『魔法少女まどか☆マギカ』 (PUELLA MAGI MADOKA MAGICA)
『まど☆マギ』、ハマってます! そこで、この奇跡と魔法と──残酷に満ちた物語について、記事を書くことにしました。それはとっても嬉しいような、切ないような……。
主人公の鹿目まどか(かなめ まどか・声: 悠木碧)は中学 2 年生の少女です。クラスのみんなには内緒で、魔法少女に変身して格好良く悪と戦う! 夢と希望に満ちあふれた、とっても楽しい子ども向けアニメ──
──だったら、自分は見ていません。
いわゆる「魔法少女もの」のイメージを破壊していくストーリィ展開と、劇団イヌカレーが創り出すファンタスティック・グロテスクな「魔女」の世界と、少女たちの ひたむきな姿が魅力の作品です。
何年も前からテレビを見なくなった自分は、ニコニコ動画の配信で本作品を楽しんできました。ところが残念ながら、全 12 話中の第 10 話までが公開された現在、放送も配信も休止しています。
そのため、来る日も来る日も、第 1 ~ 10 話を繰り返し見続けている──。『エヴァンゲリオン』と言い『HUNTER×HUNTER
』と言い、自分が好きになった作品は、どうしてスッキリと最後まで描かれないのか……。
4 月中には残りの 2 話が配信されるそうなので、それまで希望を胸にして待っていましょう。第 10 話を観る限りでは、視聴者の期待を軽く上回る話になるはずです! ──「2011 年の 4 月」という意味で良いのかなぁ……、とすこしだけ思いつつ。
「魔法少女まどか☆マギカ」当面の放送を休止 残りは4月中をめどに“お届け” – はてなブックマークニュース
第 1 話 「夢の中で会った、ような…」
冒頭から、いきなり「魔法魔法した」世界に放り込まれます! 主人公っぽい気弱そうな女の子と、異世界でひとり戦っている美少女、「口を動かさずにしゃべる」ネコのような生きもの──。何だこれは!
この異世界での一幕は、今回は「夢オチ」で終わっていますが、当然のように「最終回の付近にある展開だろう」と斜に構えた視聴者は思うわけです。
はたして、真相は──。
このような「謎を謎のままにして、展開を先に進める」という手法は、アニメでもマンガでも昔から(「『エヴァ』以降」から?)よく見かけますね。ミステリィ的でもあり、「謎がたくさん出ますよ」という宣戦布告だと受け取れる。
この作品における謎の象徴は、暁美ほむら(あけみ ほむら・斎藤千和)という転校生です。物静かな優等生タイプ──と見せかけて、まどかに対する態度がヘンすぎる。
ほむらの異常な行動は、第 1 話から全開です。まどかに「変わった名前だよね
」と言われて顔をしかめたり、ねっとりとした熱い視線を送ったり、人生を達観した者のような忠告をしたりする。
極めつけは、キュゥべえ(加藤英美里)を ほむらが痛めつけたことです。番組のマスコット・キャラをあれほど傷つけるなんて、前代未聞なのでは? この作品は全体的に規格外だけれど。
冒頭に出てきた異世界での できごとを含めて、「謎属性を詰め込みすぎ」に感じる暁美ほむらの行動は──、なんと! いずれキッチリと分かってしまいます。それまでは、不思議なまま受け入れましょう。
今後は謎めいた展開が増えていくため、この回を見直すと、こまかいところが気になってきます。たとえば、鹿目家のダイニングにあるカラーボックスの色が、「赤・緑・青・黄色・ピンク」であることも──。
ダイニングと言えば、まどかの弟・タツヤ(水橋かおり)が朝食のときに「2 つ並んだプチトマトをフォークで刺そうとする」場面も、なんだかモヤモヤします。その 2 つの赤い球体は、まるであるキャラクタの目玉のようにも見える。
まどかの母親・詢子(じゅんこ・後藤邑子)が格好いい! 『まど☆マギ』の特長の 1 つは、日常パートが良く描けていること。そのクオリティを支えているのが、この母親の存在です。
人生の先輩として自分の生き方を娘に語る詢子は、本当の意味での「教育」をしている。
──子どもに「宿題をしなさい」としかるだけで、テレビの情報に踊らされているお母さんにこそ、『まど☆マギ』を見せましょう!
