HUNTER×HUNTER No.328 「手配」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 02 号)
読み終わった瞬間に次回が待ち遠しい! ──毎週そう思っていますが、今回は とくに強く思いました。なにしろ、次から次へと話が つながっていく。
ただ、「グリードアイランド編」も「キメラアント編」も ちゃんと話を畳んでくれているので、その点は安心して読めますね。できればカナリアとアマネの未来についても、キッチリと描いて欲しい!
それ以前の話──クラピカやネオンたちも、ちゃんと結末を見せてくれるのかな……。
2011-12-16T13:03:15+09:00 追記
とんでもない事実に気がついてしまいました……。今回 初めて登場した念能力は、下の画像が元ネタかもしれません! また冨樫先生がアンチに非難されちゃう!!!?
(いろいろと本文も加筆・修正しました)
王子と姫
「キメラアント編」でキルアは走り回っていたけれど、「神速(カンムル)」の「電光石火」は活動時間が短かった。それが今では 40km を全力疾走できるのか! 死線をくぐり抜けたことで、キルア自身も能力もレベルアップしたのでしょう。
アルカを「お姫様だっこ」しながら走ることは、かなりのハンディになるはず。高速で移動する場合は、空気抵抗が大きな問題になるからです。
また、速く走るためには腕の筋力も重要になってくる。腕を後方に伸ばして走る──いわゆる「忍者走り」は、どう考えても速度が出ないはず。
また、ずっと「お姫様だっこ」で抱えられているアルカも大変です。──お手洗いに行きたくなったら どうするんだろう……。いつも自分はトイレが近いので、ついつい気になります。
戦闘前に「トイレ休憩」を描いたマンガは、後にも先にも『H×H』だけだと思う(『HUNTER×HUNTER (9)』)。
祖母に乗る
ツボネの念能力──ライダのオーラを利用して走る「バイク」は、「周」の応用でしょう。1 人だけでも強そうなツボネにアマネも同行させたのは、この能力を生かすためだったのか。
自分自身の体を変形させているから、ツボネは「変化系」能力者ですね。同じ系統にビスケがいるので、「こっそりと乗った者から若さを吸い取る」という能力も付いていそう。
かわいい孫の前だからか、くだけた口調のツボネに萌えます! 「ドキドキ 2 択クイズ」の おばあちゃんみたいで、なんだか懐かしい。
『幽☆遊☆白書』の玄海といい、作者は魅力的な老女を描きますね。おばあちゃん子だったのかな。
天空の死路
つい最近になって再放送された『天空の城ラピュタ』には、「空中海賊」が登場します。その海賊の女ボスであるマ・ドーラは、ツボネに似ている。前にも書きましたね。
HUNTER×HUNTER #324 「執事」 友がいる向こうへ・届かない声 | 亜細亜ノ蛾
『風の谷のナウシカ』ネタを『HUNTER×HUNTER (11)』の追記で書かれていたから、冨樫先生はジブリのアニメが好きに違いない。ドーラとツボネも意識しているのかも。
「バイク」のデザインも、『ラピュタ』に出てきた「タイガーモス号」や「フラップター」に似ているかな──と思って調べたら、まったく違っていた。でも、素晴らしい動画が見つかったので紹介します。
フラップター of 天空の城ラピュタ Flaptter 19-3 : Developed Flight – YouTube
先の読み合い
キルアが森に逃げることまで、すでにツボネは想定していたのでは? つまり、回り道をさせることで時間を稼いだ。そもそもバイクで追うだけでは、キルアを捕まえられません。
せっかくキルア・アルカよりも先回り
した──と思わせて、『レベル E』の王子みたいに「斜め上」を行かれても面白かったな(「これの LL あります?
