いよいよ「Σ(シグマ)」が登場するようです。この登場シーンを見る限りでは、スピーカから声を出しているみたいですが──、寺に設置しておいたのでしょうか? 寺の住職オチだったりして。
マコト・ミノル・マイの「M トリオ」(?)は、小学生とは思えないくらい賢くて、よく考えられた「完全犯罪」をやってのけます。しかし、彼ら以上に、シグマは大きな仕掛けを出してくる。
──以上から、PCP よりもシグマは年上と見た! それも上級生というレベルではなく、教員でしょう。前にも書いたけれど、「部外者」は あり得ない。小学校に無断で侵入したことになるし……。
編集部では、『CROW』の終了を予期している人が多いようです。『PCP』を面白がっていた人でも、今の 「CROW」の勢い
を見せられると、意見が ゆらいでしまう。
吉田の予想は良く当たるけれど、今回は どっちとも付かずでした。ただ、彼はいまでも『CROW』の続行を望んでいると思う。彼もまた、マンガを愛する編集者の 1 人ですからね(上と書いていることが違うケド)。
そして雄二郎は、完全に人ごととして話している……。
まだ 速報だ
「うわっ…… 『PCP』の票、低すぎ……?」みたいな顔の服部です。一瞬、全然ダメな結果だったのかと思いましたよ!
雄二郎と服部──「ダブル服部」の表情からすると、『CROW』と『PCP』は同票くらいの微差なのでしょう。どちらかが圧倒的に上だったら、雄二郎もこんな顔をしていないはずです。
- 雄二郎:
- 「(全財産を突っ込んだ株が 暴落……だと…… !?)」
サイコーとシュージンは、あくまでも本ちゃんの結果を待っている。こういう「待つしかない状況」は、考えただけで胃がキリキリしてきます。そのネタで日記を書いているくらいに、待たされるのはイヤだ。
われらがカヤさんは、2 人に(なぜか)怒鳴られながら、今日もモップがけです。すっかり、ジャージも「第 2 の肌」みたいに なじんできたなぁ……。
蒼樹・亜豆・岩瀬は、いつもオシャレな格好をしています。立ち振る舞いも、エレガントで女性らしい。──彼女たちみたいに、たまにはカヤも着飾って欲しいです。
コメント
いつも楽しく感想を拝見させて頂いてます。
PCPのミノルの発言は、
『机に入れていたデジカメを失くしてしまって
今は手元にない』 とも取れませんかね?
私はそういう意味で本誌を読んでいたので
少し気になってコメントさせて頂きました^^
これからも頑張って下さい♪
感想楽しみにしてますー!
こんにちは!
なるほど──、ミステリィではおなじみの、
叙述トリックですね!(違う?)
たしかに、ミノルの発言だけだと、
どちらとも取れます。
ただ、まだミノルの手元にデジカメがない状態では、
「シグマが拾ってくれた」とは言わないでしょう。
それだと、「机の中に入れていたカメラを、
シグマが盗んだ」とミノルも思うはずです。
──と書いていて引っかかったのは、
「勝手にデジカメの画像を加工して
送りつけてきた人物」に対して、
「拾ってくれた だけ」とは言わないよなぁ……。
こんにちはです|^▽^)ノ
吉田編集が続行を望んでるのはcrowじゃないですか?
細かいことすいませんっす(・_・;)
ご指摘をどうもありがとうございます!
さっそく直しましたー。