バクマン。一覧

バクマン。 #111-1 「口出しと信頼」 後釜と文章力

『バクマン。』 111 ページ 「口出しと信頼」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 52 号)

日本立體橡皮(釜飯)
(「鳥」も「釜」も──おいしい印象しかない)

今週号も『バクマン。』は面白かった!

何度も書き続けていますが、大場つぐみ先生は「印象のコントロール」が上手です。同じキャラクタでも、場合によっては印象が大きく変わる。現実世界でも、そうそう同じ印象の人はいません。それでいて、各キャラにはブレない芯が通っています。

──まぁ、「氷の仮面をかぶった蒼樹」や「暗黒面に墜ちた白鳥」・「きれいな中♯」といった変わりすぎの例外もありますけれど……。

今週号のラストで、印象の変化をお楽しみください。

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バクマン。 #110-4 「一緒と別々」 真城の妨害と夫婦喧嘩

『バクマン。』 110 ページ 「一緒と別々」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 51 号)

Moki Guarding Her Food
(犬も食わない──いや、今は食べられない)

今回出てきた、何考えてるの 秋人さんというカヤのモノローグで、過去を思い出しました。中# さん(誰?)が新妻エイジのアシスタントをしながら、蒼樹紅の住むマンション近くの公園で原稿を描いていた場面です。

福田の「何 考えてんだ」という言葉を受けて、すぐさま「きっと マンガのこと です」と返す。これは なかなか出てこない。

もしも、中井を動かしている原動力が恋心だけだったら、エイジは彼を無視するだろう。もちろん、恋愛感情もあるはずだ。しかし、蒼樹と一緒に より良いマンガを描きたい、という中井の思いのみをエイジは見ている。

バクマン。 #38-2 「窓と雪」 福田の心配とエイジの一言 : 亜細亜ノ蛾

エイジはいつも、真実を見通してきました。マンガのことだけではなく、人間関係を見抜いたりもする。

今の混沌とした状況──サイコー・シュージン・カヤ・白鳥の様子をエイジが見たら、何と言うのでしょうかね。カヤ以外には「マンガを描け」と言うのかな。それとも──。

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バクマン。 #110-3 「一緒と別々」 時間の無駄と瀬戸際

『バクマン。』 110 ページ 「一緒と別々」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 51 号)

Day 021/365 - These Gifts
(白ウサギも──時間に追われている)

『バクマン。』には、女性キャラが少ないです。

しかも、亜豆は一段と登場の機会が減ったし、蒼樹もダージリンを飲んでばかりいるし(?)、岩瀬は港浦に怒ってばかり(『さよなら絶望先生』の新井先生と臼井みたい?)。

最近は、カヤがひとりで女性成分を引き受けています。ウソ みたいだろ。人妻なんだぜ。それで…(『タッチ』ネタ)。

──あ、そうそう、いい機会だから書いておくと、『タッチ』(原作)の名ゼリフは、下記の通りです。

きれいな顔 してるだろ。 ウソ みたいだろ。 死んでるんだぜ。 それで…

このセリフを「死んでるんだぜ。それ…」と書いている人がウェブに多くて、腹が立つ!

「そんなにきれいな顔をしているのに、死んでいるなんて信じられない」と達也は言いたかった。「それ…」だと和也をモノ扱いじゃないかッ!

一文字の有無が大違いなので、引用は正確にしてほしいものです(アニメしか観ていないのかも)。

参考にならない参考例: タッチの和也の死のシーンの名台詞 | OKWave

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バクマン。 #110-2 「一緒と別々」 犬の W 杯と愛の定期通信

『バクマン。』 110 ページ 「一緒と別々」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 51 号)

more border collie 1
(世界は広く──ピースのライバルも多い)

白鳥の飼い犬・ピースとシュージンが、楽しくサッカーをする場面が出てきました。さすが、「賢い犬ピース」は、サッカーくらいお手の物です(蹴るのは足だけれど)。

あと、世界中で自分ひとりだけが言っていることだと思うけれど、ピースは──φ# さん(誰だよ)に似ているから、「中の人」が上手なのかもしれない。

そう言えば、ウチの歴代ねこたちも、みんなサッカーが上手でした。いまはトロしかいないけれど、彼は夜中にひとりでドリブルの練習に専念しています。でもさすがに、本物のサッカーボールは転がせないな──、たぶん。

我が家の猫たちズ: asiamoth’s Collection: animal

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バクマン。 #110-1 「一緒と別々」 問題のタネと『LOVE 力 A to Z』

『バクマン。』 110 ページ 「一緒と別々」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 51 号)

حروف اسمك في فؤادي لها سر ♥
(残念ながら──恋は 26 文字では表せない)

今週号の「ジャンプ」は、表紙が『バクマン。』です!