」)。
尾行の対策として複数の飛行船を借りる所までは、アマネも考えつかなかった。ただ、このあとの展開を考えると、ツボネは気付いていたけれど、わざとアマネに伝えなかったのかもしれません。
なぜなら、この時点でアマネとツボネは、「キルアを確保して帰宅させること」が責務なのに、見逃しているからです。いまなら全力で走ったあとで疲れているから、絶好のチャンスであるはず。
そこから考えて──、ゴトーが離脱していることまで、ツボネは想定していたのでは? アマネに連絡したあと、ゴトーにも電話をした可能性は高い。ただし状況を把握しても、ツボネは黙っているでしょう。
素顔と喪失
カナリアとアマネが かわいすぎる!
初登場の時は「冷酷無比な殺人マシン」のような印象だったけれど、怒っているアマネは子どものようです。カナリアのほうが お姉さんみたい。
この 2 人は、姉妹のように今後も仲良くできたら良いのになー。あの家にいる限り難しいけれど。あ、そうか、恋愛も御法度(死刑)だった! アマネが固まっている理由は、コレですね! かわいそうに……。
それは さて置き──。
幻影旅団のメンバも、最初とは大きくイメージが変わった。「血の通った人間」が描ける作者ならではの演出です。緊張と緩和の描き分けが うまい。だからこそ、残酷な展開に血の凍る思いがする。
この場面でも、自分の生死が かかっている任務の過酷さを、カナリアもアマネも ほんの一瞬だけ忘れられました。彼女たち以上に読者は前回の惨劇を覚えていない。
それを──「ゴトー
」の一言で思い出させた……。
ふたたび「弟・妹」問題
ゴトーさん
──とモラウが「さん付け」で呼んでいる! そんなにゴトーのことを「できる人間」と思ったのでしょうかね。
アルカのことを「弟
」として語っているキルアには、もっと驚きました。今回、一番の衝撃です。
アルカは、「体は男性・心は女性」ということかな。
「物体」としてアルカを扱っているゾルディックの人間は、生物学的にアルカを「弟」と呼ぶ。一方、きょうだいとして愛しているキルアは、アルカの心を尊重して「妹」と呼んでいるのでしょう。
または、下の記事で書いたように「アルカと『ナニカ』とでは性別が異なる」可能性もあります。いずれにせよ、キルアはアルカだけ・家族は「ナニカ」だけを見ている。
HUNTER×HUNTER #323 「依頼」 たびたび道連れ 情はなさげ | 亜細亜ノ蛾
仲間がいない同士
ヒソカが人見知り
なのは、相手のことを知る前に──殺すからだと思う。ポーズは かわいらしいけれど、ほのぼのした話では ない。
イルミが体から抜いた針は、そのままヒソカに刺すのかと思いました。それくらい、イルミは油断のならない人物です。そして──当然のようにヒソカも、刺される可能性を考えているはず。そんな緊張感のある関係が面白い。
『幽☆遊☆白書』に出てきた「魔封環」のように、イルミのオーラをこの針に貯めていたのでしょう。強力な念が封じ込まれているに違いない。
いままでもイルミは、使い捨てのコマのように一般人を使ってきました。しかし過去に使った針は、どうやら操るだけで死なないらしい。──大半が命を落としているから、結果的に同じですけどね。
ハンターたる者
「ハンター十ヶ条
」が いまごろ出てきた! この「其乃四
」によって標的にされないことを利用し、「犯罪まがいの行為」を重ねるハンターも多いでしょう。
そう言えば、ヒソカは「犯罪者」では ないのかな。選挙会場にも平気で姿を現わしたけれど、「十二支ん」の誰も手を出さなかった。これまた捕まえるには またとない機会だったはずなのに。
ハンター試験中にハンター志望者を狩ったり、天空闘技場の戦闘で相手の命を奪ったり、追っ手を始末したり──。よく考えると「お互いに命懸けの状況」でしか、ヒソカは殺人を犯していない(バレていない)のかも。
2011-12-16T13:02:35+09:00 追記
犯罪うんぬんよりも、イルミがした行為──(共犯者として)執事の命を奪ったことや、「貴重品」(アルカ)を壊そうとしていることは、ゾルディック家の重大なルール違反です。
とくにゴトーを失ったことで、ゼノは怒るはず。
- ゼノ:
- 「こらー ダメじゃないか!(コツン☆)」
- イルミ:
- 「痛っ ごめんなさい! もうしないよ!」
- シルバ:
- 「ホントに イルミは仕方ないヤツだな(笑顔で)」
- キキョウ:
- 「まったくね」
- ミルキ:
- 「
- ミルキ以外:
- 「HA HA HA HA HA !!
