『バクマン。』 132 ページ 「逆立ちと立て直し」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 24 号)
(ガッカリの代名詞も──今では うれしい)
今回の展開は、「追い込まれると火事場の馬鹿力が出る」というバトルマンガ的な発想だと思うけれど──、ほぼ不眠不休の上に食事も取らないのは、いくら何でも無謀すぎます。シュージンの体には、オートファジィが備わっているのでしょうか(『トリコ』ネタ)。
マネするマンガ家志望者が出そうでこわいなぁ……。
このブログでは 64 回くらい書いているけれど、マンガなどの創作物のマネをして、他人に迷惑をかけたり体を壊したりするのは、おバカさんのやることです。せめて、マンガのせいにはして欲しくない。
高木くんは 限界に きている…
「1 週休ませる」だけなら、どんな編集者でも思いつきます。しかし、あの亜城木夢叶が了解するとは思えない──。そこで、次善の策として、服部は別の作家に協力を依頼しました。苦肉の策ですが、編集者にできることは、ほかにないでしょうね。
しかし──、ほかの作家から力を借りるなんて、亜城木夢叶が一番イヤがる提案でしょう。当然のようにサイコーは拒否していますが、服部は不思議がっている。服部は、まだ亜城木のことを理解していないのでしょうか……。
たしかに、理解を超えたところがあるコンビだけれど。
それに、服部が説得するべきなのはシュージンなのに、サイコーとだけ話をしているのも、ある意味では異常な気がします。一歩間違えば、サイコーの意地のせいで、シュージンは本当に壊されてしまいそう。
食ってる 暇がない
気持ちが セコくなったら いいもの描けない
──。これは、シュージン自身がカヤに言っていた言葉です(『バクマン。 (10)』)。ここは奥さまが、なんとかしてシュージンを眠らせるべきでしょう。得意な格闘技術を駆使して、安らかに──(何か違うぞ)。
たんなる想像だけれど、作者の大場つぐみさんは、たっぷり寝て・しっかり食べて・がっつり遊んで、それから原作を書いていそうな気がします。そういう余裕のある状態ではないと、面白いアイデアなんて浮かばないと思う。
そういうことじゃ ないんです…
面白味のない現実的なことを上では書きましたが──、『バクマン。』は そういうマンガじゃない! 多少のムリ・ムチャをしてでも、必死に努力をしていれば良いマンガを描ける──という方法論から成り立っているのです。
──平丸一也は例外ですケド。
最高の 作画
と言っている場面は、サイコー本人も服部も「あ……」と思っていたりして。「絶対に笑ってはいけない『バクマン。』」ネタのコラージュ・マンガを読んでみたいなぁ。
それが 亜城木夢叶です!
亜城木夢叶の危機を切り抜けるのは、サイコーの絵かシュージンの話か──。
普通に考えれば、ここまで来て「話は面白くなかったけど、絵で盛り上げた」とはならないでしょうね。ただ、サイコーの画力で順位を上げた展開があまりないので、今回こそは「絵も話も、今までで一番の仕上がりだった」という終わり方を見てみたいです。