表紙でまず目についたのは、まがまがしい格好をした新妻エイジでした。「季節外れのハロウィンかな……?」と思いながらサイコーを見ると、腕にはハッキリと GHOST BUSTERS のロゴが書いてあります。

アカン、これはアカンでぇ……!

これ、まるっきり『ゴーストバスターズ』じゃないですかッ! いつもなら、シュージンの腕みたいに「G BUSTER だけにする」とか「都合よく、ロゴが半分かくれている」などと回避するのに、なぜか今回は直球勝負です。

GS 港浦」とかにすれば良かったのに。

さて、続いて巻頭カラーも、われらが『バクマン。』でした。しかも、キャラクタ人気投票の結果を発表しています。「ジャンプ」はそろそろ新年号が近いですが、現実世界に合わせて、一足早いクリスマス・プレゼントでしょうか。

──オレ、これだけこの作品の感想を書いてきて、人気投票があったことすら、いま気づいたよ……。

人気の順位で驚いたのは、吉田氏の順位ですね。こんなにも人気があったのか……。考えてみれば、「平丸といる時の二面性が面白い」「編集者としての能力が高い」「てゆーかぁ、イケメン」という、高スペックな彼です。そりゃ、人気も出ますね。

また、シュージンの順位が意外と低くてビックリ。さらに、カヤが圏外なのはショックです。この 2 人は出番も多いし、良いコンビだし、悪い点が自分には見えません。「ラブラブすぎてウザイ」とか?

そして亜豆が、高木夫婦よりも高順位なのは──順当なようでいて、よく分かりません。みんな(誰)、ちゃんとこの作品を読んでいるの? 彼女のダークさを見抜けないのかよ……(その黒さが良いのかも)。

トップの 3 人は、まぁ当然の結果でしょう。

ただ、マンガ家としても人間としても、平丸は最低な男です。「マンガ家・マンガ業界に焦点を当てた作品」において、才能だけで世の中を渡っていける人物に人気が集まるのは、いかがなものか……。

同じような「だめんず」なら、中# さんもいる。どうして平丸は良くて、φ井さんはダメなのか! 話の面白さでは平丸が上だけれど、絵では中丼さんのほうが上です。なぜこの 2 人は、こんなにも差がつくのでしょうか?

答え: 外見

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バクマン。 #109-4 「ロミオと一周年」 普通の恋愛と俺の我儘

『バクマン。』 109 ページ 「ロミオと一周年」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 50 号)

Mother and child
(恋はまだ知らないけど──ぼくにはママがいる!)

今になって気がつきましたが──、じつは、亜城木夢叶の作品の中では、『走れ! 大発タント』が一番アニメ化しやすかったと思う。はっきり言って、設定はほぼ『まじかる☆タルるートくん』だし……。

「かわいらしい(?)動物が出てくる子ども向けの作品」という意味では、『恋太』も『タント』も同じです。しかし、『タント』はバトルものにも化けやすい。グッズの展開も望める。アニメへ持って行くには、イタレリツクセリなのです。

ただし、サイコーにもシュージンにも、『タント』の作品は合わなかった。そこは間違いないので、やはり、担当者の港浦は、この作品を亜城木に描かせるべきではなかった──と思います。

たとえるなら、『ONE PIECE』の作者に「オトナの恋愛もの」を描かせてどうする? ──という感じ。

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バクマン。 #109-3 「ロミオと一周年」 厳しい世界と犬の気持ち

『バクマン。』 109 ページ 「ロミオと一周年」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 50 号)

Free Funny Weird Girl with Braces and Dog Yawning Creative Commons (I'm taking a short break from Flickr, this is my last photo for a little while until I feel better)
(犬の気持ちを──理解するために)

この作品には、大場先生のクールな部分が現れている。

「ジャンプ」が舞台のマンガを「ジャンプ」で連載し、実在する編集者が出てくるのだから、もう少しマンガ家と編集者が仲良く──たとえば一緒にご飯を食べに行っても良いくらいです。