──そんなんで いいんだ。
病室と協力
病院の駐車場にゴン専用の病室を建設しています。──あれ? ノヴの「4 次元マンション(ハイドアンドシーク)」を使うわけではなかったのか。でも、キルアの到着までに完成しなかったら どうするんだろう?
テラデイン・ブシドラ・ルーペは、今回の件をきっかけにして、今後も協力し合うでしょうね。おそらく、もっとも票を集めそうな、テラデインを会長にさせるはず。3 人の票が集まれば、チードルと並ぶかも。
脱会長派
の 3 人は ともかくとして、ほかのハンターたちの「捨て駒感」がパねぇ! 次回で全員いなくなりそう。
──でも、同じことを「十二支ん」にも思っていたのに外れたので、左のほうにいる「ポックルもどき」や右の「センリツ風」が いい働きを見せたりして。
HUNTER×HUNTER #318 「遺言」 すべては照らせなかった光 | 亜細亜ノ蛾
次期会長候補者の野心ですら利用するところが、じつにキルアらしい。ゴンやナックルだったら、信頼し合った仲間以外の力は借りないでしょうね。すると、手詰まりになる。
背景が描かれた背景
「その他大勢のハンター」や「針人間」といった「どーでもいー人たち」も背景も、ちゃんと「冨樫風味」の絵柄でした。でも、全部ひとりで描いているとは思えません。どこまでがアシスタントの仕事なのだろう? それとも、休載中に描きためていたとか?
写実的な背景も効果的で目を引きました。参考にした資料があるはずだけれど──、最近 問題になっている話と関連してこないか、不安になってきます。
ジャンプ連載漫画『ダシマスター』トレスが発覚して休載に:萌えオタニュース速報
「背景くらいええやん」──と個人的には思う。たとえば、参考にした写真の引用元を、すべて巻末に載せるか、ウェブサイトで表記すれば良いのでは?
おわりに
カナリアはアフリカ系だと思うけれど、あまり省略して描くと特定の団体からクレームが来るのでは──と心配しました。
下のサイトでは、昔の「カルピス」の商標や『ちびくろ・さんぼ』を紹介しています。
なるほど、こうやって歴史上から抹殺された(と思われている)表現の復刻を願っているのだな──と思っていたら、まったく逆だった。
赤ちゃんというものは、髪の毛が少なかったり、指をしゃぶったり、哺乳瓶でミルクを飲んだり、おしゃぶりを咥えたり、というように決め付けた余りにも酷い差別的表現です。こういう表現を見て可愛いらしい等と思うことは当の赤ちゃんの人権を踏みにじる差別的行為なので差し控えましょう。
──と「目に余る差別表現」について書かれていました。うーむ……。
こういった「マンガ的表現」に対して過剰に反応することが、完全な差別意識であることに気がつかない人も多い。「カナリアって、クチビルが厚くて かわいいね!」と普通の感覚で言いたいものです。
「んー、差別とか よく分かんない! 金(キム)くん、ニカウくん、サッカーしにこうぜ!」
──と子どもたちが言える社会を目指すべきなのでは?
(もちろん、カナリアを見て「差別」を連想するのは、れっきとした差別意識です。そんなこと、作中には描かれていない)
コメント
>目に余る差別表現
リンク先読みましたが、
『「マンガ的表現」に対して”黒人の場合だけ”過剰に反応すること』
を皮肉ったページなのではないかな、と思うんですが、どうでしょう
もしも皮肉だとしたら、あまりにもヘタすぎて面白くありません。
でも、ほかのページを見れば分かるとおり、皮肉ではないですよ。下のページが とくに酷い。
http://www.asahi-net.or.jp/~wz9k-ybn/ganbare.html