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『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 21 巻 「バレンタイン・クライシス」

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(混じり気のない── 2 つの辛い思い)

後半も最高です! 気がつくと、あの伝説の「修学旅行編」を大幅に上回るほどの、熱い厚い想いを書きつづっていました。

『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 15 巻 感想・2 | 亜細亜ノ蛾

前置きは さておき、感想の続きをどうぞ!

第 185 話 「クエッチョン・クエスチョン」

クエッチョンは、エニグマンこと大門明智を「大門くん」と呼びます。それに対して大門は「クエッチョン」と呼ぶから、2 人の間で親密さが異なるのだな──と思わせて、じつは違う。

いまだにクエッチョンの本名は謎なのです! 以前にも同じように疑問を感じて、似たようなことを書いていました。

『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 16 巻 感想・2 | 亜細亜ノ蛾

これだけ魅力的な人物なのに、どうして彼女は いつまでも「芸名」なのでしょうかね? スケット団のメンバは ともかく、大門くらいは本名で呼んであげたらいいのに。

Wikipedia でもクエッチョンは浮いている。

SKET DANCEの登場人物 #その他の生徒 - Wikipedia

アイドル声優となったモモカと並ぶくらい美人なクエッチョンの、本当の素顔が見られるのは、まだまだ これからかもしれませんね。じっくり ゆっくり育てて欲しい登場人物です。

とくに、ヒント出していい? のような場面を中心に描いて欲しい……!


おそらく、エニグマンとクエッチョンは、初登場の時は「使い捨てのネタキャラ」だったと思う。出番が増えるにつれて、「くっつくことが前提のペア」に なっていきます。

それにしては、恋愛へ進展するまでが長かった!

美味しんぼ』で言えば、近城勇と二木まり子ですね(あ、ネタバレ!)。あの 2 人も、2-3 話くらいで結婚までいくと見ていたのですが、貞子の髪の毛のように長々と描かれました。

近城夫婦のように、大門たちも二転三転した恋愛模様を楽しみたかったけれど、それは今後の展開に期待しましょう。


バクマン。』の中井巧朗ネタが出てきた上に、モモカにインタビューしている人は、相田班長に似ている! ──というのはコジツケかな。

バレンタイン・デーを強く意識するモモカとヒメコは、完全に「恋する乙女」の表情をしています。じつに──イイネ!

第 186 話 「バレンタイン・クライシス 前編」

ボッスンがチョコレートを あまりもらったことがないとは、かなり意外でした。彼くらいクラスメイトから尊敬されている生徒は、ほかに いないのでは? 義理チョコの 10 や 20 くらい、女子も あげればいいのに。

素晴らしいことにボッスンは、ヒメコからチョコをもらえなかった悔しさを、そのまま素直に話しています。スイッチも茶化したりせず、普通に聞いている。ありふれた風景のようでいて、ありがたい友情です。

このような友だちとの関係は、学生時代に作っておいたほうが良いですね。社会に出てからは、なかなか得がたい。──と経験者は語るのじゃった。

せっかく再登場した武光振蔵は、ネタとして早々に消えてしまいましたね。でも彼は、男友だちには恵まれています。将来も孤立せずに済むでしょう。チョコとは縁がなさそうだけれど。


「前編」の主役は鬼塚一愛です!

普段は男っぽい言動が多いヒメコだけに、女の子らしい描写で来られると、なんだか こっちまで照れてしまう……。

どんな心境で彼女がプレゼントを選んでいたのか、本人になったつもりで読みました。フル・マラソン完走後のように汗だくです。「『スケダン』を読んでダイエット!」という本でも出そうかな。

そんなヒメコのようなトキメキ少女には、ハト型 チョコはナイスですね! これは実際に商品として置いてあったら、飛ぶように売れるのでは? ハトだけに。

でも、ボッスンのことだから、そんな気づかいは無用に違いない。手作りチョコに手書きで「I LOVE YOU」と書いてあったとしても、「あんがとよ」とか言いながら、本人の目の前で美味しそうに食べるだけでしょう。

第 187 話 「バレンタイン・クライシス 中編」

「中編」も前半はヒメコが主役でした!

電話をかけているヒメコは、史上最強の かわいらしさです!! もう、このまま連載が終わっても良──くはないけれど、自分の命が終わるくらいに、バクバクが心臓してくる(逆逆)。

「前半」と見比べれば すぐに分かるように、この愛らしい格好は、わざわざ着替えたあとです。たぶん、「身を清めて」から電話をしたのでしょう。

つまりは──、ヒメコの室内着なんですよ! こんなに短いスカートのルーム・ウェアが存在しても良いのでしょうかッ! けしからん! いや、けしかる!(?)

作者は、完全に読者を──いやさ、オレひとりを、完全に殺(や)りに来ていますね。これが本当の、『血のバレンタイン』か……(?)。

結城澪呼がスイッチにチョコレート──もとい呪いの人形焼(チョコ味)をあげる宣言をしていることも、個人的に うれしかった! 彼女の髪の毛なみにストレートな告白じゃないですか!

