『バクマン。』 47 ページ 「矛盾と理由」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 35 号)
先週の終わり方だと、連載ごと「──終わり」になりそうで、コワかったです。ひとまず、続きがあって安心しました。
──掲載の位置は後方で、気になりますが……。
この作品には、毎週のようにビックリさせられています。いつもいつも、続きが気になる。アレコレと次の展開を予想しては、外れたことに喜んでいます。
今回のラストは、今まで以上に驚きました。いったい、何と書けばいいのやら……。まぁ、そこまで感想を書けるのは、3 日も先になりますが。
休まず描ける
無粋なことを言うと、亜豆の手の持ち方だと、サイコーのジャマをするようにも思います。それは当たり前で、だれも「絵を描く人を支える方法」なんて知らない。それでも、考えるよりも先に体が動いた、という亜豆の必死さが伝わってきます。
サイコーからしてみても、この幸せな時間が いつまでも続けばいい、と思っている。──と単純に行かないところが、この作品らしいですね。
もう 大丈夫
編集部の意向を港浦から聞かされた、サイコーの言動が素晴らしい。
「体調は問題ない」とか「大丈夫」とかではなく、休載は しません 絶対に
とだけ言い切る。ムダな言い訳や根性論は不要なんですね。
また、休載にするかどうかは作家が決めることで、編集部の考えは関係ない、というサイコーの意思の表われとも取れます。──この点だけは、某・冨樫先生も同じなのですが。
その気持ちを
気を利かせて帰ろうとするシュージンと、それに気がつかない港浦が、2 人とも いい味を出しています。
シュージンは港浦に指摘せず、一緒に帰ろうとする、という態度が良いですね。「さりげなく(気の利かない)上司を動かす方法」という単著が出せそうです。
変な気 使って……
いつかは こんな日が来ると思っていた……。
ついに、来られる日は毎日来る
と亜豆は言う。そして、自ら言った事と 矛盾する
ことも認めました。
ああ、これでやっと、「放置プレイの女王様」と「待ちぼうけの王子様」という分不相応な恋愛ではなく、高校生らしい恋愛が始まる──。
──と思っていたら、サイコーは「夢がかなうまで会わない」というルールにまだ縛られていました。なんのこっちゃ。よっぽど、待つことのカイカンが気に入ったのでしょうか。
とはいえ、会えない時間が愛をはぐくむ、というのも事実です。この 2 人は今後も、2 人にとって適度な距離を保ったまま、つき合っていくのでしょうね。すぐ会いたがる自分には、ムリだなぁ……。
邪魔?
好きな人と一緒にいると、ドキドキするけど落ち着く──という気持ちはよく分かる。一度でも人を好きになった経験がある人には、分かるはずです。
そう、恋をしようぜ恋を!
──と、熱くなりました。最近のサイコーと亜豆の描写は、本当にいい感じです。亜豆の「不思議ちゃん」ぶりが収まってきた、というか、2 人とも素直になってきました。
連載の当初は、「ジャンプ編集部のバクロ」がメインで、サイコーの恋愛話はオマケになるだろう。そう思っていました。実際には、バクロは ともかくとして、「マンガ家の実態」も恋愛も楽しめる内容ですね。
2 人の恋は、これから どうなっていくのか──。