父親の知久(ともひさ・岩永哲哉)が専業主夫であるところも現代的です。この「家族や仲間のために、女性が戦いの場に出ていく」という設定は、あとあと伏線として動き始める──。
まどかの親友・美樹さやか(みき さやか・喜多村英梨)は、やたらと元気で動作が大げです。ある意味では、本作品で一番「普通の女子中学生」ですね。「小市民に生まれて良かったわ
」と冗談のように自分で言っているくらい。
上記の発言は、全身から「お嬢様オーラ」を出している志筑仁美(しづき ひとみ・新谷良子)に対する皮肉でもある。まどかも含めて、自分たちとは生まれが違う──と言いたいわけです。
ただ──、まどかの家も、小市民には住めない豪邸だと思う。あれで共働きではなく、母親ひとりだけの稼ぎで成り立っている。どんだけバリキャリ
なんだよ……。
この作品で一番「魔法少女している」のは、巴マミ(ともえ まみ・水橋かおり)で決まりです。戦いの前には「マミマミ・マジカル・ステップ」(いま命名)を踏んで「変身ポーズ」を決めるし、最後には必殺技「ティロ・フィナーレ
」の名前を言う。立ち振る舞いも優雅です!
それなのに──、マミの武器は、マスケット(銃)や大砲・リボンなんですよね。メッチャ物理攻撃じゃん!
──とツッコミたくなるこの点すらも、じつは、あとあとの話につながってくる。どこまでも深読み・先読みしたくなる作品です。
第 2 話 「それはとっても嬉しいなって」
冒頭に出てくるキュゥべえ入浴シーン(ごくり……)が かわいらしい。「魔法少女(候補)以外には見えない」という彼(オスです)の特性を説明しているだけですが、暴力的にキュートですね。殴りたいくらい。
──お湯の動きで母親に気付かれそうだけれど……。
このシーンからも、詢子と まどかとの良好な関係が感じられます。仕事に追われる母親と、むずかしい年頃の娘なら、もうすこしミゾができても普通なのに。それだけ親はまっすぐ育てたし、子は素直に育った──ということですね。
仁美もまた、一直線に成長している。「ネタキャラ」へと……。ギャグで言っているのか素なのか、まどかと さやかとの仲を疑っています。たしかに、同じ秘密を共有しているとは言え、この 2 人は くっつきすぎですね。
男子にモテる仁美は、多くの女子からは嫌われていそうな気がします。やさしい性格の まどかと、正義漢の強い さやかがいなければ、仁美はクラスで孤立するのでは?
──そう考えると、自分の知らないところで急接近した友人 2 人を見て、本当に仁美は さみしかったのかも……。
そしてこれまた、あとの展開にリンクするのです。
ようやく登場した魔女は──、最初は「エビ」かと思いました。いま見ても、何が何だかわからない。どういう発想をすれば、このような造形ができあがるのでしょうか?
魔女図鑑: 「薔薇園の魔女」 | SPECIAL|魔法少女まどか☆マギカ
この作品に出てくる魔女の異質感は、ほかの作品では なかなか見られません。『さよなら絶望先生』のアニメでも、「イヌカレー空間」が威力を発揮したのは、おもにオープニングくらいでしたからね。
まどかがノートにスケッチした絵は、まどかの声優さんが描かれました。18 歳(!)の彼女が描き出すイラストは、劇団イヌカレーにも負けないくらいの良いオーラを持っています。
シャフトの作品には、何人の画伯が出てくるのか──。
マミは徹底して「お姉さんキャラ」として活躍します。この話の最後には、OL をやさしく抱きしめるマミが出てくる。とても中 3 には見えません。何という包容力でしょうか!
まさにマミィ(お母さん)な感じ。
この「マミさん素敵!」な描写も、びしばし次回に つながりまくっているのだなぁ、これが……。
終わりに
自分が管理しているミニブログ(Tumblr)は現在、『まど☆マギ』の投稿ばかりです。おもに二次創作ばかりで、ネタバレも多いですが、お好きな人はどうぞ──。
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