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August 28, 2008

『パフューム ある人殺しの物語』 鼻持ちならないラスト?

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  • 更新: 2010 年 03 月 30 日 23:01
  • 2008 年 08 月 28 日 23:57 に asiamoth が投稿
  • カテゴリー: 映画
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パフューム ある人殺しの物語

これはいい変態映画ですね!

ジャン・バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)の一生──この世に生まれ落ちた瞬間から死ぬときまで──を描いた作品です。

おそらく地球上で最も鼻が利く彼は、どんな香りに心を引かれ、そしてなにを成し遂げたのか──。

この男を含め登場人物の何人か、そして映画を作ったスタッフ、なにより「この映画が好き」という人は、残らず変態だ! と叫びたくなる作品です。だが、それがいい

photo
パフューム スタンダード・エディション
ベン・ウィショー.レイチェル・ハード=ウッド.アラン・リックマン.ダスティン・ホフマン, トム・ティクヴァ
ギャガ・コミュニケーションズ 2007-09-07
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グルヌイユとは

グルヌイユとはどういう人物だったのだろうか──。ここで(唐突に)『ジョジョの奇妙な冒険』から、いくつか引用してみよう。

吐き気をもよおす『邪悪』とはッ なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ……!! 自分の利益だけのために利用する事だ…

ref.: ☆ジョジョ5~6部&SBR名言集☆

こいつはくせえッー! ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!! こんな悪(ワル)には出会ったことがねえほどなァーーーッ 環境で悪人になっただと? ちがうねッ!! こいつは産まれついての悪だッ!

ref.: ☆ジョジョの奇妙な冒険(1~4部)名言集☆

君こそ、真ノ邪悪ダ。君には「敵意」がナイ。(……)だが、ソレコソ悪より悪い「最悪」と呼バレルものダ。

ジョジョ名セリフ集

──これらすべてが当てはまる人物、それがグルヌイユ。

ある偶然(出会いは必然?)でグルヌイユの先生となった、ジュゼッペ・バルディーニ(ダスティン・ホフマン)が良い味を出しています。

若いころの成功でなんとか食っている盛りを過ぎた香水調合師を、ダスティン・ホフマンが見事に演じています。落ちぶれた彼を、まったくオーラを感じさせない演技で見せるのがすごい。

グルヌイユのおかげで、ふたたび店が繁盛して生き生きとしてくるバルディーニ。その表情を演じ分けているのが見事です。彼の最期の場面で、本当に幸せそうなことと言ったら!(あ、ネタバレ?)

洞窟にて

本作は「愛すべきバカ映画」である本作ですが、見どころも多くて損をさせません。

たとえば、「なぜ、グルヌイユは女性に近づいてもすぐに気付かれなかったのか」という、観客の素朴な疑問にも答えてくれます。「パリで一番の鼻を持つ男」である理由に(ほんの少しだけ)リアリティが加えられた重要なシーンです。

たまたま立ち寄った洞窟(どうくつ)で、初めて自分の内面に向き合うグルヌイユ。そこで気がついた、自身の秘密とは──。

この場面は、自分の人生を決定づけた転換期とも取れるし、自分がこれから犯し続ける行為を正当化する自己欺瞞(ぎまん)とも取れます。

グルヌイユ自身は、どうあっても「あるもの」を完成させるために犯罪行為をやめないし、それには高尚な理由もいらない。それでも、観客に向けてある種の納得感を持たせるためには、この洞窟のシーンは必要ですね。

それにしても、そんな納得感をすべてぶち壊しにするラストに、どうしてしたんだろうか……。

750 人が××××

劇場での公開当時、超がつくほど有名な群衆のシーンが、テレビ CM で流れました。裸の男女が、なにやらテレビではおおっぴらに放送できないような行為をした直後のような……。

あの場面にどうやってつながるのか、いろいろと想像しながら見てビックリしました。まさかそう来るとは……!

監督が、あの群衆を取るためだけに映画を作ったのか、それとも当然の流れとして撮ったのか──。それでこの映画の評価が大きく変わります。それくらい、アレはすごかった(良い意味でも悪い意味でも)。

147 分間(2 時間半弱!)もある映画ですが、飽きさせない映像と展開で楽しめます。しかし、ラストの 30 分間は、それまでの 2 時間をすべて否定するかのような描写になっているのが、少し残念です。このラストはカットしても良かったのでは、と思うくらい。

まとめ

何回も書きますが──。初めから 2 時間までの完成度が高いために、ラスト 30 分間であのような締め方をしているのが、非常にもったいない。

あの群衆のシーンも含めて、『未来世紀ブラジル』みたいなオチで良かったのに。

──そうか、あまりにもヒドい落とし方なので、テレビ CM がクッション役になっていたのだな、と勘ぐることも可能かと。見る前からオチを予想しておけば、ショックも少ないだろう、と。

さて、最後はポップコーンをスクリーン──じゃなくてモニタに投げつけたくなりましたが、なぜか満面の笑顔。そう、すっかりと本作がお気に入り映画になった自分もまた、変態なのでした。

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