『バクマン。』 101 ページ 「苦情と上昇志向」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 42 号)
今回の内容は重いですね……。
『PCP』の最大の 売り
が、アニメ化を 考えると 最大の欠点に なる
。──そんな批評を受けたら、先がありません。
たとえるならば、『ドラえもん』を読んで、「タイムマシンで時間旅行? いや、 そのりくつは おかしい」と言うようなものです。
「それを言われたら何もできない」という一言が、人をダメにする。
ならないと 思っていた方が いい
なぜ『PCP』はアニメにならない
のか?
──前回に引き続き、亜城木夢叶も読者も無視できない問題が、目の前に立ちふさがります。どうせ立ちふさがるなら、グラマラスな美女がイイですね。
亜城木作品のアニメ化を誰よりも望んでいるのは、サイコーのハズです。それなのに、シュージンが全力で食いついている。服部につかみかかるのでは──と思わせる迫力です。
シュージンは、どこまでも友だち思いですね。
サイコーは、いつまでも自称・人見知りです。
服部が言うには、「PCP」は スポンサーが つきにくい
、とのこと。自分が前回の感想で書いた、題材的に『PCP』は地味だからアニメにできない
のでは──という予想は、またまた大ハズレです。てへ。
君達には 見せてないが
『PCP』に対して、作者宛の抗議の 手紙も多い
という事実は、予想できました。でも、あらためて聞かされると、ショックですね。サイコーとシュージンが受けた衝撃のほうが、その何倍も大きいでしょう。
自分が何度も主張しているように、マンガなどの創作物を目にした子供が真似して困る
という場合に、一番悪いのはその子どもです。その子ども個人の問題である──と断言して構わないと思う。
ただ、「世間」というヤッカイな魔物にとっては、上記の主張なんて狂気の沙汰と思われるだけでしょうね。
自分からすると、“「ジャンプ」”は子供達に 犯罪や悪戯を勧めるのか?
なんて苦情を出すほうが、よっぽどアレだけれど……。
妙にリアルで 不可能じゃない
『PCP』には「まだ面白さが足りない」とか「連載の話数がすくない」・「キャラに魅力がない」といった理由でアニメにできないのであれば、努力して改善できます。
たとえば、『疑探偵 TRAP』のときには、スタイルを守り続ける事で ファンが付く方に賭ける
といった勇気ある決断を亜城木は選びました。そして努力の甲斐あって、すこしずつ人気が上がっていったのです。(『バクマン。 (5)』)
しかし、『PCP』の根本的な良さがアニメ化のジャマになるのであれば、打つ手がない……。
皮肉なことに、サイコーにとっては、邪道で 人気マンガ
だとか、亜城木夢叶の 完成形
だとか──はどうでも良くて、アニメになることが目標でした。
これから、どうするのだろうか……。
高木くんは 何も間違ってない
亜城木夢叶は、なぜそこまで アニメ化に こだわる
のか──。服部は、まだ知りません。まわりの人間から見れば、すこし異常にも見える執念です。
そもそも、服部の視点から見れば、シュージンがアニメ化にこだわっているようにも見えるはず。そうすると、余計にこだわる理由が分からないでしょうね。
いつも そう思って
シュージンのひと言がサクレツしました。そうか、夢なんです!
と叫べばいいのか。これは格好いい!
サイコーやオレら(ら?)が説明すると、「えっと、そのぉー、カノジョと結婚したいんでぇー。ふひひ」となるかもしれない(?)。シュージンが代弁して良かった!
この心の叫びを聞いて、服部も納得したようです。しかし、もうすでに、シャウトやソウルの問題ではなかった……。

コメント
はじめまして、朗と申します。
いつも楽しく拝見させて頂いております。
毎週、ジャンプを読むのと同じくらい、asiamothさんの感想を楽しみにしています。
特に、バクマンの感想には今まで何度も笑わせて頂きました。その文章の面白さと分析の鋭さには頭が下がるばかりです。
さて、今週のバクマンを読んでいて思い出したことなのですが、今回取り上げられた「PCP」の問題点に関しては、実は連載会議の段階で編集の吉田氏が指摘していましたよね。確か、学校への不法侵入について、「子供が真似したくなるから直しが必要」としていたはずです。
今になってみると、あの何気ないシーンが複線となっていたのかと思われて驚かされます。
asiamothさんはどうお感じになられたでしょうか。
どうも、初めまして!
あの場面で吉田が指摘したのは、
編集長の口から“そこは 評価すべき点”という
一言を引き出すためだ──と以前に書きました。
バクマン。 #86-3 「勝ちと負け」 秘密基地と経験値 : 亜細亜ノ蛾 – Weblog
http://asiamoth.com/mt/archives/2010-05/27_2353.php
もしかすると、編集長はこの時点で、
「アニメ化のことなど考えず(考えさせず)に、
思いっきりリアルに描かせよう」
と考えていたのかもしれませんね。
よくよく考えてみれば、天下の「ジャンプ」編集長ならば、
『PCP』の作風がアニメ向きかどうかくらいは、
すぐに判断できるでしょう。
いかにもアニメ向きの『タント』がコケたあと、
港浦は服部に知恵を借りに行き、
服部は(亜城木の夢を知らずに)邪道を描かせた──
という部分が最大の伏線だったのかも。