女子の皆さん、アナタの魅力を最大に引き出すコツは、素直さですよ!


タイトルのデフォルメ絵も、最ッ高にプリティです! たぶん、ヒメコが想像した当日の一場面でも あるのでしょう。2 人の関係をよく表わしている。

バレンタイン・デイ当日のヒメコも、キュートさが爆発しています! ヒメコ自身がツッコミを入れているように、一目見た時から「魔法少女っぽい」と思いました。ヒメコも、『魔法少女まどか☆マギカ』を観ていたのかも。

魔法少女まどか☆マギカ 第 1・2 話 - それは夢にも見るような…… | 亜細亜ノ蛾

チョコレートを渡す直前まではアルティメット・きゃわわだっただけに、手渡す時の不気味な表情が最強に笑えました! いや、でも、普通にしていて こういうお顔の人も、いますよねぇ……。ゴホンゴホン。


スイッチとモモカに主役のバトンを渡す導入部も、見事なスムーズさです。モモカのライブにスイッチが一人で行ったのは、照れくささが半分と、ボッスン・ヒメコに気を遣ったのが半分なのかな。

どこまでもイケメンなスイッチです。

スイッチと小田倉との会話も味わい深かった。メールの内容をそのまま信じれば、スイッチは小田倉も誘わずにライブに来たはずです。それなのに、小田倉から何のイヤミも言われていない。

それどころか、モモカの関係者との親しさを見ても、小田倉は慣れたものです。普通、「オタク」で「ファン」だったら、もうちょっとコネを使って ずうずうしくなりそう──という最近の「よろしくない風潮」を吹き飛ばしましたね!


吉備津百香が笛吹和義にチョコレートを渡す場面も良かった。まず、ライブ前の 5 分間だけしか時間が取れない──と限定されている点が素晴らしい。この状況にモモカも背を押されて、言いたいことが言えたはずです。

自分が渡すはずのチョコを相手が持っている──。このことに気がついたモモカの心情を思うと、胸がキュンキュンして圧死しそうになります。最後には あげるのだから同じこととはいえ、純粋な女の子なら顔が真っ赤になりますね!

スイッチの気持ちを考えると、切ない。モモカに好意を持っていることは間違いないから、彼女が特定の人物を想っているなんて、スイッチは不快なはずです。かといって、自分がその「特定の人」には なれない──と思っている。

こんなに複雑な状況を分かりやすく描けるのは、何度 読んでもすごい! おそらく、小学生が読んでも理解できると思います。子どもにこそ、こういう完成度の高い作品を読ませて欲しい。

第 188 話 「バレンタイン・クライシス 後編」

『スケットダンス』の(裏)テーマの 1 つが、「そう簡単に人は変わらない」だと思います。良い意味でも、悪い意味でも……。

1 冊前の第 20 巻で書いたように、最低な教師に泣かされたヒメコは、ある意味では因果応報だと思う。それくらい、彼女は今でも暴力を振るい続けている。残酷なようだけれど、それが事実です。

『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 20 巻 感想・2 | 亜細亜ノ蛾

かなり楽しい学園生活を送っているように見えるスイッチも、いまだに ひと言も話していません。同じ学校の生徒なら気にしないだろうけれど、新入生や街の人からは、「かわいそうな人」を見るような目を向けられているのでは?

この作品は「ごく普通の少年マンガ」であれば、いくつかのエピソードを通して「成長したスイッチ」が だんだんと口を利くようになる──といった「感動的な演出」を盛り込むでしょう。

──もしかしたら、多くの読者もその展開を望んでいるかもしれません。でも、そうは ならなかった。


キーボードを たたいて、合成された作り物の声で語ったスイッチの言葉は、モモカの心に突き刺さる──。

オレは二度と 恋はしない

なにより、スイッチの過去をモモカは知りません。くわしい事情が分からない上に、「昔は好きな人がいた」ことだけは知ってしまった。より深く傷ついたはずです。

ボッスンとヒメコが説明してあげる──という選択肢もあったと思う。でも、それはダメでしょうね。あくまでも、モモカとスイッチの問題だからです。

いつかはスイッチとモモカの心が通じ合う──と藤崎も鬼塚も信じている。いまは、それで十分でしょうね。


上で書いたこととは別に、ライブ会場でファンに──スイッチに語りかけたモモカの言葉が、もう一つの『スケダン』のテーマだと思います。

自分の姿を見せる事で 人は変われるって事を 証明したい (……)

一度や二度 ケチがついたって 人は何度でも 生まれ変われるよ! アタイは 変わった!