「ほら、『ジャンプ』は・集英社は、こんなにも良いところなんですよ──」と読者にアピールする機会にもなる。大場先生と編集部との関係も良好になるでしょう。

でも、そこまで甘ったるい世界は描かない。

DEATH NOTE』にも、「みんなと仲良く」という場面はなかった(夜神月の策略のため、大学の「お友だち」たちと街なかを歩いたくらい)。

なんだったら、『バクマン。』に出てくる編集者・編集長を、ハッキリ名指しして「嫌い!」と言う人もいるでしょう。さくしゃは、そういう描き方をしている。

『バクマン。』と同じようにマンガ雑誌の編集部を舞台にした作品の、『編集王』が自分は好きでした。しかし、どうも──すべてが「御涙頂戴」の方向で描きすぎている。

両者を比べてみると、『編集王』よりも『バクマン。』のほうが好きです。甘すぎず、厳しすぎず。

そして、この作品を堂々と連載している──「ジャンプ」編集部の度量の深さにも注目しましょう。

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バクマン。 #109-2 「ロミオと一周年」 恋する思いと今は無職

『バクマン。』 109 ページ 「ロミオと一周年」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 50 号)

2010-05-24_14-27-40_Canon EOS 7D_f3.2_1-80s_iso400_75mm
(かわいいこと──それがわたしのおしごと!)

主要人物(+ 新井先生)が恋愛ものの読み切りを描く──。これは、ほとんどの作家にとっては、不得意なジャンルへ立ち向かっていくことになります。

「人気マンガ家が、いつもとは違うマンガを描くなんて、実際にあり得るのか?」の答えが、いま「ジャンプ」でやっている読み切り企画・「トップ・オブ・ザ・スーパーレジェンド」ですね。正直なところ、ここまではピンと来る作品がなかったケド……。

不得意そうなジャンルを、連載中に描くこともある。

自分の目から見ると、最近の『BLEACH』はじつに良い感じです! やはりこのマンガは、「学園編」が面白い。

なぜかと言うと──、『BLEACH』に出てくる登場人物たちは、そのほとんどが世間に対して斜に構えていて、軽いギャグを言うために生きている(ように見える)。とても、「セカイを救う!」人たち・死神たちには見えないのです。

また、今回出てきた「鰻屋育美(うなぎや いくみ)」という女性は、似たようなキャラクタの名前を何人も挙げられますよね。朽木ルキアや四楓院夜一・有沢竜貴・松本乱菊・黒崎夏梨──、ようするに「勝ち気な性格の女性」ばかりいる。

『BLEACH』というマンガに文句を言っているのではなく、「『BLEACH』でバトルマンガを描こうとしていること」に不満があるのです。

学園でノホホンとしながら、死神関係のやっかい事を一護が眉間にしわを寄せながら「なん……だと…… !?」と解決していればいい。そういうお気楽な路線のほうが、どう見ても作者に似合っているのです。

これは、『家庭教師ヒットマン REBORN!』にも同じことを感じます。(『黒子のバスケ』や『NARUTO』と違って)せっかく面白い日常パートが描ける作者なのに、バトルバトルするのはもったいない!

──と言う人もいるらしいですね(ヘタレ)。

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バクマン。 #109-1 「ロミオと一周年」 恋愛バトルとシュール

『バクマン。』 109 ページ 「ロミオと一周年」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 50 号)

Miku Hatsune
恋は戦争──たたかうのよ)

今週号の「ジャンプ」には、ステキな偶然があります。

巻頭のゲーム特集で、右ページでは『るろうに剣心』に出てきた飛天御剣流奥義・「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」を繰り出し、左では『ONE PIECE』のボア・ハンコックが屈辱の紋章である「天駆ける 竜の蹄(あまかける りゅうのひづめ)」を見せている。

おそらく、紋章のほうが『るろ剣』へオマージュかと思います。作者もまさか、このような場で共演できるとは思わなかったでしょうね。

恋の始まりにも偶然がつきものです。

でも、天使のいたずらから始まった恋のきっかけも、幸せをつかむには自分から動くことが大切ですね。──今回の恋愛マンガの読み切り祭も、そのあたりがテーマになってきそう。

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バクマン。 #108-4 「愛読者と一目惚れ」 グレートと運命の人

『バクマン。』 108 ページ 「愛読者と一目惚れ」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 49 号)

Got milk?
(運命の相手とは──自然に引かれあう)

今回のラストで亜豆は、「サイコーのどこが好きか」という話をします。「『バクマン。』は、恋愛の話でもあったんだよなぁ」と久しぶりに思いましたね。ものすごく密度が濃い恋の話で、原液のカルピスを煮詰めて練乳で割った感じ。

ところが最後の最後まで、サイコーは読み切りで描くマンガの話だけを、亜豆は自分たちの恋愛の話だけを言い合って終わるのです。

男は仕事の話ばかり、女は私事の話ばかり。

お互いにすれ違っているようでいて、それでもサイコーと亜豆の話はちゃんとかみ合っている。出会い方から付き合い方まで、奇跡のような恋人同士です。2 人とも、別の人とは付き合えないでしょうね。

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