『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 12 巻 感想・2

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『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 12 巻 「ドロップ」

We Have a Choice (EXPLORED) (by Sean Rogers1) (by Sean Rogers1)

おっと、ついにヘリウムガスの話が出ましたか! コミックスのみを読んでいる人は、「セルフライナーノーツ」を読んでいただくとして……。

さすがに単行本では 1 ページ目が描き換えられていましたね。でも、「ヘリウムガスを吸う」という部分は変えてこなかったのは、グーです! ここでヘンに「あたりさわりなく風船をふくらませるだけ」だったり、「この話自体を削除」したりしたら、面白くも何ともありません。

「マンガには罪はない」なんて言うつもりはありませんし、マンガの影響力は大きいでしょう。『SKET DANCE』くらい面白いマンガであれば、なおさらです。

──でもね、もしもマンガのマネをしてケガをしたり、アブナイ目にあったら、それは──おバカさんというものでしょう。昔のオカンみたいに、悪さをしたらビンタを食らうような教育を受けていたら、そんなにムチャはしない。すくなくとも、オレはしなかった。

第 105 話 「ドロップ」

気のせいかもしれませんが、高橋千秋は、ほかのキャラクタよりも気合いを入れて描いている──気がします。たとえば、みんな居る? といっている表情は、妙にリアルじゃないですか? 恥ずかしそうな表情も、飛び抜けてカワイらしい。気のせい、かなぁ……。

キャプテンは、誰とでもすぐに仲良しになれそうです。昔のヒメコとのやり取りを見れば分かるとおり、素っ気ない態度の子がいたら、自分から積極的に話しかけそう。スケット団メンバとの親密さもスゴいです。

そんな高橋の一番の親友である秋奈は、本当に良い子なのでしょうね。ほんのちょっとのすれ違いでムキになるところが、逆に、普段から高橋との仲を大事にしている、と分かります。

ラストはこのマンガらしく、すべての伏線がキレイにつながりました。何かひとつ欠けていても、このお別れはなかったんですよね。秋奈は最後にいい思い出ができました。いまはメールも動画も気軽に遅れるし、ずっと千秋と秋奈は、仲良くしていてほしいなぁ……。

最後の最後でボッスンが出した「白いドロップ」は、もちろん、高橋と秋奈のことを暗示しています。それと──たぶん、ボッスンとヒメコとの仲も示しているのでは?

第 106 話 「マルツイ・デカダンス」

どんだけ自意識過剰なんだ、と突っ込まれているヤバ沢さんが面白い。楽しそうな人だなぁ。いろいろやっているし歌がウマいし、将来は大物になるかもしれませんね。

またメンドウクサソウな人物が出ました!

一長太郎(でかた ちょうたろう)が初めて出た場面では、本当に警察かと思いました。以前に、(売れなさそうな)マンガ家が学校に来たことがあるので、てっきり本物かと。よく見たら、生徒手帳を見せているだけでした。これだけ堂々とされると、自分みたいに信じる生徒が居るかもしれませんね。

部活動は、基本的に将来の就職を想定した活動が多いハズです。それ以外は、同好会になることが多いような気がする。──それとも、部員の数だけで決まるんでしたっけ?

ともかく、将来の刑事を目指す生徒たちが刑事部を作ることは、ごく自然だと思います。そのワリに、実際には見たことがないような……。

──ああ、そうか、逮捕する必要がある生徒なんて、そうそういませんからね。長太郎みたいに、勝手に事件を作り出されても困るし。刑事になりたい人は、まずは柔道や空手を習うのが基本なのでしょうか。

以前から『SKET DANCE』では、1 話限りのオイシイキャラが出てきます。今回出てきた「アップル」こと三井林檎(みつい りんご)は、メチャメチャかわいらしい! ナマリのあるしゃべり方も容姿も、スーパ・キュートです! また出てきて欲しいですね。

──頭に乗っているのは、リンゴというよりミカンに見えるケド。

第 107 話 「おり神と呼ばれた男」

一生、「手先が器用」を押していく主人公──これがボッスン・クオリティです! いつも思うことですが、じ、地味だなぁ……。

ボッスンの折り紙の上手さもスゴいですが、ヒメコの不器用ぶりも度を超えています。この不器用さは、いつか重大な事件へ発展するのではないだろうか? そんな心配をしてしまいました。ペロキャンの食べ過ぎで、美的感覚が破壊されているのでは……。

お節介なくらいに他人を構うワリには、すぐ何かにハマって内へ内へとこもる──ボッスンらしいです。将来は探偵が似合う、と言われていましたが、芸術家や職人のほうが向いているのかも。

すべてが用意周到に用意されていて、絶妙なオチへとつながっています。しかし、ボッスンの集中力があれば、メモしたときの状況を思い出せるのでは? もうすでに懐かしい思い出となった、モモカと桃太郎トリオにヒメコが絡まれているときに、ボッスンはわずかな音だけでヒメコの居場所を見つけましたよね。

──そうか、ボッスンはあくまでも、他人のためだけに実力が発揮できるのか。さすが、主人公です!

第 108 話 「ひそひそインストラクソン」

J ソン先生は、登場のたびにホラー度が増している……。いつか、生首(らしきモノ)と一緒に出てこないか、不安ですね。

自分の発明品を出しながら、さりげなく、ボッスンとヒメコがデートをした話を蒸し返す。じつに、スイッチらしい。普通に考えれば、スイッチの将来はエンジニアが向いていそうですが、案外、話術を生かした心理カウンセラが合うのかも。

J ソン先生は、手先が器用だし、木を切り刻む のが大好きだし、将来は工芸家が向きそうですね。町の職人さんという感じ。──あ、すでに先生だった。

緊張して何を言っているのか自分でも分からなくなる、という性格の人がお見合いの場に出るのは、ちょっとムリがありますよね。いきなり一対一ではなく、もちろん教え子を引き連れてくるのではなく、もっと自然に女性と付き合う方法は、ないのでしょうか。

もしあったら──そんなのオレも知りたいです。