「簡単には」変われなくても、不可能ではない。

ヒメコが暴力を振るう相手は、言ってしまえば「まだ子ども」です。時には、殴らないと分からない子もいるでしょう。オトナになってからでは、ずるい手口を覚えて逃げるから、手遅れかもになる。

スイッチだって、ただたんに「黙っている」わけではありません。すくなくとも、家に引きこもっている状況からは前進しています。

珍しく ほほえむスイッチが見られて良かった。


エンディングも ほのぼのとしていて楽しかったです! 最後の最後まで甘くて美味しい──ちょっぴり切ない味の話でした。

茜と瑠海からしたら、ヒメコは家族扱いなんですね。でも──よく思い返してみると、ボッスンとヒメコが出会ったのは高校に入ってからなので、まだ 2 年間くらいです。それで、もう家族か……。

現実世界でも、出会って数年──いや、数か月で家族になる人も珍しくないから、あり得る話かもしれません。5 年間もつき合った上で あまり相手に理解されず ふられた自分には、縁のない話ですけどねッ!

茜も瑠海も、ヒメコが本命とは思っていない点も興味深い。もしもの世界に迷い込んで、ボッスンがヒメコをカノジョとして家に連れてきたら、オカンも妹もビックリ仰天するのかも。

第 189 話 「バレンタイン・バラエティ」

正直なところ、「ボッスンとサーヤが つき合っている」という事実を、すっかりと忘れていました。──という読者も多いのでは?(人ごとのように) ヒメコのキュートさに脳の活動を停止されました。

よくよく考えてみると、2 人の仲を知った上で、ヒメコはボッスンを呼び出しているんですよ。休日のバレンタインに・2 人きりで・公園へ──。バッタリと紗綾に会ったら、どうするつもりだったんだろう?

たぶん、そんなことも頭に浮かばないくらい、ヒメコは「いっぱいいっぱい」だったのでしょうね。あとから冷静になって赤面する──というヒメコを想像すると、今日もご飯が美味しいです!(?)


安形紗綾は、けなげにチョコレートを手作りしているだけで可愛らしいのに──「裸エプロン」みたいに見えて目が飛び出ました! 読み返すたびに、このページでドキッと手が止まります。

安形兄にチョコを あげる場面を見ると、ますますエプロンの構造が分かりません。そう思いながら検索してみると──、やっぱりコレ、「そういう時用」の衣装じゃねェか!!!1 (どういう時かはママンに聞こうね)


スイッチと「名もなき後輩女子」との やりとりも、かなり「高度なプレイ」ですよね。このことが きっかけで、この女子も「目覚めた」に違いない。──どういうことかは、パパンに聞こうね!

個人的には、師匠が描く『銀魂』のような直接的な表現よりも、『スケダン』の何重にもコーティングされたエロスのほうが、一段と毒々しくて大好物です!


高橋千秋は、かなりモテそうなのに、本命をあげる相手は いません。部活動が忙しくて、それどころじゃないのかな。

彼女の大食い・早食いキャラがバレるまでは、男子にも人気だと思う。いや、美味しそうに ご飯を食べる女の子は、いつの時代でも好かれるはず。

ただ──、キャプテンが恋をしている姿を想像できません。強いて言えば、相手はフード・ファイタかな……。


生徒会メンバの話では、加藤希里が椿佐介にチョコレートを渡すのではないか、ハラハラドキドキしました! ──という読者も多かったのでは? (他人に丸投げ)

実際は、もっと斜め上の展開でしたケド。

同級生の男子が女装をして喜ぶ女子──という構図は、少年マンガでは比較的よくある光景です。でも、最近の「ジャンプ」では意外と見かけませんね。

はしゃいでいる丹生美森が良かったです。彼女の財力を持ってすれば、好きな時に いつでも女装くらい見られそうですけどね。でも──、「身近な人間」だから良いのかな。門外漢なので、よく分かりません。


早乙女浪漫がボッスンにチョコレートを手渡す場面は、この巻で一番の衝撃でした。かなりギャグ・タッチで描いているけれど──、きっぱりとロマンが「王子」をあきらめたシーンでしょう。

ほとんど勘違いから始まった「設定」なので、いつかは この日が来るな──とは思っていました。貰ってくれて 私も 嬉しいわという言葉も、かなり へりくだって聞こえる。

彼女のことだから、今後も普通に「王子」と呼ぶだろうけれど、すくなくとも作者の中では、ハッキリと線引きをしているでしょうね。

その甘酸っぱい毒が『スケダン』の魅力だと、個人的には思う。

もしかしたら、ロマンが あげたチョコレートも、塩辛かったかもしれませんね。涙で──。


ヒメコやロマンとは違い、サーヤから もらったチョコだけは、ボッスンは すぐに目の前で食べている。これもカノジョだから差が付いたのか──と思わせる演出が素晴らしい!

もちろん、紗綾の気持ちに応えたということも あるのでしょうが、藤崎には「失敗している可能性」が見えていたのでしょう。それほど冷静に受け取っていた──と考えると、頼もしくも悩ましい……。

ボッスンで 良かった──と素直に喜んでいるサーヤの顔を曇らせないためにも、ボッスンの行動は満点でしたね! そりゃ、日頃のお礼を大量に もらえるでしょう!

対照的に、安形兄はマイナス 100 点でしたね。

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