『ハウルの動く城』に見る、女の強さと恐さ

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『ハウルの動く城』

ハウルの動く城 – Wikipedia

ハウルの動く城 – allcinema

主人公がおばあちゃん。もしくは、おばあちゃんがヒロイン。ついでに敵(?)も、おばあちゃん。

そんなアニメ、まんが日本昔ばなしくらいしか見たことない!

──のだけれど、のんびりした雰囲気ではなく、アクションあり恋愛ありのファンタジィ映画です。

というか、「いままで見てなかったんかい!」と突っ込まれること必至の、超有名アニメですよね……。何となくメジャ過ぎるので避けていましたが、楽しい作品でしたね。家族や好きな人と一緒に見たい、いい映画です。

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ハウルの動く城
倍賞千恵子 木村拓哉 美輪明宏
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2005-11-16
楽天ブックス: ハウルの動く城

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by G-Tools , 2007/09/08

木村拓哉の演技

木村拓哉さんの演じるハウル、雰囲気ぴったりでしたね。

「諸君!」と呼びかけるセリフがあって、文字だけを見ると「いつものキムタク」で演じそうなのに、微妙に声を抑えているのが上手い。

ハウルは、訳あって初めは「わざと演技エンギしてる」感じで話すのですが、それを見事に演じていました。

──それを感じ取らず、「ここのセリフ、下手だなー」と思った人は、ちょっと色眼鏡の曇り、拭いたほうがいいのでは……。

子供っぽく叫ぶシーンも素晴らしい。純粋でありながら不安定、という様々な面を持ったハウルを表現できていましたね。

木村拓哉 – Wikipedia

ソフィーと「荒地の魔女」

主人公のソフィーは18 歳。──だったのが、「荒地の魔女」に呪いをかけられ、いきなり 90 歳の老婆にされてしまいます。

この姿のままでは元の環境にいるわけにいかず、旅に出るのですが──あまり動じていないのが、凄い。自分だったら、途方に暮れてしまいますね。二、三日は動きたくなくなるでしょう(それだと映画にならないが)。

さらに、ひょんなことからソフィーは魔女に再開するのですが、魔女は呪いを解く方法を知らない、と言う。そんな魔女に対して、恨みの言葉も半分に、逆に相手をいたわるようなそぶりを見せるのです。

いくら憎んでも足りない相手にこの態度は、なかなか共感できませんでした。しかし、それは自分が男だから、かもしれません。女性なら、理解できる感情でしょうかね?

なんでも受け入れてしまう女性の大きさを描いた、と自分は受け取りました。

一番恐ろしいのは

この映画で最も一番恐ろしいのは、ある女性の存在ですね。

主人公・ソフィーの災難は「老婆に変えられたこと」、と初めは思います。物語が進むと街に戦争の影が濃くなってきて、その戦火の原因が──ある女性なのです。ソフィーの災難は、元を辿ると、この女性がすべての原因、と言ってもいいくらい。

ハウルも恐れるこの女性。彼女が笑顔を浮かべながら行ったことを見ると──ゾッとします。

女性中心の世界、というのがこの作品のテーマの一つ、かも。