『暗殺教室』 第 34 話 「先攻の時間」
今週号は『暗殺教室』が表紙と巻頭カラーを飾ります!
いつものように殺せんせー(らしき地球)や男子が 98 割を占める誰得仕様だけれど。
時事ネタと航空機に弱いため、最初はオスプレイが描かれていると思いましたが、「ロータが 2 つ」以外に共通点が なかった。
いちおうは女子もカラーに登場します。
今回に限っては胸部の装甲が分厚い茅野カエデと、ドジっ娘属性を身に付けた奥田 愛美が良かった! 奥田は、くれぐれも薬物の調合を「てへぺろ☆」しないで くれよ……。
あと、せっかく「自律思考固定砲台」も描かれているのに、遠すぎて ただの直方体と化している。
これがテコ入れが不要な王者の風格か……(どのマンガに対するイヤミ?)
正攻法で成功
スポーツに精通している人間ほど意表を突かれるような、奇抜な作戦を使う
と前回の感想で予想しました。当たらずとも遠からずな結果です。
暗殺教室 第 33 話 「球技大会の時間」 勝って彼らを追い詰めよ | 亜細亜ノ蛾
特訓方法に説得力があって分かりやすかった。
運動が苦手そうな潮田 渚でさえも、軽々とバントを決めている。これはマンガらしい「1 週で 急成長」──かと見せかけて、殺せんせーの特性を生かした練習に感心しました。
練習でも本気
殺投手
(ころピッチャー)の本気度が笑えます。
300km の球を投げ
る時に、口からヨダレが あふれるほどのクレイジィな全力投球ですよ! 野球する顔じゃねェ!
完全に「タマ(命)をと(殺)りに」来ています。発音的には野球と一致しているけれど。
こんな剛速球を誰がキャッチするのかと思ったら、なるほど、殺せんせーは分身が できるのでした。マッハ 20 で動く殺せんせーからしたら、300km/h なんて、ハエが止まって独りカラオケで盛り上がるくらいの遅さです。
『ストリートファイター II ダッシュ ターボ』のスーパーファミコン版が出た時に、最高速度で鍛えてからゲーム・センタで対戦に挑んだことを思い出しました。
あのころは、いまよりも脳の回転が圧倒的に早かったなぁ……(遠い目)。
暗殺者の目
E 組の生徒たちが格好良かった!
普段から暗殺用に使っているグローブがキマっている。プロの野球選手──というよりも、まさに暗殺者の風格です。
ナイフや銃器の取り扱いに慣れていて、野球の経験も豊富な杉野 友人にしてみれば、バントからヒッティングの切り替えも自由自在でしょう。三塁ベースを踏んで はしゃいでいる杉野は、妙に かわいらしかった。
「学園もの」と「バトル」の融合が素晴らしい!
この手のジャンルでは、「学校」と「バトル」が完全に分離されています。多くの作品では、学園パートは女子やサブ・キャラで人気(とグッズの売り上げ)を稼ぐ手段でしかない。
ところが『暗殺教室』では、授業と暗殺は完全に一致している。それどころか、「倒す手段を教える先生」と「倒すべき標的」まで同一人物という徹底ぶりが すごい。
理事長も真剣
なんと、理事長の浅野 學峯が登場です!
そう、これは「みんなが楽しい球技大会」ではなく、A-D 組の優越感と E 組に落ちる恐怖を植え付けるための見せ物なのでした。こんな場で E 組を勝たせるはずがない。
1 回の表から監督を務める手の早さも見事です。
浅野は(いまのところ)「ラスボス」なのだから、「ジャンプ」マンガらしく「ふっ 3 点くらいは ハンデを(以下 12,800 字省略)」みたいな余裕を見せたり、ここにきて過去編に突入したり、亡くなったキャラを未練がましく出して当然です(どのマンガの話!?)
しかし、理事長の辞書に「妥協」という文字はない。
「学園の効率化」しか頭に ありません。
マッハ 20 で動く標的の対抗策にも通じそうです。
『ストーンオーシャン』のように、「どんなに相手が速くても関係がない」手段を E 組の生徒は考えるべきでしょう。
もしかしたら、すでに殺せんせーを倒す手段くらいは浅野だったら考えつくかも しれませんね。
たとえば、理事長は E 組の生徒を嫌っているわけではなく必要と考えているため、殺せんせーの暗殺計画を E 組のために手伝う可能性も あります。暗殺に うつつを抜かして成績が下がれば、それも都合が良い。
おわりに
竹林 孝太郎が目立ち始めた!
そう言えば E 組の男子は(堀部イトナを含めて)15 人もいるから、全員が選手としてでなくても良いのか。ベンチ入りしている生徒も、試合中に活躍するかもしれませんね。
それでも、理事長に勝てる気がしない……。